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956回目 2021/10/25

 私自身はこのような体験をしたことありませんが、できるのであれば経験してみたいですね。


 一回目

 お題『名付けるならばそれは音』

 必須要素(無茶ぶり)『芥川賞』

 文字数『983文字』 未完


 タイトル『文字の『音』』


 不思議な体験をした。


「……ん?」


 パラリ、と本のページをめくった時。


 耳元で何か、聞こえた気がした。


 普段は読書に集中すると周りが見えなくなるくらいなのに、今回に限っては無性に気になってしまった。


 一旦しおりを挟んで、耳に手を当てがい目を閉じて聴覚を澄ます。


 …………しかし、何も聞こえない。


「あ、耳栓」


 頭を捻ってようやく、自分が最初から音を遮断していたことを思い出した。


 では、先ほど聞こえた気がした音は、いったい何だったんだ?


「どんな音だったか……」


 無性に気になってしまい、読書も忘れて思案に耽る。つい先日、芥川賞に選出された話題作だったのだが、今は他人の空想よりも身近なファンタジーだ。


「水音、風の音、鳥の囀り……違うけど、遠くはない。自然の音だった。場違いなほどに」


 顎に指を這わせたまま、自室の窓から外を見る。


 窓の真正面に隣接して建つビルの壁面が視線を遮り、日当たりも最悪。立地条件が悪くて、少し値段交渉をした安アパートの外は、都心のゴミゴミとした街が広がっている。


 ここが田舎町だったら、違和感なんて覚えなかっただろう。たぶん、それくらい田舎の原風景を想起させる音だった覚えがある。


 音……そう、音だ。


「声、って感じじゃなかったんだよな」


 それは人の、という意味でもあるし、比喩の、という意味でもある。


 人間の発声なんかじゃなくて、虫の声なんて表現もできない……『音』としか言えない音。


 どこから聞こえて、何を聞き分けたのか……耳栓越しに聞こえるくらい大きな音だった割には、今耳栓を外しても静かな時間が流れるだけ。


 壁の薄いアパートの住人が騒いでいないのなら、騒音があったわけじゃない。なのに、耳を塞いだ俺に聞こえた。


「ますますわからないな……」


 気のせいだったか? そう思う方が早い気がして、俺はまた小説を手に取った。


 しおりを取り出し、話を思い出すため一ページほど戻って読み出す……と。


「っ! また!」


 聞こえた。耳栓はし直している。どこで? まさか、耳の奥から聞こえた?


 混乱する、が、前回と今回で共通点が一つ浮かび上がった。


「このページの描写を読んだ時」


『川面から飛び出した鯉が、キラキラとした光を従えて水中へとびこんだ//(時間切れ)




 二回目

 お題『鋭い別居』

 必須要素(無茶ぶり)『海老のしっぽ』

 文字数『976文字』 未完


 タイトル『価値観の違い』


「もう嫌! こんな分からず屋の顔なんて見たくない!」


「あーあー! そうかよ! こっちだって歩み寄りのかけらもない奴の顔なんて、見ない方が清々するね!」


 そんな売り言葉に買い言葉で、同棲していた彼女の背中を見送ったのが、ほんの数時間前のこと。


 あの時はめちゃくちゃ腹が立ったのは事実だし、本当に顔を見たくないと思った。あんまりにもぶつかって、このままだと手が出そうだと本気で思ったから。


「……はぁ」


 でも、少し時間が経って冷静になると、何で馬鹿らしいことでケンカしたんだと目が覚めた。


 バカップルのやり取りくらい可愛げがあれば良かったが、ケンカの内容があまりにも酷すぎた。


「海老のしっぽを食べるか食べないかで、何でこんな大ごとになったんだ……」


 テーブルの上には、エビフライのしっぼが残った皿と残ってない皿。


 今日の夕飯はエビフライだった。それまでは和気藹々と食事をしていて、テレビのバラエティに笑う余裕もあったんだ。


『……え、あなたって、海老のしっぽを食べる人?』


『? 食べるだろ、普通?』


 それが、ケンカのゴングだった。


 俺は抵抗なく食べられる派だったが、彼女は生理的嫌悪から無理だとのたまったのだ。


『聞いたことないの? 海老のしっぽって、あの台所の悪魔の羽と同じ成分が入ってるんだよ? 実質、Gを食べるようなものでしょ? 何で食べられるの?』


『へぇー、そうなん? でも俺、美味しいから普通に食べてたわ。まぁ、知ったところで食べなくなるほどじゃないし、気にすんなよ』


『はぁ?! じゃあ何!? 私にゴキブリ食った唇にキスされるのを許せっての?! 冗談じゃない!!』


『んだよそれ?! 別にそこら辺に走ってるのを食ったわけじゃねぇだろ?! そこまで言われる筋合いねぇっての!!』


 ……そこからはもう、不毛でしかない争いだった。


 最初は海老のしっぽの話だったのに、いつの間にかゴキブリを食べる食べないに話がすり替わり、事実よりも仮定を前提に話が進んでいった。


 気づけば唾を飛ばしての大げんかで、彼女は出ていったきり戻ってこない。


「……さすがに、迎えにいくか?」


 俺と彼女、共通の知り合いにはすでにケンカしたことは伝えてある。理由までは情けなさすぎて説明してないが、なに//(時間切れ)


 目玉焼きには塩か醤油かマヨネーズかポン酢か……みたいなのも『価値観の違い』でしょうね。そういうのをスルーできたら、同居生活のストレスは減りそうです。


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