969回目 2021/11/7
アメリカかイギリスだったか、とにかくそういう家が存在していることは覚えていました。
一回目
お題『楽しいホテル』
必須要素(無茶ぶり)『学校使用不可』
文字数『994文字』 未完
タイトル『ゴーストホテル?』
「うわ、すごっ! またあったよ隠し扉!」
「本当だー。これで五つ目だっけ?」
「元々そんなのがある建物も凄いけど、野生の勘で暴き出すアンタも怖いわ」
「えへへ〜、褒めても何にも出ないよー?」
「怖いって言ったの、聞こえてた?」
修学旅行で泊まったホテルを散策していると、また夏海が妙な通路を発見した。
夕食もお風呂も終わって、本当は消灯時間なんだけどこっそり抜け出した私たちは、趣があるホテルの中を見学して回っている。
さすがにお土産なんかを買う時間はあっても、ホテルの中をうろちょろできる時間なんてないから、悔いが残らないように探検しよう! というのが夏海の主張だった。
社会勉強の一環だけど、友達との旅行でテンションが上がって眠気がない私と、同じ班員だった春香を連れて、夜の見回りをする先生たちをやり過ごしつつ探検を続けている。
「でも、本当なんなんだろうね、このホテル?」
「なにがー?」
隠し通路の先で知っている通路に出た後、春香が改めて首をかしげたのを夏海が拾う。
「だってさ、従業員用通路とかじゃないのに、こんなに隠し通路があるなんて変だな、って。非常用通路にしては狭いし通りづらいでしょ? それに、館内の案内板にも載っていないような通路なんて、どう考えてもいい想像はできなくて」
「えー? 考えすぎだよ。ねぇ、秋菜?」
「……いや、そうでもないかも」
少し疑り深い春香の指摘にポジティブな夏海だったが、私は春香に賛成だった。
あんまりいいイメージのない要素を、この前ホラー動画で見ちゃったから。
「名前とか場所とかは忘れちゃったんだけどさ、海外で幽霊屋敷って言われているような家があるんだって。すっごい大きな家なんだけど、それは住んでいた家主が増築を繰り返しからなんだって。その増築も奇妙で、扉を開けたら外に繋がってたり、わざと道に迷いやすいような構造になったりして、下手な遊園地のアトラクションより迷路みたいなんだって」
「それがこのホテルと何の関係があるの?」
「幽霊屋敷って言ったでしょ? 変な増築を繰り返すのは、家の中にいる幽霊を迷わせて閉じ込めるためだ、って話だったんだ……」
「え、もしかして、このホテルにも幽霊が、とか言わないよね?」
「わからない。わからないけどさ、人のための通路っていうより、そうい//(時間切れ)
二回目
お題『理想的な学校』
必須要素(無茶ぶり)『唾液』
文字数『812文字』 未完
タイトル『理想の主体』
理想的な学校とは、どのような施設を指すのだろうか?
各教室にエアコンが完備されている? 各生徒にタブレット端末が支給されている? 難関国公立大学への確かな進学実績がある?
確かに、理想を語る上で設備や環境が整っているに越したことはない。見るからにわかりやすい理想だ。
が、大抵の場合、それらを語る上で見逃されている部分がある。
『誰にとっての理想か?』……この話には、主語が定まっていないのだ。
生徒たちにとって? それは大前提と思うだろうが、生徒に寄りすぎた理想は規律を乱しやすく、極論を言えば『お客様をもてなす場』にしかならなくなる。
保護者たちにとって? 我が子を預け将来を決定する機関であれば、資金を出す側への配慮も当然必要だ。が、実際に利用するわけではない以上、学校生活に必要か不要かの判断は難しく、生徒たちへの配慮に欠けることもあるだろう。
教師たちにとって? 社会人として、労働者として見るならば、働きやすい環境があるとありがたいのは言うまでもない。しかし、それはほぼ確実に生徒たちをコントロールすることにつながり、快適な学生生活とは程遠い状況になりやすい。
学校という施設の主体は何か? 優先順位をどこに定めるか? それら経営の根幹が定まっていなければ、『理想的な学校』は語れない。
理想とは実現目標だ。絵に描いた餅すらない青写真では、本物の餅を手に取ることなどできはしない。
「……難しいよなぁ」
椅子の背もたれに背中を押しつけ、天井を振り仰ぐ男がため息をつく。
口には飴玉が転がって、甘くなった唾液を飲み込んでは溶かしていく。
学校の経営コンサルタントとして派遣された男は、学校側の要求過多に頭を抱えていた。
「要するに、どこにも角が立たず一気に生徒数を増加させる、一発逆転の手を考えろ、ってことだろ? そんなのがあったら、この少子化社会で廃校なんか//(時間切れ)
我ながら三竦みを模した小難しいこと書いてるなぁ、と思いました。こういう理屈っぽいの、結構好きなので。




