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なろう系のおもしろさの本質

作者: とあるライトノベル作法研究者


本質の話をしよう。

物事を正しくとらえるには、なにごとも、本質をとらえる必要がある。


結論から書こうと思う。

なろう系のおもしろさの本質、それは「ギャップ」である。

これだけだとわからない方もいると思うので、詳しく掘り下げていこう。


ギャップとはどういうことか。

それは主人公の自認と周囲の反応によるギャップである。

私は、この部分のギャップにこそ、なろう系のおもしろさの本質が隠れていると主張する。


まず最初のパターン。

主人公の自認では「弱い」なのに、周囲の反応が「強い」パターンだ。

これは勘違いものや無自覚無双系に値する。

例えば、主人公の自己評価では「このくらい普通なのに……」とか言っているのだが、

周囲の反応としては「おいおい……ジャイアントベアを一撃で……あいつ何者だ!?」といったふうにである。

私はこの部分にこそおもしろさの本質が隠れていると思っている。

しばしばこういう描写に直面したとき、読者としてはやはり鉄板のパターンだとわかっていても、にやついてしまうわけである。

実際の例をあげて確認していこう。

たとえば、今大人気の作品「片田舎の剣聖」なんかもこのパターンだろう。

主人公は自分は片田舎の冴えない剣士だと思い込んでいる。

しかし、実際には周囲の反応では、ものすごい実力をもった剣聖として描かれる。

読者はこのギャップにこそ、おもしろみを感じているわけだ。

他にも例をあげよう。「パリィ」なんかもこのパターンだろう。

主人公は自分の能力を過小評価しているが、明らかに周囲の反応が大げさである。

ある種そのちぐはぐさ、ギャップを見て、読者はおもしろいと感じているわけだ。


もう一つのパターンを見てみよう。

主人公の自認では「強い」なのに、周囲の反応が「弱い」パターンだ。

これは最強ものなんかではこっちのパターンが使われる。

ようはさっきと同じものの逆なだけで、本質はやはり、変わらず「ギャップ」にあるのだ。

主人公自体は自身を正しく「最強」だと理解しているヒソカなわけだ。

しかし、周囲の反応として「そんなわけないだろ」とか「お前なんかが」といったふうに、

周囲はなめてかかってくるわけだ。

それを容赦なく叩き潰し、最強をわからせる。そこに爽快感が生まれ、カタルシスが生まれる。

これらのギャップは、ギャップが大きければ大きいほど解消されたときに得るカタルシスも大きくなる。

これも実際の例を挙げてみよう。

例えば、「魔王学院」なんかがそうだ。

主人公は紛れもなく、自分自身を最強だと理解している。

しかし周りはそれをみくびって、勝てると思って挑んでくる。

しかし、主人公がそれを完膚なきまでにうちのめす。そこにカタルシスがあるわけだ。


基本的に、あなたがおもしろいと思う部分は、このギャップのパターンのどちらかの応用にあるだろう。

ざまぁものも、ようは落ちぶれるときのギャップの深さにカタルシスがあるわけだ。

とにかく、ギャップを持たせ、お互いの性質を引き立てる手法が、なろうではさかんにつかわれていると思う。

「俺またなんかやっちゃいました?」や「弱すぎるって意味だよな?」といった、なろうに代表される名セリフのシーンも、やはりこのギャップ理論によって説明できる。

主人公の無自覚さと、周囲の反応にギャップがあり、それが一種のおもしろさとなっているわけだ。


いろいろと例を出してみたが、まだまだ思い当たるものはあるだろう。

それはぜひ諸君らでみつけだし、今後の創作の糧としてもらいたい。

このギャップ理論を知り、応用すれば、きっと君もすぐにおもしろいなろう系のストーリーが思いつくことだろう。

では、諸君らの創作の行く末に光あらんことを祈っている。

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― 新着の感想 ―
[一言] いくつの作品挙げます、それについてキミの考え聞きたい。 「ダンジョンに潜むヤンデレな彼女に俺は何度も殺される」この作品は先日発売のなろう系小説、この小説は「ギャップ」ありますか、本質はゲー…
[良い点] たしかにギャップ面白いですよね~(≧▽≦) 意識して書くのとそうでないのでは差が出る部分かもしれません( ´艸`)
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