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第2話

　その日から、さなぎはずっと妖精さんと一緒にいた。

　寝るときも、お風呂に入るときも、食事のときも、家の中にいるときも、外に遊びに行くときもずっと一緒だった。

　その間、たまにさなぎが妖精さんと会話をすると、お姉ちゃんは「さなぎはまた見えない友達とお話をしているの？」と、ちょっと呆れた顔をしてそう言った。

　さなぎが悲しそうな顔をするとお父さんは「まあ、別にいいじゃない。案外僕たちには見えないだけで、本当にさなぎには妖精さんが見えているのかもしれないよ。ねえ、さなぎ」とにっこりと笑ってさなぎに言った。（お父さんにそう言われて、さなぎは少しだけ嬉しそうな顔をした）

『さなぎちゃん！　ほら、見てください！　こんなに綺麗な花がいっぱい咲いていますよ。綺麗ですね！』

　とふふっと笑いながら、少しだけ興奮した様子で妖精さんはさなぎに言った。（妖精さんはさなぎの頭の上でぴょんぴょんと跳ねるようにしていた）

「本当だ。すごく綺麗だね」

　たくさんの色とりどりの綺麗な花が咲いている場所のすぐ近くまで行って、さなぎは言った。

「こんなところにこんなに綺麗な場所があったなんて私全然知らなかったよ」とさなぎは言う。

『本当ですね』と妖精さんは笑いながらさなぎに言った。（そんないつも明るい妖精さんとお話をしながら、さなぎもにっこりと笑った）

「ちょっと！！　あなた、そこでなにをしているの！」とそんな大きな声が聞こえてきたのはちょうどそんな話をしているときだった。

　驚いたさなぎが屈んでいた体を伸ばして頭を上げて声のしたほうを見て見ると、そこには一人の女の子が立っていた。

　その女の子は、ちょうどさなぎと同い年くらいの年齢の女の子だった。