過ぎ去りて
雪はとけて
その水は川に流れ込む
その周りにはつぼみから花へと
空を淡く染めていく桜が咲く
それは空が暮れて夜になろうと
その存在をこの季節に残すかのように
きらびやかに・・・
されどもまだこの季節の夜
風は冷たく
たまに息が白く桜の花に解けていく
春夏秋冬
季節が始まり
幾度目かの始まり
季節代わりの風が吹いて
花弁が空に舞う
その風景を見て
きっと胸が痛んで
悲しくて
それでいて
言葉にならない何かを飲み込んで
次の景色に目を移す。
繰り返し
繰り返し
季節は巡って
「春」は来るのに
いつも違うから
同じ「春」ないから
きっと悲しいんだ
季節代わりの雨が降って
花弁が地面に落ちる
その道を歩いて
きっと心が痛んで
悲しくて
それはきっと
来年も春がきて同じ思いを繰り返して
違う春に目を移すんだ。