948回目 2021/10/17
かなりバカみたいな小話でした。感想があまり浮かばなかったです。
一回目
お題『元気な言い訳』
必須要素(無茶ぶり)『文豪』
文字数『811文字』 完結
タイトル『任せるなら身内よりプロ』
「ごめん! もう正岡子規にしかならねーわこれ!」
「え、え?! もしかしてお前バリカン使ったのか?! 何でだよ、最初はハサミ使うだろ普通!」
散髪代ケチって弟に髪を切ってもらおうとしたらこれだよ!
っつかうちにバリカンなんかあったのかよ!? お前より長く生きてたのに知らんかったわ!
「だってさー、文豪みたいにってわけわからんオーダーされたら、とりあえずいっとくじゃん?」
「バリカンを?! どういう思考プロセス辿ったらそうなる!? お前の中にいる文豪はハゲしかいないのか?!」
「スッキリした髪型って意味じゃ、そうじゃないか? 他に写真で知ってるの芥川龍之介だけど、あの人髪の毛モッサーじゃん」
「毛量がゼロか百しかないのかよ!」
弟のカタログがレパートリーなさすぎて失敗の理由がよくわかるよ!
「あーもー、しゃーない。いいよ、今回は丸刈りで。次は大人しく散髪屋行くから」
「え? でもワンチャン、このまま残しておくってのも手だと思うけど」
「お前、俺の頭になにした?」
「んー、コースを作った感じ? モチーフは人生ゲーム」
「人の頭を盤面に見立てて遊ぼうとしてたのかクソが!」
「なんかほら、ミニカー転がしたらちょうどいい舗装路に見えなくもない地肌してるよ?」
「だから車を走らせんな! ぜってぇ車輪が髪の毛を絡ませて大事故になるだろが!!」
「……本当に坊主にすんの? もったいねー」
「何ならお前も同じ目に合わせてやろうか? あ?」
「しゃーない、刈るぞー」
生意気すぎる弟に脅しをかけてようやく、見苦しい髪型から解放された。
「……俺、野球部でもないのに何で坊主に」
「兄ちゃんがやれっつったんじゃん」
「取り返しつかなくしたのはテメェの暴挙が発端だからな!!」
それから、弟の背中を二、三発しばいてチャラにしてやった。次やったら頭プラレールにしてやる。
二回目
お題『希望の吐息』
必須要素(無茶ぶり)『チョイ役』
文字数『812文字』 未完
タイトル『エキストラのおじさん』
「……はい、カット! 映像チェック入りますんで、少し休憩入りまーす」
「お疲れ様です」
「あ、はい。お疲れ様です」
監督が撮影スタッフと画面を見始めたのを横目に、僕も休憩を取ろうと待機じゃに向かう。
すれ違いざま、主役の鷹匠くんに会釈して挨拶したら、無難な挨拶をもらった。
まぁ、芸歴が長いと言っても僕、エキストラだしね。クレジットに名前は載るけど、正直誰だよ? って言われることの方が多いし。
「お疲れ様です」
「うーい、おつかれーっす」
ADの三橋さんにも会釈と挨拶。鷹匠くんより適当な挨拶だけど、無視されなかっただけマシだと思おう。
挨拶は人間関係をスムーズにするためにやることだ。あちらに僕への興味があろうがなかろうが、無難にその場をやり過ごすには最適だったりする。
誰も僕のことを知らないだろうから、と他人を無視し続けるのは悪手だ。普通の大人として挨拶もできないようじゃ、逆に浮いてしまう。
当たり前を当たり前にしてこそ、より影が薄くなって軋轢も衝突も生まないんだ。
エキストラを長年やってきたからか、そういう経験も無駄に積んできてしまった気はするよ。
「あ、大橋さん。お疲れ様です」
「え? あぁ、清水さん。お疲れ様です」
持参したペットボトルのお茶を飲んで一息ついていると、近くを通ったのかヒロイン役の清水さんが挨拶をしてくれた。
人当たりがいい子だな、という印象の子だ。撮影が始まってから色んな人に挨拶したり雑談したり、とにかく人懐っこくて撮影現場を和やかにしている。
僕との年齢差が親子くらい離れているから、勝手に娘みたいなものだと思っている。
女優歴は短いらしいけど、堂々とした演技で見るものを惹きつける表現は、さすが主演級の役者だと思った。
僕はエキストラか、よくて再現VTRの役者だから、こういう子達とはあまり接点がないけど、若者はぼ//(時間切れ)
毎回冷静になってから思いますけど、何でほとんど知識もない舞台設定で知ったかぶれるんだろうな? と自分自身に思います。つっこむ必要ないところですけど。




