マイケル・ベイはよく分からない
人が何を面白がるかって本当によく分からないなあと悩むことが多いです。
数年前のお盆に従姉妹(女の子)と話していて、「呪怨」シリーズの話になって、わたしはなんといっても一番最初のビデオ版がものすごく恐くて、ホラーにかなり慣れているつもりだったのに、1時間ちょっとのビデオを途中で何度もやめようかと思ったくらい恐かったのです。
本筋とは関係ないんですが知らない人のために「ビデオ版呪怨1」の恐さを解説しますと、ほとんどストーリーらしいストーリーは示されず、細切れの「恐い」シチュエーションだけがブツ切れ状態で示され、恐いお化けが出てきて、恐いまんま終わる、という訳の分からない数分間の繰り返しで、この訳の分からなさがひたすら恐かったわけです。
ところが、ものすごく期待してレンタルした後編に当たる「呪怨2」のビデオ。「1」で細切れでばらばらだったエピソードを補完するエピソードが描かれ、一つの連続したストーリーが浮き上がる、という趣向のものなんですが、このストーリーがつながったところで、まったく恐くなくなってしまいました。たいてい恐いものって、理解できないというところに恐さの大半があるもので、ストーリーとして理解されちゃうと恐くなくなっちゃうんですね。ビデオの後半は既にセルフパロディーの様相を呈してきて、完全に遊んでますし。
そんなわけで、
「ビデオの1は最高に恐かったけれど、2を見て全然恐くなくなっちゃった」
というのがわたしの「呪怨」評になります。その説を披露したところ、
「そう? 『1』ってなんかわけ分からなくて全然面白くなかった。『2』を見たら分かるようになって面白かったよ?」
とのことで、わたしは
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
と返答に窮してしまったのでありました。話題が変わって、どんな流れだったか忘れましたが、マイケル・ベイ監督の「アルマゲドン」の話になりました。今度は彼女の方から
「すっごく面白かったよねえ? ラストなんか本当に感動しちゃった!」
と言われてわたしはまたも答えに窮してしまったのでありました。
観に行ったんですよ、「アルマゲドン」、映画館に。
すっごく面白かったですよ、最初の10分くらい。
30分で飽きました。
早くクライマックスになって終わらないかなあと退屈でしょうがなかったんですが、長い長い。ラストなんかあくびで涙が出ちゃいました。
いつぞやネットで米国映画雑誌の歴代ワースト10SF映画という記事を見つけまして、納得のワースト映画が含まれる一方、「ええ?これが?いい映画だったけどなあ?」と個人的に思う映画もありまして、「アルマゲドン」もランク入りしていました。この映画、日本では大ヒットしたんですよね。思うにこれ、ハリウッド版「宇宙戦艦ヤマト」でしょう。日本人が大好きなパターンの映画なんでしょうね。
上のわたしの批評で「はあ?あれが退屈?こいつなに寝惚けたこと言ってんだ?」とお怒りのファンの皆さまが多いかと思います。いえ、わたしも凄いなと思いますよ?さっきテレビの日曜洋画劇場で見た冒頭のニューヨークへの隕石落下シーンなんかもうド迫力で、「すっげーー!!」と改めて思いました。で、ポチッとリモコンで切って、以下続きは全然興味ありません。
例えるならですね、
ものすっごい速弾きのギタリストがいて、「おお!すっげーー!!!」と盛り上がったまではいいんですが、どの曲を聴いても全部同じ弾き方で、まったく同じ印象で、1曲聴くと凄いけど、アルバム1枚聴くと「フッ」と失笑しか出てこない。
という感じです。
カメラワークもセリフの応酬も全部同じパターンなんだもんなー。飽きるよ。
このマイケル・ベイ監督。
ご存じ大ヒットシリーズ「トランスフォーマー」の監督さんでありますが、観に行きましたよ、第1作目は。予告編見たらすっごくかっこよくて、すっごく凄そうで。製作がスピルバーグということで、行けるかなあ……と思ったのですよ。
凄かったですよ、最初の砂漠の闘いは。ハリウッド版「ゴジラ」はこういうのを期待したんだよなあと思いましたよ。今度は行ける!と期待したんですが、主役の男の子が登場してべらべらしゃべりだしたところでアウトでした。甦る悪夢。ロボットもべらべらおしゃべりしてつまらないお芝居するし。必死に眠気に耐えて、クライマックスのロボット同士の闘い、おぼろげに見た記憶はあるものの、どういう決着の付け方だったかとうとう見逃してしまいました。
映像は本当に凄いと思うんですよ、5メートルとか10メートルとかリアルなスケールのロボットが普通に画面に納まっているところなんかハリウッドの映像技術と画作りの巧さを如実に感じさせられます。でもね、やっぱり全部同じなんだよ。飽きちゃうんだよ、テクニックだけのワンパターンのハードロック、ヘビーメタルって。
変型ロボットというお子さま向けの題材にティーンエイジャーの下ネタを持ってくるっていうセンスも分からない。恥ずかしいよ。
変型ロボットに、軍事兵器に、ど派手バトルに、オタク少年に恋してくれるセックスアピールムンムンの美女にと、ひたすらオタクウケのする監督ですね。それが計算でやっているのか、自分自身の素直なセンスでやっているのかがよく分からない。後者のような気がするんだよねえ…………
やっぱりわたしはマイケル・ベイ監督は合いません。
以上、マイケル・ベイ監督に対するただの悪口でした。
でも、実際には「アルマゲドン」も「トランスフォーマー」も特に日本では大ヒット! わたしの悪口は単なる負け犬の遠吠えです。
そんなに面白いかなあ? 面白いんでしょうねえ?
わたし、三池崇史監督も合わないんですよ、あの乗り。世間的には評価が高いようですけれど。
わたしのセンスはそんなにずれてるでしょうか?
思いっきりずれてるよと言われそうですね。
すみません、最近だんだん自覚するようになってきましたのでお叱りはお許しください。