965回目 2021/11/3
あー、たぶん深夜ドラマ的な展開ですね、この話。
一回目
お題『ありきたりな旅行』
必須要素(無茶ぶり)『時限爆弾』
文字数『1004文字』 未完
タイトル『弾丸ツアー』
「……なんか普通だな」
「普通でいいんすよ。旅行なんて楽しめれば得でしょ。辺に奇抜だったり刺激だったり期待しない方が楽っすよ」
のんびりとバスでツアーパックを頼んだ旅行は、いい景色見て立ち寄った場所で飯食ってお土産買って。
なんかもう、普通すぎるくらい普通に終わろうとしている。
発起人である後輩を窓側に座らせ、疲れたのかふやけた顔を横目に窓の外を見た。
高速で帰路に着く間、車内は結構静かだ。朝早くから出かけ、昼間はいろんなところに連れ回され、楽しくはあったがみんなクタクタらしい。
旅行ならもっとゆっくりできるのがよかったが、互いにスケジュールが合わなかったので、弾丸ツアーに参加した運びになる。
「にしても、大口の営業決まったからって旅行か。普通は飲みに誘うくらいで済ますぞ?」
「酒よか小旅行の方がいいっすから。頑張ったご褒美なんだったら、頑張った本人の希望を汲んで欲しいっすね」
「だからこうして連れてってやったろ? まぁ、あんまり多いと困るけどな。普通に高いし」
「うわー、格安ツアーだったのにケチっすねー。先輩なんじゃないっすか?」
「給料は据え置きだよ、残念だったな」
「えー、勤労意欲なくすー」
馬鹿な話をして時間を潰すのも慣れてきた。最初はコイツも、だいぶガチガチだったからな。正体を表してからはゆるゆるだが。
「初めて自分だけでやったプレゼンで成功したお前はすごいよ。俺なんか失敗だらけで、先輩にフォロー入れられっぱなしだったからなぁ」
「先輩の給料が据え置きの理由っすね」
「ほっとけ。今は普通に仕事こなしてるよ」
「ならいいっすけど……そういや、奥さんはどうしてます?」
「さぁ? 家にいるんじゃないか? 今回の旅行も、一応誘ったが断られたし」
「へー、愛されてますねー」
「どこがだよ。むしろ放置され過ぎて冷めきってるわ」
まだ熟年ってほどでもないのに、家庭環境は冷えている。子どももいるが、かすがいにはなりそうもない。
幸いなのが、娘は俺の側に立つことが多いことか。こういう時、母親の方に子供は行くもんだが、何か思うところでもあるんだろうか?
「あー、なるほど。こういうのが冷めてる理由っすかね」
「あ?」
すると、後輩が少しいじったスマホを俺に見せてきた。
「……あぁ、なるほどな」
それは妻のSNs//(時間切れ)
二回目
お題『バイオ道のり』
必須要素(無茶ぶり)『えへへ』
文字数『1115文字』 未完
タイトル『ホラーアドベンチャー・ステージ1』
「……うわー! またやられた!」
「本当下手だねー、バイオ。全作買ってんのにその調子じゃ、クリアできてんの?」
「い、イージーで百回くらいリトライしたら、何とか」
「向いてないから別のジャンル遊べば?」
遅々として進まないユナのクソ下手ゲームプレイを眺めつつ、私は出された麦茶をありがたく飲む。
ユナは「えへへ」と照れ臭そうに笑うけど、攻略速度がマジで欠伸が出そうなほど遅いし。
一回リトライすればどこにどんな敵が出てくるかなんてわかりそうなものなのに、なんでユナは毎回同じところで驚いてパニクってやられるんだろ?
あー、なんだっけ? 下手の横好きっていうんだっけ? ユナの場合、謙遜じゃなくて言葉通りだからある意味すごいわ。
「よーし、見ててカオリ! 次はあの難関をクリアしてみせるから!」
「そこ、第一ステージの中盤だよね?」
本来ならチュートリアルレベルの進行度で、何を意気込んでいるんだか。
っていうか、このペースじゃ絶対に百回リトライしてもクリアなんて無理でしょ。何で盛った? 盛ったとしても下手の烙印は消えないレベルなんだけど気づいてんのかこの子?
「やぁー! たぁー! とぉー!」
無駄にジャンプしてんなぁ。普通に走った方が速いでしょ。私、ゲームとかしないから知らないけど。
そういえば、昔はテトリスみたいな落ちゲーはよくやってたっけ。あれ、延々続くから暇つぶしにちょうどいいんだよね。キリないからフルスコア出たらやめてたけど。
「や、やったー! 見て見てカオリ! 強敵撃破!」
「おめでとー。でも、ボス前に弾薬使い切ってたら、次倒せなくない?」
「……あ」
何もない空間に銃をぶっ放しまくって、奇跡的に雑魚敵を倒せたユナは、固まったまま画面を見つめている。
最悪、ナイフだけで倒せるかもしれないけど、たとえ難易度イージーでもクソ雑魚プレイヤーのユナには無理だ。
っていうか、基本銃を武器にして戦うゲームで弾撃ち尽くすとか、逆に難しくない? ユナは何を目指してこのゲームやってんだろう?
「あー! やられちゃったー!」
「はーい、おつかれー。お茶飲む?」
「のむー!」
この日、私が見てる前でも十回は死んだところで、麦茶をやけ飲みするユナ。本当、とうやってクリアしてきたんだろ、今までのシリーズ?
それにしても、やっぱ見るだけって暇だな。
「ねぇ、私もやっていい?」
「え? いいけど、珍しいね。カオリがゲームしたがるなんて」
「暇だからさ。それに、あんまり主人公がやられてるシーンばっかり見せられても、ぱたーんあるからあきるじゃん//(時間切れ)
これはたぶん、お題が悪かったです。まさか『生命工学道のり』なんて訳すわけにもいかないですし、訳したところでネタは浮かびませんし。




