974回目 2021/11/12
うろ覚えですが、他のどの血液型にも輸血できる代わりに、自分が受けるときは同じ血液型でないと輸血できない希少な血液型があると聞きました。
確かその通称がタイトルの元ネタだったと思います。
一回目
お題『運命の地下室』
必須要素(無茶ぶり)『血液型』
文字数『1015文字』 未完
タイトル『黄金の血』
「おい、いつまでかかっている?! せっかくの三度が落ちるだろ!」
「旦那、さすがに生き血をいただくのに鮮度もクソもありませんぜ? はやる気持ちはわからんでもないですが、ここまできたらこっちのもんでしょ?」
「……馬鹿者! 私も貴様も危ない橋を渡っているんだ!! その自覚を持て!!」
……うるさい。
誰だよ、こんな場所で騒いでるバカは? スラムの隅っこで暴れてると、また衛兵の憂さ晴らしにされるだけだぞ。
俺、関係ないから、巻き込まれたくねぇ……殴られるなら、自分たちだけで、やられれば……。
ん?
「ここ、は?」
空じゃない。石の天井? 室内? なんで? スラムでゴミ漁りしてて、それで……。
「あれ、旦那。金のなる木が目ぇ覚ましましたぜ」
「なっ?! ほら見ろ! 意識があると面倒だから、早く奪いたかったのに!!」
うるさいな、頭痛ぇのに……金のなる木? どこだよ、一枚噛ませろ。
飯が食いたい……腐ってなくて変な臭いもしない、まともな飯が。
それには金がいるんだ。だから、俺も。
「こいつの血は稀血だぞ?! それも、この国の王族に生まれた王子と同じ血液型だ! 万が一の血袋として献上すれば、褒賞は莫大な物になる! その価値がわからんのか!?」
「へいへい、わかってますよ。スラムのガキ一匹攫ってこいとか言われた時は頭おかしいと思ってやしたが、美味い話には俺も乗りたいもんですからね」
……まれち? ガキって、俺?
まさか、俺、売られるのか?!
冗談じゃない!!
「ふぐっ! うぐぅ!! うーっ!!」
「ありゃ、意外に頑丈だな。頭ぶん殴ったのに元気なもんだ」
「こっちは血の気が引いたがな!! せっかくの血袋も死んでいたら意味がないではないか!!」
「生かさず殺さず、必要になったら輸血用に搾り取るんでしたっけ? こえーこえー、お貴族さまの考えることはよくわからんわ」
口に布があって喋れない! 頭痛いのはそれが原因か、あのクソ野郎!!
血袋とかなんとか、よくわからねぇが、こいつらは俺の血に価値があると思ってやがる。
ざけんな、平民はまだしも下民の血をありがたがる貴族がいるかってんだ!
金のなる木どころか、乗ったら最後の泥舟じゃねぇか! こんなの、無賃乗船の価値もねぇ!!
「んー! んぅー!」
「ちっ! おい! もう一度だまらせろ!//(時間切れ)
二回目
お題『調和した心』
必須要素(無茶ぶり)『ブラウン管』
文字数『847文字』 未完
タイトル『薄血の英雄』
テレビがつく。
『戦争よりも楽しいことをしよう!』
テレビがつく。
『移動遊園地、トラベルサーカスへお越しくださいませ!』
テレビがつく。
『家族も友人も、ご近所さんも敵国人も、みんな誘っておいでませ!』
テレビがつく。
『痛みも悲しみも忘れよう! トラベルサーカスがみんなを待っているよ!』
返事はない。
まばたきもない。
大勢の目が、ブラウン管に釘付けとなる。
無言で画面を見続ける姿は、皆、正気ではなかった。
「メディアを牛耳る者が、国を支配できる権利が与えられる。それを利用したまでのことさ」
薄く笑みを浮かべたのは、若くして国家元首となった男。
テーブルを挟んで男を睨みつけるのは、つい先日まで戦争をしていた隣国の外交官だ。
戦争は終わった。
無視できぬ量の民の請願と、敵味方問わず戦いを放棄した兵士たちによって。
「……テレビで何を流したのでしょうか? 聞けば、そちらの電波ジャックによる違法放送によって、国民が一斉におかしくなったと聞いております」
「おかしくだなんてとんでもない。調和の心を思い出させてあげただけですよ。隣人を愛せよ。人類は皆平等。結構な綺麗事ではないですか」
「口先だけでも理想と言えない貴方様の言葉の、なんと説得力のある言葉か……これは非戦闘員を対象にした無差別攻撃ですぞ」
厳しい顔つきを崩さない外交官に、元首は笑ってみせた。
薄く、怖気のする蛇のような笑みだ。
「しかし、それによって戦争は終わった。血が多く流れることもなかった。人は戦いを放棄し、娯楽を享受している。金の回りも良くなった。金食い虫の戦争がなくなったせいだ。いい循環が続いている。何を不満に思うことがあろうか?」
「人々の自由意志を捻じ曲げた平和は、真に歓迎されるべき平穏ではありませぬ。洗脳電波など、夢物語を現実にした怪物には届かぬ思想でしょうが」
「何を言う? 私とて世界の恒久平和を望むげんしゅのひと//(時間切れ)
タイトルが『血』つながりなのは頭の中にワードが残っていたからでしょうけど、ストーリーの元ネタは『○トルナイトメア2』でしょうね、たぶん。ゲーム実況動画でみました。




