21 私と学校生活(1)
新しい学校生活が始まって、
運命の人と言われたり、また好きになってもらうと言われたり
予想もしていなかった事ばかり起きているけれど
とりあえず、猫宮くんとは友達として仲良くする事に落ち着いた。
猫宮くんはすれ違った女子が思わず目を奪われるぐらいにかっこいい。
ゆるくパーマがかかった明るめの髪に、目もよくみたら色が少し薄くてゴールドに近い。
まつ毛も長くて、鼻もすっと通っていて……笑った顔がまたとても爽やかで、そして身長も高い。
まるで物語の世界から飛び出してきた王子様みたいな容姿だった。
そんな人に運命の人だって言われても、信じられない。
もちろんイケメンに言い寄られるなんて、一生ないだろう貴重な体験だしドキドキもする。
私と昔にあった事があるらしいけど覚えてない。
猫宮くんには悪いけど、本当に誰かと勘違いしてるんじゃないかなって……。
今も他のクラスの女の子達が猫宮くんを見に訪れている。
「ねえ、やばいかっこいい!」
「彼女いるのかな?」
休み時間毎に色々な女の子がクラスを観に来る。
1年生だけじゃなくて、2年生や3年生も。たまに男の子も来る。
やっぱりそんな全校生徒の注目の的のイケメンが私を好きになるなんて絶対あり得ない。
このまま友達として仲良くしてたら、そのうち違うコハルだって気づくよね。
やっぱり僕のコハルちゃんは違う人だったーって…。それはそれでなんか虚しい。
「ねえ、あんたのファンまた増えたみたいだけど?」
「なんでだろうね?」
「お前の顔がいいからだよ……。」
「すごいね、猫宮くん。」
私たちは多少居心地の悪さを感じながらお昼を食べている。
猫宮くんがここにいるって事は、自然とみんなの視線もこっちに向かってきているわけで。
「小春ちゃんも僕の事かっこいいって思ってくれてる?」
「えっ?」
突然すぎる質問に持っていた箸を落としそうになる。
猫宮くんが木村くんの席から私の事を見つめてて、恥ずかしくて目を合わせる事ができない。
「あの、もちろん、かっこいいと思うよ?」
「そう。よかった。」
私の返事に満足そうに微笑む猫宮くん。
そんな顔されると運命の人は私じゃないのに、私だったらいいなって思ってしまう。
でもいつか愛想を尽かされる事が分かっているから、好きにはならないって決めてる。
「こはるん今日家庭科部見学いくの?」
「うん、体入やってるみたいだから参加してみようかなって。」
颯太も里奈も部活始めるっていうから、最初は入る気がなかった部活がちょっと羨ましくなった。
かといって、バスケ部のマネージャーがやりたいかって言われたらそうじゃなくて。
「料理するのは好きだから、楽しそうかなって。」
「うん、いいと思う。」
「どうしてあんたがそう嬉しそうなのよ。」
昨日バスケ部の見学行った時に、猫宮くんが助けてくれなかったら里奈に押し負けていたかもしれない。
ちょっとだけ猫宮くんに感謝している。
「猫宮も本当に家庭科部一緒にいくのか?」
「うん、行くよ?」
「女子しかいないって聞くけど大丈夫か?」
「小春ちゃんがいるから大丈夫だよ。」
なんとなく颯太の言ってる心配は私にはわかる気がした。
一緒に体入に行ってくれるのは人見知りの私からしたら嬉しいけど、大丈夫かな……?




