プロメテウス(観たて!)
観てきました! リドリー・スコット監督待望のSF超大作「プロメテウス」。
うーん……
この映画の内容を語るのは難しい。ネタバレ絶対禁止!
これから観るのを楽しみにしている人が読んじゃったら絶対恨まれますからね。
……と思っていたのですが、
例によって某映画情報サイトの「みんなの評価」を見てみたら、どうも自分の観終わって興奮したテンションとかなり温度差のある評価が予想以上に多く、わたしは内容について「絶対ネタバレ禁止!」と思っているのですが、どうもそこらへんでわたしと正反対の考えの人が多いようで。
以下、極力ネタバレを避けてぼかした書き方をしますが、既に観ると決めている方は以下の文章を読まず、また、決して、決して!、映画情報サイトなど覗かず(絶対にアクセスしたり検索したりしちゃ駄目!!)、ご自分の想像力だけを頼りに極力前情報のない状態でご覧ください。わたしはその方が絶対にこの映画を楽しめると思うのです。
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わたしがこの映画の存在を知って、「人類の起源に迫る壮大なSFミステリー」という内容を知ったとき、現在の最新科学知識や理論を元にしたハードSF的なアプローチの映画かと想像しました。これは楽しみだ。リドリー・スコットがどのような驚くべき「人類の始まり」をイマジネーション豊かなSFとして描いてくれるのか?
しかしその後ビジュアルや予告編を見て、どうも自分が想像していた物とは違うようだなと、正直ちょっとテンションが落ちてしまいました。「人類の起源」と言いながら、「宇宙人起源説」なのは明らかで、どうもその宇宙人の惑星で一悶着起こる、アクションスリラーのようだなと。
映画が始まって早い段階でこの映画の世界観のヒントが与えられる。
ここで「あれ?」と首を傾げ、この映画がいったいどういう企画意図で作られた物か、半信半疑の思いで続きを観ました。
今手元に映画のチラシを置いて書いているのですが、
「 決して触れてはならない謎
それは想像を絶する
<人類の起源>の真実だった! 」
とデカデカ書かれています。
「 なぜ人類誕生の瞬間は、
空白のままなのか。 」
「 謎の答えを、知ってはいけない。 」
思いっきり興味をそそられますね。でーんとでっかく人類の親らしき宇宙人の顔(の彫刻)が映っていて、謎の答えはそのまんまなんですが。
はっきり言ってこれは科学的なハードSFではありません。
映画の中で、「<人類の起源>の真実」の答えは明かされますが、それは事前に想像し期待していた物とはまったく別種の物です。
事前に期待していた謎の答えにはがっかりしますが、
事前にはまったく予期していなかった謎の答えが明かされます。
ここでわたしは大喜びしたんですが、まったく正反対に、怒ってしまった人も多いようですね。
わたしも経験があるんですが、読む人をビックリさせて喜んでもらおうと書いた物が、「騙された!」と怒らせてしまったようです。
人を驚かせるのは、あくまで想像の延長線上でなければならないようです。
こっちの線だと思っていたのが、実はこっちの線だったんだよと言うのは、怒らせてしまうようです。
事前に観客にそのように期待させてしまった宣伝が悪いのか?
怒っちゃった人が多いようなので失敗だったのかも知れませんが、その意味ではわたしはまったく内容を知らずに観て、「ああ、こういう映画だったのか」という驚きは、楽しかったです。宣伝担当も観客のそういう反応を期待してそういう宣伝を行ったと思うのですが。
映画で、お客さんに観る映画を選んでもらうためにある程度「こういう映画ですよ」という案内は必要でしょうが、最初からショックを受けてもらう、ビックリしてもらう事を売りにした映画が、あまり具体的な手の内を明かしてしまったら面白くない。
映画の内容は極秘扱いで、これは企画の段階からお客さんをビックリさせようという狙いがはっきりあったと思います。宣伝は宣伝部が独断で行った物ではないはずです。(と言いつつ小出しの情報とヒントはネットの宣伝活動で明かされていたようですが)
「プロメテウス」は現在から数十年先の未来、古代文明の遺跡に記された「創造主からの招待状」を受け取った地球人が、はるか彼方の惑星に「自分たちの創造主に会いに行く」物語です。
そこに本当に創造主はいるのか? 文明はあるのか? 生命は存在するのか?
創造主はどういうつもりではるか遠い惑星に自分たち人類という知的生命体を生み出したのか?
その疑問に答えてくれる者は、はるかな時を経て、自分たちを待っていてくれるのだろうか?
科学者のチームは2年あまりの冬眠を経て宇宙船「プロメテウス号」で目的の惑星に到着し、不安と期待に胸を高鳴らせて探検に出かけていくのです。
3Dです。
チームといっしょに探検に出かけていく観客もワクワクするじゃないですか?
この先に、いったいどんな驚きが待っているのだろう?
(これがどういう映画なのか? まだはっきりした手がかりがなく考え考え観ている段階が一番楽しかったです。これはもうこの一回きりの特別の体験です)
しかしその驚きと疑問への答えは、科学者チームの期待していたファンタスティックな物ではなかった。
答えへの理解は、彼らに恐怖を与え、パニックへと陥れていく。
忠告しますと、痛いのが苦手な人は観ない方がいいと思います。
えっ? これ、映しちゃうの? やめてえ〜〜、うぎゃあ〜〜っ!!
というシーンがありますから。
一つケチを付けると、映画自体謎のまま終わっちゃっているところがあって、人物の行動に不可解なところがあるんですね。続編はあるのかな?
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この映画の答えについて、一つだけヒントを出しますと、これで分かったらものすごく勘の鋭い人だと思いますが、
エンドロールのスタッフクレジットで
elements
という単語が出てきました。「元素」「要素、成分」という意味ですが、もっと具体的な物を指していると思います。
この「要素、成分」がなんなのかということですね。
はい、これ以上はもう言いません。
ご自分でご覧になって、喜ぶか、怒っちゃうか、自分の心の広さと柔軟さをテストしてください。