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34 私と幼馴染



月曜日は雨は降っていた。

里奈と恋愛映画を見まくった休日はとても楽しかった。


雨の降るなか登校するのは気が滅入るが、二日ぶりに猫宮くんの顔が見れると思うと足が軽くなった。


「いってきまーす。」



最寄りの駅まで10分ぐらい歩く。

颯太と里奈も同じ電車に乗るはずなんだけど、里奈はいつも遅れるから


「よっ、おはよう。」


駅の前で颯太に会う。

里奈は朝が弱いから一緒に登校できるのは稀だった。


「おはよう、雨やだね。」


傘を閉じて改札を通ると、混雑しているホームが見えた。

雨だから普段自転車の人たちが電車に乗ろうとしてるんだ。


「うわ、これだから雨って……。」

「みんな同じ事思ってるよきっと。」


乗り場に並びしばらくすると電車が来る。

すでにたくさんの人が乗っている中に私たちも乗り込む。


「う、もう一本待っても良かったかも……。」


窮屈な車内に押し込まれ颯太との距離が縮まる。


「大丈夫か?」

「うん、こう言う時、身長が欲しいって思う……。」


その時がたんと車内が揺れて後ろにいた人とぶつかった。

すみませんとお互い謝って、早く着かないかなって考える。

学校の最寄りまではあと5駅ある。

掴める吊り革がないか探すがみんな使われていた。


次の駅に着いてブレーキがかけられる。

吊り革に捕まってない私はバランスを崩しかける。


「わっ」

「あぶねーな。俺に捕まってろ。」

「ありがとう。」


颯太が私の背中を支えてくれたから転倒する事は避けられた。

私は空いてる手で颯太のブレザーを少し掴む。


あと4駅が長く感じる。


「里奈は大丈夫かな?」

「あいつは遅刻ギリギリに来るし、こんな人いないと思う。」


そうだったら良いけど。

私たちも少し時間ずらした方が良かったかも。

次の駅では私の後ろのドアが開きまた人が乗ってくる。

背中を押され思いっきり颯太にぶつかってしまった。


「颯太ごめん……。」

「大丈夫、にしても人やばいな。」

「次はもっと早くか、もっと遅くの電車に乗ろ?」

「そうだなぁ。」


さっきの拍子に颯太との距離がさらに縮まって、抱き合っているような形になってしまった。

離れようにも、背中に回された颯太の手に力が込められてて離れられない。


「あと2駅だけ。」


颯太っていつの間にこんな大きくなったんだろう。

密着すると体が引き締まっているのが少しわかる。

次の駅では人が少し降りて、ほんの少しだけ余裕ができたみたいだった。

けれど、颯太はそのまま私を離してくれなかった。


「颯太もう大丈夫だよ?」

「ごめん、あと1駅このままでいさせて。」


あと1駅ぐらい1人でも立っていられるのに、昔から颯太は心配しすぎ。

離してくれそうにもないから諦めて体を預ける。

いっその事楽をしようと颯太に全体重を預けてみる。


「ちょ、それは、重いっ」

「重いって失礼じゃない!?」

「ごめんつい本音が。」


よかった、いつもの颯太だ。

元気がないように感じたのは気のせいだったみたい。


「ほら、もう着くから!」

「あ、……そうだな。」


颯太と離れて人の流れに乗って電車を降りる。

そのまま改札を出ると、そこには私を待っている人がいた。


「小春ちゃん!おはよう!」

「猫宮くん、おはよう!」


2日ぶりに会う猫宮くんもかっこよくて、注目を集めていたからすぐ分かった。

猫宮くんは私を見つけるとすぐ駆け寄ってきた。


「2日も会えなくて寂しかった。」

「たった2日だよ?連休になったら枯れちゃうじゃん!大袈裟だよ、ねえ颯太…?」


振り返って颯太に話しかけたけど、そこにはもういなくて

駅にいたバスケ部の友達に話しかけていた。


「行こっか?」

「うん!」


雨はまだ降り続いていた。


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