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990回目 2021/11/28

 こいつ主人公にしたら面倒臭そうだな、と素直に思えたキャラ視点で書いてました。でも、むしろ主人公向きなスタート走ってるのかもしれません。


 一回目

 お題『走る船』

 必須要素(無茶ぶり)『チョイ役』

 文字数『994文字』 未完


 タイトル『鶏の卵は孵化を待つ』


「何度言わせる気だ! この子に謝れ! 生まれ育ちで、一方的に差別されるなんておかしい!」


「お前こそ何度言わせるつもりだ? 私は貴族であり、それは卑族だろう? 通行の邪魔をした非はそれにあり、社会での正義は私にある。お前の酔狂に付き合わねばならない道理もなし」


 ……うわぁ、物語の一幕みたいなこと、よくあれだけ長々とできるな。


 自走船ヴァイス。魔法使いの卵を、魔法学校や成長のための試練へ導くゴーレムの一種。


 ここに集められた魔法使いは、現在の能力はどうあれ将来の資質を認められた原石たち。


 こうして甲板の上で騒ぎを見守ってる俺もそうだし、騒ぎを起こしている二人もそう。


 卑族なんて言われた獣人の女の子も、魔法の才は確かだからこの船に乗れているんだろうし。一定以上の資質がないと、このゴーレム船は乗船を拒否するからな。


 野次馬がどんどん集まってきた。もともと甲板にいた俺は迷惑極まりない。静かな場所が好きだったのに、後から来たやつに勝手に騒がれて辟易している。


 でも、口には出さない。たぶん、この人生が物語の一部だとしたら、主人公は貴族様に突っかかったあいつで、俺はせいぜいチョイ役が限界だろう。


 残念ながら、俺はすでに自分の才能の限界を知っている。ここに集った卵たちの中で、一番才能に恵まれていないことも知っている。


 占星術なんて、覚えるものじゃないな。みたくない未来までわかってしまうと、訪れるはずだった未来さえ掴み損ねてしまう。


 まだギャーギャー騒いでるあいつらも、きっと未来を見たら変わってしまうんだ。目標があるのはいいことだが、結果を知らされると傲慢にも怠惰にも、無気力にもなる。


 俺はどれだけ頑張ったところで、一流の土台に手を伸ばす二流止まりだ。資質はあろうと、可能性だけじゃ花は開かない。


 俺の魔法はともかく地味だ。まぁ、一般社会に出ればそれなりに当たる占い師としてなら、大成するだろう。でも、魔法使いとしては落第でしかない。


 その程度だと知ってしまった俺に、学ぶモチベーションは低い。


 どうせ俺は、この世界じゃ有象無象の一人なんだって、俺の手で突きつけられたんだから。


「貴族だろうが何だろうが関係ない! 今の肩書きが全てじゃないんだ! いずれはあんただって、俺たちに膝をつく未来が来る可能性だってある!」



//(時間切れ)




 二回目

 お題『複雑な雑踏』

 必須要素(無茶ぶり)『小指の爪』

 文字数『1252文字』 未完


 タイトル『横断袋小路』


 ……は?


 言葉にならない違和感を覚えて、横断歩道の真ん中で立ち尽くす。


 俺と同じか、似たようなもんだろう、大勢が行き交う通勤通学の足は止まっていない。


 俺一人が呆然と止まったところで、この流れを阻害するには至らない。


 それはそうだ。何もおかしいことはない。


 でも、逆もまたおかしいんだ。


「透けて、る?」


 真正面から来た男が、女が、子どもが、老人が。


 俺の体を無い物として歩いてきて、事実素通りしていく。


 人混みにぶつからなくて快適だー、なんて楽観視できたらどれほど良かっただろう?


 今この瞬間、俺はこの場にいなくなったと実感するのはすぐだった。


「え? は? いや、どういうこと?」


 失礼を承知で、横を歩いていた女子高生の肩に手を伸ばして、すり抜ける。


 ぶん殴るつもりで反対側を通り過ぎようとした長身イケメンに腕を振るうも、透かされて終わった。


「これは……どっちだ?」


 世界が透明になったのか、俺だけが透明になったのか?


 たぶん、ほぼ確実に、後者だろうけど。


 認められるか? 世界から爪弾きにされたってことだろ?


「せめて、小指の爪ほどの存在感はあったと思いたかったのに……」


 まさかの全否定である。この世界は俺のことを嫌いすぎていないだろうか?


「……世界にまで文句つけ始めるなんて、やっぱ参ってんな」


 どれだけそうしていたのか、次に異変に気付いたのは、我に帰った時だった。


「おい? いつまで青信号なんだよ?」


 人波が途切れない。というか、ずっと誰かが歩いている。


 不審に思って、俺も横断歩道を渡り切ろうと歩いてみた。


 が、辿り着けない。目で見える距離でしかない道が、永遠に続くかのように終わりがなくなっていた。


「えー、どうなってんだよこれ? ただでさえ休み明けの月曜日なのに、憂鬱がひどくなるだけじゃねーか」


 感覚がマヒってきたらしい。明らかな異常事態に、俺の口からこぼれたのはそんな言葉だった。


 厨二みたいな考えで言えば、次元がずれたとか、異相世界に放り込まれた、みたいな表現になるんだろうか?


 幸にして、人とすれ違ってもぶつかることはなく、いくら歩いても疲れはしない。


 体感で一時間以上歩いたところで、空腹や喉の渇きも覚えないことに気づいた。気づいたところで、この横断歩道からは逃げられないが。


「ここにいても死ぬことはない……ってのは不幸中の幸いか」


 空を見上げる。雲が少ない青空は、しかししっかり動いていた。時間が止まっている、わけじゃないらしい。


 ここにきた原因は? きっかけは? 何にもない。俺はただ、いつも通りに出勤しようとしていただけだ。


「……そろそろ飽きてきたな」


 歩いて、歩いて、歩いて。


 もう通行人の顔が認識できなくなってきた頃、何の気無しに取り出したスマホを見て、現実を少し思い出した。


「うげぇ……着信めっちゃある」


 とうろくし//(時間切れ)


 定期的に書いてますね、『○にも奇妙な物語』風なストーリー。最近はテレビ視聴もしてないんですけど、似たような話は好きなのかもしれませんね。


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