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第76話

「もしリセットボタンがあったとしたら、押す?」

 ある日、ぼんやりと部屋の中で二人で寝っ転がって日向ごっこをしているときそらは言った。

「リセットボタンあるの?」と僕が言うと「ない。もしあったらっていう架空のお話」とそらは言った。

 僕は迷った。

 すぐに押さないと言えなかった。

 僕はそれくらい自分のことが嫌いだったし、すぐに押すと言えないくらいには自分のことがまだちゃんと好きだった。

 黙ったままでいると、顔を動かしてそらが僕のことを見た。

「押さないって言ってよ。すぐにさ」とそらは言った。

 僕は無言。

 そらは真面目な顔で僕を見ている。

 そんなそらの顔はまるで僕の知らないどこか遠いところにいる一人の名前も知らない初めて出会う女の子のようだった。

「私の目を見て」とそらは言った。

 でも僕はそらの綺麗な水色の紋章の入った瞳をじっと見つめることができなかった。

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