981回目 2021/11/19
『帝王』と『「ひょえー」』の食い合わせ、悪くないですか?(個人的な文句)
一回目
お題『振り向けばそこに帝王』
必須要素(無茶ぶり)『「ひょえー」』
文字数『1004文字』 未完
タイトル『とんでもエンカウント』
「おっと、ごめんよ!」
「あぁ、それは構わないが」
「うわっ!?」
ぶつかった兄ちゃんに謝ってすぐ、俺は聞き手を捻り上げられた。
「痛っ! ちょ、なにすんだよ!! 離せ!!」
「なら言わせてもらうが、スリならもう少し上手くやれ。盗む手が体に触れる時点で三流だ」
「っ!」
まずい!
逃げようと思ったが、すてに腕を掴まれている。こっちはガキで、向こうは体格がいい男。勝ち目はない。
「くそ! 離せ!」
「その前に財布を返せ。まさか、失敗した盗みの戦利品をそのままに逃すとは思ってないだろ?」
舌打ちが漏れる。くそ、久しぶりにいい重さだと思ったのに!
「そらよ!」
「まったく、油断も隙もない」
「あ!」
遠くの方に投げようとしたのに、財布は俺の手から離れてすぐに男に回収された。
少しでも逃げる時間を稼ぎたかったのに……何なんだよこいつ!!
「さて、この子どもはどうするかな?」
「うぎぎぎ! もう返しただろ! 見逃せよ! 心が狭いぞ!」
「これはまた。人の財産を盗もうとしておいて、分が悪くなったら器を試すか。自らの器の小ささを棚に上げておいてよく言う。とことん性根が歪んだ子どもだな」
「うるせぇ! さっさと……あ?」
ギャーギャー騒いでいて気づかなかったけど、ようやく異変に気づく。
ここは帝国の首都の大通りだ。人間なんて腐るほどいるし、カモだって石を投げれば当たるくらいにはいる。
そんな場所が、静まりかえっていた。それだけじゃない。周りにいる人間が、この男と俺以外みんな、跪いて動かない。
おかしい。なにが起きてる?
「おや、抵抗はやめたのか? もう少し暴れてもいいぞ?」
「い、いや、なんかおかしいだろこれ? 怖ぇよ普通に」
「ほう? これだけの人間がいて、よりにもよって私の懐に手を伸ばしたのだから、どれだけ恐れ知らずの輩かと感心していたのだがな」
「え?」
改めて、男の姿を見てみる。
最初は目深にかぶっていたフードは取れて、顔立ちがはっきりわかる。
貴族だ。銀の髪に緑の瞳。同じ人間なのに、売ったら金になりそうな色合いで驚いた。
「……貴族!」
「おや、私のことは知らないのか?」
「知るかよ! お前らだって、貧民窟で育った孤児なんて、野鼠程度にしか思ってないくせに!」
「ふむ……わたしのちせ//(時間切れ)
二回目
お題『彼と演技』
必須要素(無茶ぶり)『この作品を自分史上ぶっちぎりの駄作にすること』
文字数『1206文字』 未完
タイトル『ヒーローごっこ』
「僕は悪者だ!」
木の棒を持ってブンブン振る。
周りには近所の子たち。ヒーローごっこで、僕は悪役。
みんなが持ってるのは、僕と同じ木の棒。
チャンバラごっこだ。
「出たな、怪人ブサイク!」
「やれー! フクロダタキだー!」
集まってくる子どもたち。僕も鉄棒を振る。
でも、当てない。僕は一番のお兄さんだから、力が強いから、当てちゃダメだから。
子どもたちは、バンバン当ててくる。痛い。痛い。痛い。
子どもは加減を知らない。ごっこ遊びも全力だ。痛い。痛い。痛い。
「うわっ」
「効いてるぞー!」
「たたみかけろー!」
頭に当たった。血が出ている。
思わず棒を捨てて、頭をかばった。かばった手の甲に、また子どもの棒が打ち据えられる。
たまらず体を丸めた。子どもたちは止まらない。頭を、背中を、腰を、足を、飽きることなく叩き続ける。
痛い。痛い。痛い。
「ブサイクめ! 倒れろ! 倒れろ! 倒れろ!」
「わ、わかった。こうさん、する」
「ダメだ! 怪人は嘘つきだから、油断するな!」
「動けなくなるまでやるんだ!」
痛い。痛い。痛い。
あぁ、今日もまた、アザだらけになってしまう。
痛いのはイヤだ。でも、やり返したら、また親に迷惑をかける。
そしたら、親からも殴られる。痛い。痛い。痛い。
……あれ?
なんで僕、殴られてるんだっけ?
「死ねー!」
「死ねー!」
「死んじゃえー!」
なんで僕は。
いい子を演じてるんだろう?
「死ね」
子どもたちに混じって、口にしてみた。
なんだか、とても気持ちいい。
頭をかばった腕と、何本も叩きつけられる棒と、楽しそうに汚い笑みを浮かべる子どもたち越しに、見る。
大人たちの、汚い顔。
あぁ、本当の悪役はあそこにいたんだ。
今まではずっと、僕が悪役だった。
でも、そろそろいいよね?
ごっこ遊びは、役割を変えて遊ぶものだから。
「ねぇ、もういいよね?」
「怪人がしゃべった!」
「まだ生きてるぞ! トドメを」
「次は僕が、ヒーローだ」
棒を拾う。
振る。
子どもの頭が、ボールのように飛んでいく。
「え?」
振り下ろす。
潰れる。
突き刺す。
血が溢れる。
「え?」
棒を奪う。
頭に突き刺す。
奪う。突き刺す。奪う。突き刺す。刺す。刺す。刺す。
「うわああぁぁぁっ!?!?」
「きゃああぁぁぁっ?!?!」
あれ? 悪役が動かなくなっちゃった。
でも、まだ遊び足りないや。
「お、お前! なにをやって」
「ごっこ遊びだよ?」
あぁ、いた。
悪役が、いっぱい。
「ふざけるな! この人殺し!」
「ふざけてないよ? 人でなし」
棒を拾う。
ただの木の棒でも、//(時間切れ)
『駄作にすること』って言われても、クオリティをあえて下げるって逆に難しくないですか? 誰も理解できない文章を書いても『駄作』ではなく『怪文』なだけですし。




