表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サメ召喚 ~勇者失格で捨て駒にされたけど、外れスキルが覚醒して世界最強になった~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/98

第41話 サメ術師は一人目を探す

 俺はサメに乗って草原を移動し始めた。

 手に持ったサーチ・シャークの針に従って進んでいく。

 僅かな揺らぎを参考に方向を調整する。

 精度はかなり高いようだった。


 特に速度に関する属性を足したわけではないのにサメは高速で突き進む。

 尾びれに掴まる俺をどんどん引っ張ってくれていた。

 ちょっとした乗用車くらいのスピードは出ているのではないか。


 それでいて乗り心地は悪くない。

 悪路だろうと問答無用で移動できるので便利だ。

 かなり優秀な移動手段と言えよう。


 俺のレベルアップに伴って、召喚できるサメのスペックも上昇していた。

 もちろんわざと弱くしたりサイズ調整等も可能である。

 巨大ザメくらいの規格外でなければ、魔力消費もあって無いようなものだった。

 実質的に使い放題といった状態であった。


(まあ、浮かれている暇はないけどな)


 俺は厳しい目で前方を睨み付ける。

 これから勇者召喚の関係者を始末するのだ。

 気を抜かずに遂行するつもりだった。


 まず最初のターゲットは王国の大臣である。

 国内有数の権力者で王の側近らしい。

 大臣としての歴もかなり長いという。


 その実態は汚い悪党であった。

 とにかく自己利益の追求が第一で、他人を平気で蹴落とす外道だ。

 権力に任せて犯罪行為にも手を染める男である。


 この辺りは城内に潜入した際に盗んだ資料から知った。

 厳重に保管されていたが、そう簡単にシーフ・シャークの目は誤魔化せない。


 勇者召喚も、大臣にとっては臨時収入の一環であった。

 実施にかかるコストを率先して調達するのが役目だ。

 非合法的な手段も躊躇わずに行使していたらしい。


 国王に忠誠心をアピールすると同時に、自分の傘下の組織に利権を与える。

 そうすることで報酬や横流しで懐を温めてきたのだそうだ。

 実に上手くやっていると思う。

 それをもっと有効活動できなかったのかと考えざるを得ない。


 大臣は典型的な悪党だ。

 同情の余地はない。

 こいつがいなければ、勇者召喚の頻度はもっと少なかったはずだった。

 俺が異世界に呼び出された遠因とも言える人物である。


(絶対に逃がさない。さっさと仕留めてやる)


 一人目に大臣を選んだのには理由がある。

 それは彼自身の戦闘能力があまり高くないからだ。


 交渉や商人、陰謀系のスキルに恵まれているようだが戦う力はない。

 しかも放っておくと、各種スキルの力で形勢逆転されそうな気配があった。

 後回しにすると厄介なので真っ先に仕留めたかった。


 王都から逃げ出したばかりなら、彼の策略も上手くいかないはずだ。

 大臣にはサメ達の餌になってもらおうと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 大臣が逃走者最初の相手か 持ち出せるだけの財と護衛に数人勇者いそうだなぁ 少しだけ厄介な匂いが…… マニピュレイトシャークかマネーシャーク又は硬貨がそれなりに有るならセーフティ(ボックス)シ…
[良い点] 今話もありがとうございます! [一言] >まず最初のターゲットは王国の大臣である。 こいつは文字通りの悪党なんで、気兼ねせずに「ざまぁ」を楽しめますね。 この悪徳大臣にはできるだけ惨たら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ