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978回目 2021/11/16

 心なしか、どこかのハ○ター試験っぽいなと思ったのは気のせいでしょうか?


 一回目

 お題『でかい傘』

 必須要素(無茶ぶり)『受験』

 文字数『1034文字』 未完


 タイトル『豪雪の魔女』


 吐く息が白い。


 風が冷たい。


 傘を持つ指先がかじかむ。


「重い……」


 肩に乗せている傘は、とても重かった。


 私がまだ小さいからもあるけど、土砂降りの雨が降っても濡れないくらい大きな傘はそれだけで重いし、時間が経つと降り積もる雪が重しになっているし。


 周りに人はいない。


 これは試験だ。魔法使いになるための、受験会場に到着するという試験。


 冬の山。獣も冬眠し、生き物が凍る環境で、私は魔法を纏ってなんとか歩いている。


 少しでも集中を切らせば、あっという間に凍死するだろう。ここはただの雪山じゃない、魔法が施された要塞でもある。


 期日は明日まで。今日も残り、六時間を切った。月光を反射する雪のせいで気付きにくいけど、もう夜なんだ。休むよりもこのまま足を進めたほうが生存率は高い。


「はぁ……っ」


 肺が凍りそうだ。耐寒の魔法は火の属性も扱うけど、体を温めるほど強い火勢は期待できない。


 あくまで耐えられる程度の威力しか出せない。それに、今の私の実力じゃ、これだけ水の気配が強い場所で火の魔法なんて使えない。


 雪は雨と同じ水だ。雪嵐が吹き荒ぶだけで、辺り一面を湖の中のような水の気配一色に染めてしまう。


 私の魔法は、特に環境に依存しやすい。自然の助けを得る方法で、元々小さな素養を誤魔化しているんだ。


 力不足は分かっていた。十にも満たない幼さも理解していた。


 でも、私にはもう師はいない。少し前の戦争で、親の役割と一緒に放棄されてしまったから。


 後を追うこともできたが、しなかった。できなかった。


 親であり師匠だった人たちの遺言が、『立派な魔法使いになれ』、その一文だけだったから。


「はぁ……はぁ……」


 死ぬかもしれないと、何度考えただろう?


 死んでもいいかなと、何度思っただろう?


 死んでも死に切れないと、何度持ち堪えただろう?


 私は、魔法使いになる。


 今はそれしか、生きる理由がない。


「はぁ……ゆき、じゃま、だな……」


 傘を持つ手は変わらず、片腕を外の吹雪に向ける。


 傘の内側にしか魔法はかけていない。この囲いから出たら私の命は消える。


 二種類の魔法の、同時発動。


 本来なら中級の魔法使いが習う、見習い以下の私には無理なこと。


 でもやる。


 やらなきゃ、死ぬ。


『邪魔だ!』


 ありったけの魔力を込める。


 後先は考えない。


 もうすぐご//(時間切れ)




 二回目

 お題『帝王の魔物』

 必須要素(無茶ぶり)『SF』

 文字数『1208文字』 未完


 タイトル『帝王のペットは運動不足』


「くぁ〜ぁ」


 退屈だ。


 ここにきてからというもの、餌を食って歩き回って寝るしかやることがない。


 餌が出るのはありがたい。それだけで今日を生きていける。環境には恵まれている。


 だが、退屈だ。刺激がない。ここにきて初めて、生きるためだった狩りが退屈を忘れさせているのだと実感できた。


 恨み言を言いたいわけじゃない。ただ、この窮屈で冷たい場所は、俺の性に合わない。


 ふと、四角いものに座っている生き物を見上げる。


 前足を枕にウトウトしていたが、ここはこの生き物たちにとって緊張を強いられる場所らしい。いつも目の前の、開いたり閉じたりするところから出てくる生き物は、草食獣のそれと似た気配をさせていた。


 そして、俺を近くで侍らせたがる生き物は、草食獣たちと同じ姿形をしていても、気配は俺と同じ肉食獣のそれだった。


 ここの生き物は変わっている。わざわざ後ろ足二本で立つ、威嚇姿勢のまま行動をしているのだ。意味がわからない。


 前足も一緒に地面へつけないと、まともに走ることもできないというのに。肉食獣らしき生き物の吠え声を受け、不恰好に逃げる草食獣のような生き物の、何と無様な逃げざまだったことか。


 俺がまだ故郷の野原にいたのなら、すぐに追いついて首を食いちぎってもまだ、時間に余裕があるだろう。


 遅さは弱さだ。この生き物たちは、それを何も分かっていない。


 しかし、前足が器用なのは一目置くところだ。冷たい壁に向かって、指のようなものを動かしている様子は、無駄な行為じゃないと感じている。


 ただし、二足の生き物の行動理由はわからない。何かの意味があるはずだが、見ているだけでは意味がわからない。


 この場所もそうだ。室内は草原では見たことのない色の質感の地面が続き、壁もまた同じ材質で囲んでいる。


 ときおり、四角く切り取られた場所が真っ黒になるのもわからない。


 音も特殊だ。風の音や虫の鳴き声とは全く違う、さりとて獣たちの声とも異なる、奇妙な音が常に聞こえてくる。


 最初は鬱陶しかったが、もう慣れた。少なくとも俺の命に関わることじゃないなら、放置しても構わない。


 あとは、ごくたまに光る。太陽かと間違えるくらいに強く、でも石を川に蹴飛ばしたくらいあっけなく消える光。


 そういう時は、二足の生き物は黙ったら叫んだらする。無駄なことをする生き物なのかもしれないが、この生き物たちの奇行も慣れた。


 ここはともかく、変な生き物が変な行動をして、餌を分けてくれる変な場所だ。


 生活はとても楽だが、獣として何か大事なものを失っている気配もする。


 それが何かはわからないけれど、大したことがないのだろう。わからないことに時間を使うのは、もったいない。


 今を大切に生きよう。この場所が長く続くとは思えないし、そろそろ番いを見つけて繁殖したい。


 //(時間切れ)


 大胆なペット視点でしたが、ちゃんと伝わってるかは不明です。なお、ペットから見た『草食獣に似た生物』と『肉食獣の気配の生物』はどちらも人間で、前者が一般兵士で後者が帝王のつもりです。


 そして『SF』要素は、宇宙船をイメージして描写しているってところだけです。侵略戦争の最中みたいな? ペットがいるのは宇宙戦艦の指揮官室で、帝王さんは戦場に出るタイプの人だったのでしょう。


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