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婚約破棄を叫ぶ

「アンジェリーナ。君は地味でみっともない。私を癒しもしない癖に恋人のリオンに辛く当たっているな。そんな女は公爵夫人には相応しくない。君との婚約破棄をここに宣言する!そしてリオンは私の妻になる!アンジェリーナ、卒業パーティーに参加出来ただけ有難いと思え。」






 卒業パーティーに婚約者アンジェリーナをエスコートして連れてきた途端に姿をくらまし、終盤にいきなり壇上から発したハーバー公爵令息チャーリーの言葉に場はシラケた。金髪に碧眼の見目麗しく、武術の腕も確か。父は隣国の第4王子で公爵家の一人娘に婿入りした男にも関わらず、女性からの視線は冷めている。母は娼婦で後ろには下級生の恋人リオンが隠れるようにくっついているからだろうか。リオンは子爵令嬢のはずだが、分不相応な豪華なキラキラピンクのドレスが成金を思わせて痛々しい。せっかくの美しい金髪も霞んでいる。




「あら、どちらにいらっしゃるのか探していましたの。」


 代わって現在婚約者の侯爵令嬢アンジェリーナは焦げ茶の髪に合うモスグリーンのドレスを品良く着こなし、敵意溢れる婚約者とその恋人の視線をおっとりと微笑んで躱している。


「庭園の茂みや、空き教室の机の下をよく探してくださいとお願いしていましたのに。見つかって良かったですわ。」


 頬に手を当てる仕草はおっとりだが、探せと伝えた場所はどこもチャーリーとそのリオンが睦みあっていたと噂された場所である。


「うるさい!お前は妹と仲が良いだけあって陰険で嫉妬深い最悪の女だ。妹共々修道院へ入れ!ハーバー公爵となる私の命令だ!」


 顔を真っ赤にしたチャーリーは語気の強さで誤魔化せるとでも思っているのか、アンジェリーナを指さして叫んだ。さすがに公爵令息が侯爵令嬢に向かって修道院へ指示することは出来ない。ましてやアンジェリーナが婚約者になったのは叫んでいる本人の父からの懇願あってのものだ。更に場はシラケた。




「あら、お父様は了解しましたの?」


 そんなものは気にもせず、声を上げたのは妹のミラ・ハーバーである。金髪碧眼で化粧が濃く、胸元が大きく開いた下品な赤いドレスを纏ったミラも同じく卒業生。チャーリーとは違い、正妻の子だ。趣味は下位貴族の男を婚約者から奪い、1ヶ月程で自分有責で婚約破棄すること。現在はフリーであるが、噂では既に5回繰り返している。

読んでいただき有難うございます!

続きは早めに投稿します。

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