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26 私と恋愛相談




「昨日の家庭科部どうだったー?」

「昨日は……とても、楽しかった、よ?」

「ふーん?」


朝のHRが終わり、授業の準備をしていたら里奈が後ろを振り返って聞いてきた。

昨日のことを話そうとすると、どうしてもあの事が頭に浮かんで顔が熱くなる。


「じゃあ、家庭科部入るの?」

「うん、そのつもり。」

「あんたはどうするの?」


後ろを振り向くと猫宮くんが居た。

私を見てにっこりと微笑んで、答えた。


「もちろん僕も入るよ。」

「え、合わせなくていいよ!」

「合わせたんじゃなくて、入りたくなったんだよ?」

「またこはるんにつきまとって…、嫌ならいやって言わなきゃだよ!」


里奈はこないだから猫宮くんに対する当たりが少し落ち着いた気がする。

少しは仲良くなれたのかな?


「嫌ってわけじゃないけど……。」

「嫌じゃないんだ?」

「ちがっ、ちがくないけど!」


猫宮くんが少しだけ意地悪そうな顔をしてくる。

そんな顔もかっこいいしずるい。


「なーんか、仲良くなってんじゃん。」


何か言いたげな里奈の視線が痛い。

あとで問い詰められる気がする。


「里奈こそマネージャーどうだった?」

「どうもこうも、すっごい大変!意外と力仕事多いし汗臭いし!」


げんなりする里奈を見ると、入らなくてよかったって思ってしまった。

そこに颯太がやってきて、里奈の頭にポンと手を置いた。


「マネージャー!昨日は頑張ったな!」

「ちょ、やめてよ!」


大変だったって言う里奈の事は心配だけど、颯太がいるから大丈夫かなって。

私は里奈ほど体力がないから、多分入っても役に立たなかったと思う。


「颯太、里奈の事お願いね?」

「心配なら、小春もマネやればいいのにな?」

「小春ちゃんは、僕と、家庭科部に入るからダメだよ。ね、小春ちゃん?」


猫宮くんが笑ってウインクまでしてくる。

教室の入り口で猫宮くんを見ていたファンの子達が黄色い声をあげる。


「な、……猫宮も家庭科部入るのか?」

「そうだよ?昨日も一緒にスイーツ作ったんだ。楽しかったね?」


首を傾げながら同意を求めてくる猫宮くん。


「うん、楽しかったね。」

「言わせてんじゃん!」


本当に楽しかったし、そんな顔をして同意を求められたら素直に言うしかなくなる。


そんな事を話していたら授業開始のチャイムが鳴った。


「あとで何があったか教えてね。」

「あとでね?」


里奈がまた振り返ってこっそり言う。

里奈にはちゃんと話そうって思ってた。


昔から里奈とは好きな男の子や、恋愛の話でよく盛り上がる事が多かった。

そういう私も里奈もまだ誰とも付き合った事はないけど。

一度だけ昔好きかなって思った人が出来て相談した時はすごく応援してくれた。


だからそう言う話は、里奈にはちゃんと伝えようって思ってる。

ちょうど次の時間は体育の授業だった。




更衣室で着替えながら私は里奈に伝える。


「好きになっちゃったかも。」

「……、やっぱりね。」


私ってそんなわかりやすかったかな?

里奈は私を見て言う


「そりゃ、あんなイケメンに好き好きされたら誰でも好きになっちゃうじゃん。」

「なんかそう言われると、私がちょろいみたいじゃん。そうなんだけど。」


自分で言って笑っちゃう。

周りに聞こえないようにこっそり胸の内を明かす。


「もちろん顔は素敵だと思うけど、猫宮くんがコハルちゃんにすごく一途で。

私はそのコハルじゃないのに、大切にしてくれて。

この人に好きになってもらえたらすごく幸せなんだろうなって思ったら…。」

「ちょっとまって!じゃあこはるんは運命のコハルじゃないの?じゃあ、もし本人が現れたら。」

「多分こうじゃなくなると思う。」


自分で言っててちょっと虚しい。

何度も私は違うって言っていたんだけど、猫宮くんは聞いてくれなかった。


「じゃあ、こはるんがなっちゃえばいいじゃん!運命のコハルに!」

「それは、なんか嘘ついてるみたいで……。」

「大体あいつも、こはるんとそのコハルが違うって分かってないんでしょ?じゃあいいじゃん!」


正直もっと否定してくると思ったのに、意外と肯定的な感じでほっとした。


「里奈もしかして応援してくれるの?」

「あたりまえじゃん!私はいつでもこはるんの味方だし!」


そう言って里奈は私に抱きついた。

里奈にこうやって抱きしめてもらうとちょっとほっとする。

ハグには心を落ち着かせる効果があるとかないとか。そんな話を聞いた気がする。


「里奈にも気になる人が出来たら教えてね。」


里奈にもこのほっとした気持ちを分けてあげたくて、抱きしめ返す。


「……うん、わかった!」


最後にぎゅっと腕に力を込めてから、お互い離れてから笑う。




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