表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サメ召喚 ~勇者失格で捨て駒にされたけど、外れスキルが覚醒して世界最強になった~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/98

第94話 サメ術師は反撃の一手を考える

 俺は紙一重で斬撃を躱す。

 そこからよろめくも、サメに乗ることで強引に退避した。

 さらに追撃の刃から逃れることにも成功する。


「弱腰では勝てませんよ。しっかりしてください」


 アティシアは淡々と言って、ペースを変えずに接近してくる。

 短剣による連撃だった。

 俺は距離を取りながら懸命に頭を働かせる。


(考えろ。何か弱点があるはずだ)


 飛んできた火球を、鮫銃の連射で破壊した。

 突き抜けた弾がアティシアに襲いかかるも、最低限の動きで回避されてしまった。


(アティシアは間違いなく強い。たぶん勇者の中でもトップクラスだ)


 飛び抜けた火力は持たず、ステータスも平均的。

 それでも純粋に固有スキルがチートすぎるのだった。

 大抵の勇者が敵わないだろう。


「これは避けられますかね?」


 アティシアが指の間に氷のナイフを作ると、それを一度に投擲してきた。

 俺はサメを盾に凌ぐ。

 魔力を節約するため、何の属性も付与していない個体だが、なんとかガードすることができた。


 俺が鮫銃を発砲すれば、アティシアは木々に隠れてやり過ごす。

 そこから魔術を撃ち込んでくる。

 ただし、今回は俺のそばを抜けただけだった。

 どうやら攻撃を外したらしい。


 その事実によって俺は気付く。


(アティシアにも決定打がない。能力のリソースに限界があるからだ)


 彼女の【運命誘導】は、望む結果を引き寄せる。

 しかし、無敵のスキルというわけではない。


 一度に複数の結果を望む場合、効力が分散してしまうのだ。

 それが原因で思った通りにならない時がある。

 確率的に厳しい結果ほどその傾向が強まってくる。


 今までの戦闘を振り返れば、その欠点は明白だった。


 勇者との戦いで、アティシアは軽傷を負う。

 おそらく回避特化にリソースを振っているが、まったくの無傷は難しいのだ。

 集中砲火を受けながらそれだけで済んでいるので驚異的だが、それでも完璧ではない。


 この特徴は以前から気になっていた。

 何らかの糸口にならないかと考えていた。

 今がその時だろう。


(アティシアは攻撃に専念できない。リソースの分散で防御に綻びが出るからだ)


 俺のサメ召喚は総じて高火力だ。

 勇者すら即死させる属性が勢揃いしている。

 アティシアは【運命誘導】で命中しないように調整しているに違いない。

 彼女はそれを解くわけにはいかなかった。

 特化した能力を持たないため、固有スキル以外では防げないのだ。


 アティシアはかなりの慎重派である。

 狡猾かつ堅実な性格をしている。


 おそらく俺の魔力切れを誘っているのだろう。

 このまま持久戦に引きずり込んで、サメを召喚できなくさせる魂胆だ。

 付かず離れずのリーチから攻撃を繰り返すだけで、彼女に勝利が訪れる。


(そうはさせるか。絶対に打ち破ってやる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >おそらく回避特化にリソースを振っているが、まったくの無傷は難しいのだ。 >集中砲火を受けながらそれだけで済んでいるので驚異的だが、それでも完…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ