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60 僕と海水浴(3)


お昼は海の家まで歩いて軽く軽食をとった。頼んだ焼きそばはあまり美味しくなかったけど、それも海の家の醍醐味らしい。颯太と里奈はラーメンを頼んで食べてた。それもまた美味しくなかったらしい。


「あー海に来たって感じするなあ!」

「わかる、この味ね!」

「こはるんはかき氷だけでいいの?」


イカ焼きを食べながら野村は小春ちゃんに聞く。僕の隣でいちごのかき氷を食べてた手を止めて恥ずかしそうに笑って答えた。


「うん、食べちゃうとお腹でちゃうから。」

「猫宮はそんなの気にしないと思うけどなあ?」

「僕はどんな小春ちゃんも好きだよ。」


それにちょっとぐらい食べても大丈夫だと思うけどな。海での小春ちゃんの水着姿を思い出す。ガリガリではないけど太ってもないちょうどいい体型。痩せてたら心配しちゃうから、どちらかと言うと太って欲しいと思う。


「そこは乙女心。少しでも、よく見られたいから……。」

「わかった。その代わり夜ご飯はいっぱい食べてね?」


僕は気にしてないけど、それでも僕のためにしてくれてる事は嬉しかった。



「私さっき負けちゃったから、みんなにジュース買ってくるね。」

「あ、待って僕も行くよ!」


あのゲームの事なんてみんな覚えてないのに、小春ちゃんは律儀で偉い。もちろん1人でたくさんの飲み物を持たせるわけにいかないから僕も一緒に行く。みんなが口々に飲みたい物を言ったけれど面倒だから適当でいいよね。


「ごめんね、猫宮くんついてきて貰っちゃって。」

「小春ちゃんと2人きりになりたかったし、ちょうどよかったよ。」


飲み物は海の家にもあったけど、ちょうど混み合う時間帯でまた並んで買うより少し離れた自販機に買いに行く事にした。その方が小春ちゃんと長く一緒にいれるし。


「今日の小春ちゃん本当可愛い。いつも可愛いけど、今日はすごく……、魅力的?」

「水着、猫宮くん喜んでくれるかなって考えながら選んだの。」

「僕が水着姿みて喜んでたら、それはちょっと変態っぽくない?」

「わ!そう言う意味じゃないけど!でも、喜んで欲しかったって言うか!」


ちょっと拗ねたようにすると、小春ちゃんが慌てて訂正してくれる。もちろん小春ちゃんの水着姿を見て僕はとても興奮した。でも、颯太にもその姿を見せてるって思うと複雑な感情だった。


「てゆうか、猫宮くん今日はなんかいつもと違う感じするね?」

「なんだろう、髪型かな?」


せっかくセットした髪も、海に濡れて鬱陶しくて全部後ろに流している。そういう小春ちゃんもいつもと違う髪型だし、すごく新鮮な感じだった。


「今日の僕はどう?」

「うん、すごくかっこいい。」


最近小春ちゃんが照れずに答えてくれるから少し寂しい。あの照れながらかっこいいって言ってくれる様子も可愛かったんだけどなあ。もうあの恥ずかしがる小春ちゃんは見れないのかなあ。


自販機はちょっとした休憩所の近くにあった。何人かがベンチに座って休んでいる。


「汗かくからスポーツドリンクとかでいいかな?」

「水とスポドリでいいと思うよ。僕も出す。」

「いい!これは勝負に負けた私の罰ゲームだから!」


少しでも小春ちゃんの負担を減らすために僕は自分の飲み物は自分で買う。取り出し口から冷えたミネラルウォーターを取り出す。そしてそれを何を買おうか迷ってる小春ちゃんのうなじにくっつけてみた。


「ひゃっ!」


体をビクッと飛び上がらせて驚く小春ちゃんが可愛くてつい笑ってしまう。小春ちゃんは水を当てられたうなじを抑えてむすっとした顔で僕を見つめる。


「ねえ、それは意地悪。」

「ははっ、ごめん。つい。」

「ちょっと貸して!」


小春ちゃんは僕から冷たい水を取り上げて、僕の首元に当てる。


「冷たいね?」


来るって分かってる刺激は人間耐えられるもので、暑くて火照っていた体に水の温度は心地よかった。僕の反応が面白くない小春ちゃんは少し考えて、僕のラッシュガードを少しめくってーー


「ちょ、ちょっと待ってそれは、ずる、いっ!!」

「おかえしっ」


お腹に当てられた水が冷たすぎて僕は声を大きくしてしまう。その反応が面白かったのか小春ちゃんはニヤニヤ満足そうに笑っている。


「いじわる……。」

「先にやったの猫宮くんだよ?」

「お腹はずるい。」


僕はもう同じ事をされないように小春ちゃんから水を奪い返した。水はまだ冷たかったけど、同じことをやり返しても面白くない。それに小春ちゃんも警戒して僕にもう隙を見せないようにしている。


「猫宮くんもう終わり!みんな待ってるし早く買って帰ろう?」

「そうだね。」


ペットボトルの蓋を開けて水を口に含む。その様子をみて小春ちゃんは安心して水を買おうと僕に背を向けた。僕はそっと背中に抱きついて、首元に唇を落とす。


「っ……んっ、冷たっ」

「これで本当に終わり。」


離れる時に小春ちゃんの頬にキスをして、顔を覗き込んだ。顔を真っ赤にしている小春ちゃんをみて僕は満足した。



「もうこはるん遅いよ!私もう喉カラカラ!」

「ごめん、自販機ちょっと遠くて!」


僕達が戻ると里奈が駆け寄ってきていち早く飲み物を受け取る。受け取ると言うより奪い取るって表現の方が正しいのかもしれない。続いて颯太もやってきてスポーツドリンクを受け取って一気飲みする。


「はー、生き返るー!」

「あれ、木村くんは?」

「なんか中川さんと野村さんがトイレから戻ってこないから様子見に行ったよ?」

「木村くんらしいね。」


しばらくすると木村くん達は戻ってきて、また海遊びは再開された。次は海の中じゃなくて、砂浜にコートを書いてビーチボールをする事になった。今度は木村くんと野村も参加してみんなで遊ぶことができた。




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