表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/90

第18話

 そんなお話をさなぎがしていると、(妖精さんのことだけは秘密にしていた)のはらが、「そうなんだ。じゃあ、私がさなぎちゃんのこの町での初めての友達だね」と言って、にっこりと笑ってさなぎに言った。

 その言葉を聞いてさなぎは本当に嬉しそうな顔をして、「……はい」とのはらを見て、そう言った。(それは嘘ではなかった。正確に言えば妖精さんがさなぎにとってこの町に引っ越しをしてきて初めてできた友達なのだけど、妖精さんはさなぎにしか見えない秘密の友達であり、人間の友達はのはらが初めてだった) 

 さなぎはそこで、ふと、あれ、そういえば妖精さんはどこにいったのだろう? とそんなことを疑問に思った。

 見ると、さなぎが起きてから近くに妖精さんの姿はなかった。(妖精さんはずっとさなぎの近くにいてくれたから、自分の近くに妖精さんがいないことに気がつくのに、時間がかかってしまったのだ)

 起きて言えるときも、寝ているときもずっと一緒だったし(一緒のベットの中で寝ていた)妖精さんは必ず、さなぎの目の届く範囲のどこかにいてくれた。

 でも、そんな妖精さんの姿が今はどこにも見えなかった。

 ……妖精さんはどこにいったのだろう? とそんなことを思いながら、きょろきょろとさなぎが周囲の風景に目を向けていると、のはらの家の縁側の曲がり角のところから、ふわふわと白い雪のような妖精さんが、薄暗い闇の中から、空中を飛んで、さなぎとのはらのいる日の日差しが差し込んでいる縁側のところにまで戻ってくるのが見えた。(そんな妖精さんを見て、さなぎはとても安心した)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ