970回目 2021/11/8
過去の自分が書いたことのはずなのに、『どんなジャンルでも、沼にハマった奴の好みなんてニッチに決まってんだから』というセリフが、なぜか妙に刺さりました……。
一回目
お題『愛と憎しみの殺し屋』
必須要素(無茶ぶり)『コミティア』
文字数『853文字』 未完
タイトル『一般向けは刺激が足りない』
「……あれ? こんな漫画、本屋にあったっけ?」
「あぁそれ? いつかのコミティアで試しに買った、自主製作の漫画だったんじゃない? だいぶ前に行ったきりだから、よく覚えてないけど」
隣の家にいる腐れ縁の部屋で漫画を読み漁っていたとき、見慣れないタイトルと絵柄の作品を見つけた。
コミティア、というのは初めて聞いたけど、同人誌的なものかと納得する。コミックマーケットなら聞いたことはあったんだけど。
「面白かった?」
「どうだろ。題材はオーソドックスな復讐譚だったかな。ハードボイルド系を狙ってた感じはした」
「記憶も朧気だったのに、よく覚えてんな?」
「私、タイトルと表紙を見たらある程度の内容を思い出せる特技があるの」
「使い所が難しい特技なこって」
ふふん、と鼻を鳴らす姿は素直に小憎たらしい。まぁ、自分のベットに寝転がりながら俺に背を向けて漫画読んでるから、表情まではわからんけど。
「えっと……家族を殺された仇を探してる殺し屋が、他人の依頼も引き受けつつ復讐の道を進む……これは、チープというべきか?」
「王道の可能性もあるよ。設定なんて、見せ方次第で石ころにも宝石にもなるんだし」
「それが自分の好みに合致すれば万々歳、ってか。その通りだけど、ハズレが多いしなぁ」
「当たり前じゃん。どんなジャンルでも、沼にハマった奴の好みなんてニッチに決まってんだから。性癖くすぐる同類を見つけるまでは茨の道だけど、推しが見つかれば泥沼まで一気なのも魅力といえば魅力かな」
「俺、お前ほど漫画マニアじゃないから」
「エログロに一番反応したニッチ層が偉そうに」
……いや、だって面白いし。
万人受けしない類のものとはわかっていても、俺の感性が反応したんだから仕方がないだろ。
「そういう点では、その殺し屋漫画はあんたの性癖とは、ちょっとストライクゾーンが違うんじゃない? グロはあるけど、エロみたいな遊びはないからね」
「……んー、そうかも。筋肉と臓物の書き込みは//(時間切れ)
二回目
お題『嘘の湖』
必須要素(無茶ぶり)『囚人』
文字数『967文字』 未完
タイトル『第一種政府管理区画『真実の湖』』
「出ろ」
深夜に刑務所から連れ出された。無駄口も許されず、さっさと護送車に打ち込まれ、扉が開いた頃にはもう昼になっていた。
連れ出されたのは、俺を含めて五人。全員死刑囚だ。目がイっちまってるやつらばかりで、すぐわかる。
手錠に足枷はそのまま、手錠に繋がったロープを引っ張られて、歩かされる。
森? 車もオフロードか? 何だってこんな、舗装路もない場所に死刑囚なんて連れてくる?
ちっ、道中やたらとガタガタうるさかったのはそれが原因か。揺れも大きくてろくに寝れなかったんだぞこっちは。
「早く歩け」
監視役も含めてんのか、目で見える範囲に刑務官は十人ほど。俺らを乗せた車以外にも、連れ立って移動してきたのか。ご苦労なことだ。
……まさか、このまま死刑か? だとしても、この国の死刑は絞首刑で、執行官は三人くらい選ばれるはずだろ? たしか、三つのボタンを同時押しして、責任の分散をするとかなんとか。
だが、ここはどう考えても死刑台が用意されてるとは思えない森の中。まともな靴もないのに、土とか石がゴロゴロ転がってる地面を歩くの、地味に痛いんだが。
「全員並べ」
黙々と歩かされ、辿り着いたのは湖の前。
横一列に並ばされ、俺は一番左側。
横目で死刑囚の顔を眺めてみるが、大なり小なり疑問には思ってるらしい。
「傾注!」
俺らを先導して引っ張ってきた刑務官の声に、反射的に従う。
どんな細かな指示でも、逆らえば無駄に懲罰が課される環境に置かれれば、諦念だけがどんどん育っていくものだ。
「ここは政府が管理する聖地である。『真実の湖』という。ここでは、一切の嘘も許されない」
……は? 急に何言ってんだこのおっさん?
『真実の湖』? 嘘が許されない? ローマの休日で出てくる『真実の口』のパチモンか?
「現在、貴様らは死刑執行の名目でこの場に連行されている。ゆえに、この場で見た光景は全て他言無用とする」
……何が言いたいんだ?
いや、何となくわかる。ここで嘘をつけ、って言いたいんだろ?
死刑執行って名目の人体実験。それを死刑囚にやらせるんだから、結構マジな話なんだな、これ。
「これより、一人ずつ用紙を渡す。呼ばれたものから順に、メモの文書を復唱するように//(時間切れ)
ミステリーファイルっぽい感じの設定ですが、話を作るにしても『○にも奇妙な物語』の五分短編レベルにしかならなさそうなネタでした。




