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964回目 2021/11/2

 これを読み直して気づきましたが、私は話の導入に迷うと一般的な知識を引き合いに出してエンジンをかけるパターンがあるようです。


 私が読んでいた世代のラノベだとよく見た記憶があるんですけど、早い展開が好まれる今の時代には合ってないでしょうね。流行に疎いんで合わせられませんけど。


 一回目

 お題『地獄円周率』

 必須要素(無茶ぶり)『三人称』

 文字数『997文字』 未完


 タイトル『嫌いなものは嫌いだから』


 無理数を知っているだろうか?


 簡単にいえば、どこまで計算しても割り切れない数字のこと。


 その中でもまた種類が枝分かれして、規則性のある無理数と不規則な無理数がある。


 前者は1/3を正数に表すと0.333……と続く。これが一番わかりやすいだろうか。


 そして後者は、円周率がそれに当たる。3.141592……とまるで不規則な数字が延々と続くのだ。


 平方根なども不規則な無理数だが、なぜか人は円周率に惹かれやすい。ギネス記録にも円周率の暗記桁数が存在するが、他の数字で行われることはまず見ない。


 なぜ円周率は人の特別たり得るのか? それはただ歴史が古いというだけではない、未知の魔力が存在しているのかもしれない。


 少し話が逸れた。


 本当にしたかった話の根っこは、そんな陰謀論まがいのことではない。


「……もう嫌だぁ!!」


 円周率は不規則な無理数である。


 ゆえに、延々と書き取りをさせ続けられると、一生終わらない。


 円周率の写経……数学を苦手としアレルギーを持つ者にとっては、この上なく苦痛な罰である。


「ちょっと数学の課題すっぽかしただけじゃん! それなのにノート一冊分円周率書かせるとか鬼かよ?! ここは地獄か?! なぁ?!」


「知らねーよ、嫌ならさっさと終わらせればいいだろ。ほら、愚痴ってる間も時間は過ぎてくぞー」


「薄情者! 少しは助けてやろうって気にならねぇのか?!」


「自業自得だろうが。俺は課題やってきたし、堂々とサボったって言ったのお前だけだし」


「ちくしょー!!」


 課題を忘れた生徒は、涙目になりながらまたノートに目を落とした。カリカリとシャーペンが走る音を、向かいの席に座る男子生徒は呆れて聞いている。


 ここは高校の教室。時間は放課後。そろそろ夕日が室内を照らそうとしていて、下校時刻も近い。


 しかし、罰を課せられた生徒のノートは半分も満たしていない。ちょくちょく愚痴を言っては手を止めて、己で地獄を引き伸ばしているのだから、さもありなん。


 向かいで愚痴に付き合っているのは、友人だからだろうか。必要のない居残りの付き添いをしているだけ、半泣きの生徒にとっては御の字と言えるだろうに。


「これ、終わるまで放課後全潰しなんだっけ? 数学の先生厳しいって知ってんのに、何で無駄に楯突こうとするかな?」


「//(時間切れ)




 二回目

 お題『元気な光景』

 必須要素(無茶ぶり)『日本』

 文字数『1012文字』 未完


 タイトル『東京という街』


「うわ、すっげ」


 初めてだ。東京で、こんな活気がいい場所があると思えるなんて。


「豊洲って、移転のゴタゴタのせいであんまりいい印象なかったけど、やっぱ築地の感じも持ってきてんのかな」


 早朝に来たつもりなのに、人の声でガヤガヤと騒がしい。怒鳴り声もしょっちゅう聞こえるけど、働いてる人なんだからケンカってわけでもないんだろう。


 上京してきた時の印象は、賑やかだけど寂しい場所、だったな。


 街を行き交う人々が、誰も見ていない気がしたんだ。目が合わない、声が聞こえない、人として認識されない。


 そんな、無視とはまた違う独特な疎外感を覚えた。


 そりゃあ、声をかければ話はしてくれるし、道も教えてくれる人もいた。けど、そこまで多い方じゃなかった。


 交番の刑事さんは仕事だからノーカンとしても、本当に人に無関心な人が多いんだな、って思ったもんだ。


 でも、ここはなんか違う気がする。人が人を見ている。それだけで、少しだけ息がしやすい気がした。


「やっぱ鮮魚店が多いのかな。飯屋も多いけど。でも、どこに入ったらいいかわからん」


 おのぼりさんよろしく、ウロウロと豊洲市場を歩いて回る。


 別にここへは、目的があってきたわけじゃない。観光、とも違う。散策? それが正しいか。


 上京してまだ数ヶ月しかたっていない。東京に染まりたいわけじゃないけど、居場所くらいは作っておきたい。


 そう思って色々回ったが、東京は人が多いからか疲れている人が多く感じる。


 どこに行っても、誰かが俯いて歩いているし、空を振り仰いでボーッとしている。


 あれは一時的な疲れじゃなくて、自分の許容限界を超えた疲労に、どうしていいのかわからなくなっている感じだった。


 何も考えなたくならないから、虚無を見つめているんだ。何も考えないように、自分を守るために。


「俺もいつか、ああなるんだろうか……?」


 活気がある場所にいると、余計に不安になってくる。自分から元気を奪われているような気さえする。


 東京は、人の生気を吸って発展した都市なんじゃないか? なんて思ってしまうくらいだ。


 元気さだけでいえば、まだうちの地元の方が元気だったと思う。


 何でもある都市だけど、生気がない都市。そう考えると、怖い場所だなと思ってしまう。


「……なんか食べようかな」


 悪い想像はやめよう。よくない。俺もひっ//(時間切れ)


 ちなみに私は築地には友人に誘われて一度だけ訪れましたが、豊洲はニュース越しでしか存在を知りません。よくこれを引き合いに出せたなと呆れるばかりです。


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