962回目 2021/10/31
現代に魔法をなじませようとした結果なのかもしれませんけど、主人公に若干サイコパス臭がします。
一回目
お題『阿修羅魔法使い』
必須要素(無茶ぶり)『正月』
文字数『769文字』 未完
タイトル『傭兵の魔法使い』
科学が文明の中心になった世界で、廃れた技術となった魔法はひっそりと繋いできた。
もはや魔法使いの総数も少なく、顔を合わせても互いに気付かない程度にはコミュニティも縮小化している。
それに科学文明の影響か、昔ほど闘争に魔法を使う者もいなくなっていた。ほとんどが研究者に成り下がり、簡単な護身用の魔法さえ使えない者が大半だ。
そんな中でも、私は人を直接害する魔法の研究を続け、磨いてきた。
家が魔法使いとは別に、傭兵の家系だったことも大きい。時代遅れと切り捨てられた攻撃魔法の文献が多く残り、成功させるに十分な資質も備わっていた。
今でもその技術は活用されている。実際の殺し合いの場で、銃の代わりとして。
「……ちっ、囲まれた」
廃屋に逃げ込み、敵の射線から逃れたが一時凌ぎでしかない。
紛争地帯では流れ弾で民間人が死ぬこともザラだ。直接銃を向けられる兵士ならなおさら、死亡率は高い。
傭兵稼業は実入りはいいが出費もバカにならない。生き残ることを優先して赤字になることもしょっちゅうある。
それでも戦場から離れられないのは、私がこの世界以外の生き方を知らないから。知る必要もないと思っているから。
「さて、どうしたものか」
困ったとため息が出るのとは裏腹に、口元が自然と笑みに変わるのを自覚する。
楽しい、とは違うな。生きている、という実感だけが湧き上がってくる。
口は自然と詠唱を始め、拳銃には魔法を馴染ませる触媒を詰めた弾倉をセットしている。
何より戦場では、隠すことなく魔法を使えるのがいい。目撃者を全員始末すれば、魔法の痕跡を消して回る必要もない。
それに、一人深追いすれば雇用主側の人間もいなくなる。目がないところで堂々と魔法をぶっ放せる快感は、なにものにもかえがたい//(時間切れ)
二回目
お題『間違った理由』
必須要素(無茶ぶり)『丑三つ時』
文字数『762文字』 未完
タイトル『呪う相手』
深夜二時。
暗闇と虫の音に支配された世界で、雑木林を進む人影があった。
「……はぁ、クソ。なんで、呪いは、人の目に、ついちゃ、いけないんたよ……」
リュックを背負いグチを垂らすのは少年。普段から運動はしないのか、汗が大量に吹き出し膝も少し笑っている。
険しい山の中、というわけでもない林は、木の根がせりだし歩きにくいものの、傾斜のない地面は体力を奪うには物足りない。
よく見れば少年の線は細く、体格も華奢だ。見た目通りの体力しかないのだろう彼は、それでも無理をして足を動かす。
「死ね、死ねっ、死ねっ!」
吐息と共に呪詛を漏らしだした。表情は怒りと憎悪に染まり、真顔の中に歪んだ感情が滲んでいる。
「あいつら……絶対に、呪い殺してやる」
少年は丑の刻参りを実行するために、林の中を一人さまよっていた。
本来は特定の神社の御神木に打ち付ける呪いだが、少年の家からは遠く代用の場所で試すほかなかった。
呪う相手は、少年のいじめに加担した人間、全員だ。
その範囲は少年の認識であり、実際は関わりがほとんど薄いものたちも対象になる、無差別な行為である。
少年をいじめていた直接の実行犯は四人ほど。少年が呪いたい相手は、ほぼ学校全体まで広がっている。
少年にとっては、いじめを見て見ぬふりでやり過ごす生徒や教師たちもまた加害者であり、報復するだけの正当な理由があると思い込んでいる。
相手の事情など知らない。自分を助けなかった人間は全員クズで、生きる価値はない。
そんな歪んだ価値観のまま、少年は呪いという手段に出た。直接誰かに助けを求めるでも、いじめの加害者に抗うでもなく、ひっそりと、独断で、陰湿な方法に出た。
少年は人付き合いが得意な人間ではない。そもそも、じふ//(時間切れ)
誰にも頼らない、と聞くと孤高のように思えますが、誰にも頼れない事実に耳目を塞いだ結果だとしたら、普通にダサいですよね。




