第23話
「それで次は」
と、とくにそれ以上なにをするわけでもなくて、のはらは居間をあとにする。(さなぎはもう少し居間を見ていたかったのだけど、のはらのあとについて移動をすることにした)
のはらが次にさなぎに見せてくれたのはお勝手(台所)だった。
お勝手は居間の奥のところにあって、とても古いお勝手だった。(さなぎの見たこともないような、少し古い形をした台所の道具がいっぱいあった。
冷蔵庫も古くて小さい。
電子レンジもそうだし、炊飯器もそうだった。どこか、一つ前の時代の台所を見ているような気持ちにさなぎはなった。
流し台のところには上にレースのカーテンのようなものがあった。
火がつくタイプのコンロの上にはヤカンがのっている。(その近くにはポットが置いてあった)
お勝手の電気を紐を引っ張ってつけてから、「どう? 私の家のお勝手は?」とのはらは言った。
「とても素敵だと思います」
とにっこりと笑って(自分の本当の気持ちを)さなぎは言う。
その言葉を聞いてのはら嬉しそうに笑った。
「ありがとう。でも、どうかな? 少しさなぎちゃんから見ると古くて不便に感じるんじゃない? コンロも電気じゃないし、冷蔵庫も電子レンジも炊飯器もずっと古い形のものだし、包丁だって、慣れないとすぐ指を切っちゃうくらいだし」とのはらは言った。
「そんなことないですよ。私、この台所でのはらさんと一緒に料理とかしてみたいです」とさなぎは言った。
「さなぎちゃん。料理できるの?」驚いた顔をしてのはらは言う。
「一応、簡単な料理ならできますよ。お姉ちゃんに教えてもらっているので」とさなぎは言う。
「みらいちゃんは、料理得意なの?」
「はい。お姉ちゃんは大抵のものはなんでも作れますよ」とさなぎは言った。
「へー。小学生なのにすごい」
と感心した顔をしてのはらは言った。
(のはらはお勝手のテーブルの上にあった饅頭をひとつ手に取って口の中に入れた)
『本当にそうですよね。みらいちゃんはすごくしっかりしています。お料理だけじゃなくて、掃除も洗濯もできるし、本当にすごいです。さなぎちゃんも見習わないといけませんね』と妖精さんは言った。
さなぎもお父さんのお手伝いをしているけど、お姉ちゃんほどではなかった。
(よく喧嘩ばかりをしている姉妹だけど、そのことに関してはさなぎはお姉ちゃんのことをすごく尊敬していた)
「じゃあ、次、と、その前にさなぎちゃんもお饅頭、食べる?」もぐもぐと口を動かしながら、のはらは言う。
「じゃあ、いただきます」
笑顔でそう言って、さなぎはお饅頭を口の中に一つ入れて、ほうばった。(甘くって、すごく美味しい)




