〜恋愛に慣れていない1人とちょっとおかしな1人のお話〜
6月下旬__
放課後。
今、訳あって屋上玄関の前にいます。
なんでかって?
分からない。...いや、分かってはいるんだけど初めてのことだし告白はないって自分に言い聞かせてる。
これは今日の朝の話だ。
学校に登校した時に下駄箱に手紙が置いてあった。
え...?いじめ?遂にいじめの標的になっちゃった?俺。
とか色々考えたんだけど時間もあったしとりあえずトイレの個室に直行し、中身を見て見た。
「村野 蒼さんへ
突然渡してすいません。
単刀直入に言います。
先輩、話があります。
放課後、屋上玄関前に来てください。
前原 蒼空」
と書いてあった。
固まった。思考も停止した。
これって告白...?この俺に...?
硬直したまま時は流れていき、朝のチャイムがなった。
__と言った感じで今に至る。
ちなみに時間には遅れて遅刻扱いされた。
さて、どうしたものか。告白なんて1度もされたことがないぞ。
ってか、前原って苗字どっかで聞いたことあるような...
一個下に超絶可愛い子が来たとか噂されてた人だっけか?
手紙に先輩って書いてあることから一個下って事は間違いなさそうだ。
まて、超絶可愛い子って言ったか?今から超絶可愛い子が来るのか?
急に鼓動が上がってくる。
しかし、何故この俺なのだろうか。咄嗟に考えた結果、
このような考えが出てきた。
① 罰ゲーム
可愛いってことは明らかにカーストは上だ。
友達同士で罰ゲームで嘘コクすることなんてざらにあるだろう。
でも、仮に嘘コクだとしたら何故同じクラスでも学年でもない俺にするのだろうか。確かにイケメンではないがそんなブスって訳じゃないと思うけど...となるとこの説は考えにくい。
② 人間違え
ただ単に人間違え。でも人間違えなんてほぼしないしだいいちこの手紙を書いている時には気付くだろう。
あれ...?じゃあ、これは本当に告白ってこと?
そんなはずはとか思いながら内心めちゃくちゃ喜んでる。
だって??初めての告白だよ??しかもそれが美少女よ??
誰でも喜ぶでしょ。
そんな感じで1人ではしゃいでいると後ろから階段を駆け上がってくる音が聞こえた。
「すいません!先輩!!少し遅れました!!」
「いや、そんな待ってないよ。」
「いえいえ、結構な時間待ってましたよね?」
「いや...そんなことないけど...」
...ん?待てよ?確かに結構な時間待ってた。
ただ、今来た前原さんが何故それを知っているのか。
いや...まさかな...
「なんで結構待ってるって思ったんだ?」
「あっ!えっと...た、たまたま上に上がるの見てしまって...ほんとにたまたまです。たまたま...」
本当にたまたまなのか??
...まぁいいや今は深掘りしないでおこう...
「あぁ、そうなんだ。あ、えっと...今日はなんで呼び出したんだ?」
「あ、今日は大事な話があって呼びました。」
すると前原さんは大きく深呼吸を始めた。
「先輩。」
「はい」
「先輩の恋人になりたいです。」