#彷徨えるカムパネルラと魔女の聖名(みな)において05
「くぁふ……さ、行こうか〈リリィ〉。――李飛龍、《タナトス》出撃する」
小さく欠伸を噛み殺しながら《タナトス》のシステムを立ち上げる。
アイリスそっくりの小さなホログラムは、その小さな欠伸を見逃してくれずに
《了解。減速出撃、オートパイロットモード》
言った。
「ちょっとちょっと。減速は困る、フルスロットル、攻撃特化モードで……」
《バイタルが攻撃特化の基準を満たしてないわ。あなたいくつだと思ってるの? 私のリソースは攻撃特化だけじゃない、パイロット保持にも割かなきゃならないの。それが第16世代機の開発理念だったはず。飛龍はすぐに無理するから低め安定でセーブして……》
「わかった。わかったよ、〈リリィ〉のよしなに。キミ昔よりお喋りになった?」
飛龍の中で、OSに搭載されているその人は〈リリィ〉というそっくりな別人ということにした。
☆
第16世代機のOSが組み上がったあの日。
久しぶりかつ奇跡的に集まった面々は、ヴィルヘルムに殴りかかろうとするディートリヒを止めることからスタートした。
「お前、頭トチ狂ってんのか!? 約束しただろうが! 守れなかった俺たちにアイリスを蘇らせる資格はない、平和な世界が成るまでその道は取らないって。なのに、言うに事欠いてプログラムにDNAごと喰わせたってどういうことだ!! ヒトに近づけるためなら俺たちのDNAだって良かっただろうが! てめぇ一人で何企んでやがる!」
「――選ばれなかったお前には説明したところで分かるまいよ」
「……ッ! ぶち殺す!!」
「へいへいへい、タンマ。ヴィルもそう煽るなよ、理由があるなら事前に教えてほしかったってディディは言いたいんだ。それはおれも同じ気持ち。セシルとアーサーも何で安請け合いしちゃったの? ここでみんなで決めたこと忘れた?」
ペドロが割って入って、ようやくディートリヒはいったん拳を下ろした。
怒りでまだ息は荒い。
ジェイムズ・セシルは憮然と「第16世代機には進化の特異点が必要だった」と簡潔に言い、アーサーは複雑な心境を隠せない様子で「僕らのDNAじゃ求める数値に足りない可能性があったんだ……その、僕らも年を取ったし、最強名高い彼女でないとシンギュラリティと呼べるほどの効果がはっきりとは見込めなかった。迷ったけど、でも、――そうだね、ごめん。開発者としての興味が勝った」
「…………」
「…………」
「で?」
沈黙を破ったのはヴィルヘルムだった。
「俺たちを糾弾して気は済んだか? これでも忙しい身なのでね。用件がこれだけならお暇させてもらいたいんだが」
「てめぇ……」
「一つ訊いていいかい? キミにとって、アレはアイリスなの?」
「何が言いたい?」
飛龍の問いにヴィルヘルムは不可解そうに眉根を寄せる。
「そのままの意味さ。アレは本当にキミが何より愛したアイリスなのかって訊いてるんだ。遺伝子のジュラルミンケースはあと2つ。エステルかユリウスが再生医療を施して、アイリスを完全に蘇らせた場合、キミはどんな顔でアレと接するの? まあアイリス本人には気まずそうな顔するんだろうけどさ。キミの中でアレはアイリスじゃない。だから俺たちへも報告しなかったし、《何か》性急に事を進めなければならない事情があった。ちがう?」
「……アイリスとは認めてない……確かにそうかもな。だから俺はお前たちにも黙って事を進めようとしたの、か?」
「そんなに急ぐ《何か》ってなんだい?」
ヴィルヘルムはわからない、と呟いた。
確かに予想だにしない質問を受けて困惑しているようだったが、わからないは嘘だなと飛龍は咄嗟に思った。
が、それは言葉にしなかった。
「ともかくもだ。コードネームは〈リリィ〉でいいんじゃないか? 〈リリィ〉と〈マギエル〉は別物。アイリスは被験体として相当な貢献をしてくれた。そういう考え方でいこう。俺たちが今ここで諍いを起こしても仕方ないだろう?」
宣ったジェイムズ・セシルに全員が今カットインするとこかよと思ったが、内容の正しさのせいで誰もつっこめず頷いた。
妙に毒気を抜かれて三々五々になりかけたとき、ヴィルヘルムから「ちょっといいか」と呼び止められた。
「ん?」
「飛龍が皇国五家の第三卓に上るだろう。少し話しておきたいことがある」
「いいよ、第16世代機のローンチまでは開店休業だ。連合とは膠着状態だしね」
「僕らは最終調整があるんだけど……きっと大事な話だよね」
「やっと口を割る気になったかよ。おせーよ、ほんと」
がなり立てる面々の中心に立って神妙な顔をしたヴィルヘルムが語り始める。
「――お前たちにだけは話しておく。俺は近いうちに五家筆頭を降りるつもりだ」
そんな言葉から始まって、ヴィルヘルムから告げられた短い話は、タールを煮詰めたようにあまりに禍々しくて、その日から眠りが浅くなった。
悪夢とも言えない現実味に溢れた硝煙の臭いが鼻について眠れない。
ギリギリとはいえ、よく正気に見える振る舞いができるな、と飛龍はヴィルヘルムのごっそり欠落した感情の意味を思った。
☆
「あーやだ。ほんっとババアは遠慮がなくて嫌だ。なんだってあんたと共闘関係なんか結ばなきゃなんないんだ」
「そう言いながらも協力してくださるアトゥル様をエステルも好ましく思いますわよ、きっと」
「うるせぇな、お嫁ちゃん……元か。のためじゃなきゃやらねーよ、こんな煩わしいこと」
「あらあら。あらあらあら。昔、アイリス――〈マギエル〉も殿方が争ってそれは大変でしたのよ。血は争えませんわねぇ」
「え、なに。ボク以外にもお嫁ちゃん狙ってるやついるの?」
「んふふ。ひみつですわ。ほら、お仕事お仕事。エステルはきちんと働く、影のある殿方が好みですの」
「ちくしょう、このボクがババアの掌で踊らされてる……!」
キィン、とマイクのハウリングの音がする。
時代がいくら進んでもこの音が通信開始の合図のようなものらしい。
全周波回線でアトゥルは、まずは自分だけの画角でカメラに映す。
「やあやあ皆様ごきげんよう。ボクは神国連盟導師アトゥル・クシャトリヤ。知ってるって? じゃ、お久しぶり。今日は宣戦布告でも何でもないから安心して。エステルを勝手に取り上げられたのは業腹だけど、ま、衛星を墜とさないだけの理性はあるよ。褒めて、エステル! 〈マギエル〉襲名おめでとう。またいつでも遊びにきてよね」
相変わらず大仰に明るく、あはははは、無邪気に喋るアトゥルの声が一段低くなる。
「早く本題に入れって? 野暮だなぁ。はいはい、連合ならびに皇国の皆様。今日はこの人を紹介するよ、じゃじゃーん!」
カメラに自分を訪ってきた金髪の女性を大写しにする。
「わたくしはアウローラ・ディ・スフォルツァ。皇国第一皇女です。このたび皇国はアトゥル導師と再び会談を設け、第5次世界大戦停戦への道を歩むことを決めました。チョンジエンのエジェ・アル・スレイマンもこれに賛同してくれています。連合の皆様もどうか、どうか兵をお退きになって停戦の道を探らせてください。皇国軍、聞こえますか? わたくしの命に従い、今すぐ兵をお退きなさい。わたくしこそが正統なる皇家の血を引く者」
小さく息を吸い、迷いを吹き飛ばすようにアウローラは強く宣言した。
「――フィアラ・ディ・スフォルツァは簒奪者です」
言うや否や、紗幕を蹴立てるような轟音でアラートが鳴った。
「あっはっは。ヴィクラマーディティヤ目がけて速攻で核発射してきやがった! いやはや皇国さぁん、人道に悖る畜生だねぇ」
「フィアラ、あなたがやったことはわたくしが白日の下に曝します。兵を退きなさい!」
鳴り止まないアラートに、アトゥルが肩から掛けていた布をざっと外しパイロットスーツ姿になる。
「皇国の首都に核を墜とされたくなかったら30秒以内に核の軌道を首都から外せ。きみらはボクが本当にやっちゃう側の人間って知ってるだろ?」
言い捨ててそのままクレイドルを起動するため、閨室から足早に出ていく。
神国連盟には今、動かせるクレイドルは一機しかない。
もともと小さな宗教国家で配備が少なかったのを、蜂の巣とBBBに利益供与することでバランスを保っていた節がある。
アトゥルを神と崇める人民は、アトゥルがクレイドルに適合するから、神が与えし品々を扱えるから崇めているだけに等しい。
老僧をはじめ、この国はエジェ派から様々な理由で出奔してきた老人と、未開の地に取り残された古くからの民族しかいない。
アトゥルが守らなければ、一瞬で消し飛んでしまう弱き人々だ。
そこにアトゥルは何の感慨もない。
10歳で担ぎ上げられたとき悟った。
「ひとは、自分を守るためなら、誰かを犠牲にできる」
ずっとアトゥルの羽を切り、狭い鳥籠で飼ってきた人民に何も思わない。
ただ。
エステルは泣くだろう。甘っちょろいから。
天空のような大きな瞳いっぱいに涙をためて、誰もいないところで泣くだろう。
自分にさして関係もない小さな国が消し飛んだことを、それを故国が為したことを、軍属なのに止められなかった自分を嘆くだろう。
それを今、アトゥルは止めたいのだった。
あの子が泣かないよう。笑っていられるよう。
「これってもしかして――」
アトゥルは気づく。
これは恋じゃない。愛なんかじゃもっとない。
これはきっと。
「《シヴァ》起動。エンジン全速前進。攻撃特化モードで首都に堕ちる核を撃つぜ」
《シヴァ――索敵完了。目標、皇国核ミサイル999型。発進準備完了》
「アトゥル様、これを。本国からちょっと拝借してきたデータですわ」
マイクロチップをコクピットが閉まる直前、アウローラが投げ渡してくる。
拝借してきたということは、恐らくフィアラがひた隠している何か悪事の証拠だ。
「あんた、見かけによらず悪いやつだね。エジェより好きだぜ」
「エジェにも可愛いところたくさんありますのに。――お話したいので、ちゃんと帰ってきてくださいましね」
「さーてどうかな。アトゥル・クシャトリヤ、《シヴァ》発進する‼」
☆
「わたくしはアウローラ・ディ・スフォルツァ。皇国第一皇女です」
画面に大写しになった女に、何を今頃のこのこ出てきたかとフィアラは侮った。
政権は握った。
皇国五家も、軍部も何もかもが自分の手の内にある。
〈マギエル〉の再臨、パイロットの年齢制限撤廃ですら己が意のままだった。
何を思って夢から這い出てきたのかは知らないが、皇帝は私だ、お前ではありえない。
ふつふつと苛立ちが募って筆頭のヴァルトシュタイン家と、ロンギヌスで第三卓の李家を呼び立てる。
「お前たちは何をしていた。これでは世界は混乱するばかり。さっさと片づけんか!」
「しかし、停戦へのテーブルを盾にされては攻撃する理由が」
賢らに言うヴァルトシュタインを押し退け、第四卓で縮こまる鄭瞬燐の胸倉を掴む。
「押せ、首都ヴィクラマーディティヤだ。今すぐ押せ……!!!!」
「ひっ」
鄭瞬燐がヴィクラマーディティヤを目標に設定すると同時に、叩きつけるように核の発射ボタンを押した。
「落ち着かれなさいませ。簒奪者とはまた、穏やかでない発言でしたね」
「あの女の妄言に決まっているだろう、ヴァルトシュタイン。李、いつまでここにいる。早くロンギヌス全隊発進させろ。さっさと小さな蟲けらの国をあの女ごと焼き尽くせ」
「侵略行為となりますがよろしいので?」
「第16世代機――〈マギエル〉も活躍の機会がなくては寂しかろう。ヴィクラマーディティヤの次はフォート・リバティだ」
「フォート・リバティは連合の本拠地。ロンギヌス以外の部隊も投入……本土戦を始めるおつもりですか?」
ヴァルトシュタインの静かな瞳とかち合って、頭に血を上らせていたフィアラはハッと己を取り戻す。
「……目標フォート・リバティは変わらず。本土戦というほどでもない。我らに有利な停戦条件が出てきたら手を引くさ」
「承知いたしました。殿下の御心のままに」
飛龍は丁重に礼を取るとロンギヌス出撃のために出て行った。
そう、うまくいっている。何もかも我が心のままに。
「――フィアラ・ディ・スフォルツァは簒奪者です」
耳の奥にこだまする異母姉の声がフィアラを追いつめる。
簒奪ではない。私とて正統な血は流れている。皇帝たる資格は私にもある。
「そうだろう? ヴァルトシュタイン」
「――愚臣にはあなた様の行く道が見えておりますとも」
珍しく柔らかい笑み。フィアラは安堵した。
何もかもがこの掌にある。世界の行く末ですらもこの心のほしいままなのだ。
☆
「〈マギエル〉、《ルサールカ》出撃します」
昊をトップスピードで翔けて、先ほど皇国から核が発射された神国連盟の首都、ヴィクラマーディティヤへと向かう。
追いかけても爆発には間に合わない。
だからせめて被害が甚大でないことをエステルは祈った。
《大丈夫よ、アトゥルくんがちゃんと対処しているわ》
「…………母親面しないで。まだお前を母様とは認めてないわよ《ルサールカ》」
《それだけ元気なら速度フルパワーでも平気ね。ちょっとGかかるわよ》
グン、とGがかかって今までの倍速で世界が切り替わる。恐らく第6世代を換装して搭乗していた時の150~230%は出ている。目が眩んで、銀河がちらちらと明るく見えた。
第16世代機はこうしてパイロットの性能や体調を鑑みながら機体のパワーを制御する。だからヒトには少々オーバースペック気味に機体自体は作られているらしいが――。
もはや本名を名乗ることを許されなくなったエステルは、これに搭載されているOSが母の残滓だとも、それを命じたのが父だともまだ信じたくなかった。
そしてこういう時に兄は連絡が取れない。
おそらく父の秘書である兄のことだからある程度は聞き及んでいたのだろうけれど。
ヴィクラマーディティヤは轟々と燃えていた。
情報によればアトゥルの乗る《シヴァ》が鬼神のごとき動きで核の首都直撃コースを回避したらしいが、それでも残火が首都のあちこちに飛び火して、街が轟々と燃えている。
「――お嫁ちゃん?」
「アトゥル!! 無事だったのね、怪我は? 救援に……」
「おっと。それ以上近づかないで。皇国さんの手口に何度も引っかかるわけにいかないんでね。蜂の巣から始まって核攻撃、ロンギヌスに〈マギエル〉とくれば怪しさ満点だろ?」
「そう……そうね。でも攻撃しにきたわけじゃないの。ロンギヌスは特飛隊。独立遊軍准将だけが集められてる。つまり、国の方針と違っても、個人の裁量で判断できる部隊。このあと、ロンギヌス全隊はフォート・リバティへ向かう。連合と決着をつけに。――その前に、わたしにあなたを助けられることはある? せめて皇国民の代表として」
「……甘っちょろいなァ、ほ~んと嫌になるよ、まっさらすぎて」
アトゥルはおもむろにコクピットのハッチを開ける。
空中での展開にエステルは面食らって、あたふたとしてしまう。
「そっちに入れて。渡したいものがあるんだ」
訝しみながらも《ルサールカ》が何も言わないので危険はないだろう。
ハッチを開けて、アトゥルを迎え入れる。
途端、アトゥルは齧りつくようにエステルの唇を貪り、首から胸へとパイロットスーツ越しの薄い肌の感触を確認するかのように撫でまわした。
酸素が足りなくて薄く開いた唇に舌をねじ込み、何か小さくて硬いものを含ませる。
「あげるよ。きみのお母さんが死んだ理由。見たくなければ捨てて」
「どういうこと……?」
「テロにも仕掛け人がいるってことさ。蜂の巣の裏に坊やじゃなく誰かがいたようにね」
「なんであなたがそんな情報持ってるのよ!」
と、《ルサールカ》が攻撃アラートを鳴らす。
後方から皇国軍の機体が迫りきていた。
「ほら。友軍だからって油断しちゃダメなんだよ。きみはほんと甘っちょろい」
自機に戻ったアトゥルが楽しそうに言う。
彼はなぜかいつも楽しそうにすべてを隠す。
「援護してあげる、応戦して〈マギエル〉」
「〈マギエル〉が見たいだけじゃないの」
「ちがう、きみがたいせつになったからだ」
ダウトという脳内の声が聴こえなくてエステルは混乱したまま、素粒子分解領域を展開する。全速全開で皇国機との距離を縮め、狙いを定めて攻撃システムを展開した。
完全に攻撃対象とされている二人は、撃って、撃って、撃ち続けて、鬼神と〈マギエル〉の名に恥じない動きをした。
ただロンギヌスから離れて単独行動しているエステルと、核の被害を負って出力が下がっているアトゥルに対して皇国機は蛆のように沸いた。
「あっはは。こんなに刺激的なのは初めてだ! きみを好きになってよかった」
「こんなときに何言ってるの、集中して!!」
攻撃と速度に《ルサールカ》のリソースを割いて、防御を最低限に抑える。そうでもしなければ数を捌ききれそうになかった。
アトゥルとエステルの間に無数の蟲が沸く。捌ききれない、墜とされる……! そう思ったとき、庇い立てするようにアトゥルが立ちはだかった。
「アトゥル! 回避!!」
「もっと、もっとだ! こっち見て、ずっと見ててエステル。ずっと――ボクはずっときみに逢うまで寂しかった」
「じゃあ友だちから始めましょう! 今度こそ……ねえ防御展開してぇ……!!」
エステルの悲鳴に反して、頑なにアトゥルはどこうとはしなかったし、攻撃特化で自身の防御リソースは削ったままだった。
濃紅の機体が徐々にさらさらと砂塵となって熱風の中に融けていく。
「さよならボクの神さま……こんな風にしか愛せなくてごめんね――もう、なんにもこわくないや」
「こちら皇国機Bギャラクティカ。《シヴァ》を撃墜し、《ルサールカ》を救出。繰り返す〈マギエル〉は無傷で救出」
嘘のニュースが駆け巡っていく。
なるほど、母の死はこうして「造られた」のかとエステルは見咎められないよう、アトゥルが遺してくれたマイクロチップを下着の中に隠した。
くちづけは情熱的だったが、触れる手は驚くほどに優しかった。
露悪的ではあったが、本来優しい人だったのだろう。
それすら推測で、砂塵に還った彼に訊く術はない。
「ねぇ、なんでわたしのこと好きだったの」
ヴィクラマーディティヤは轟々と燃えていた。