945回目 2021/10/14
この短編も私が考えたのでしょうけど、どうしてこんなぞっとするオチを書いたのかと思ってしまいました。普通に怖い。
一回目
お題『殺された笑顔』
必須要素(無茶ぶり)『旧約聖書』
文字数『997文字』 未完
タイトル『すれ違い』
俺が世界一好きだった笑顔は、実の兄の手によって奪われた。
『兄貴……っ、何やってんだよ!』
それは、なんでもない一日だった。
寝坊しかけて、母さんにドヤされながら朝飯を食べて、昼寝しながら高校で授業を受けて。
バイトの前に家で着替えないと、なんて呑気なことを考えながら、玄関で鍵を取り出したんだ。
『見た通りだ。母さんを刺しただけだ』
鍵は開いていた。うちは防犯のためにと、家に誰かいても鍵は常にかけるようにしている。
最悪、家の鍵をなくしたらインターホンで呼びかけ、開けてもらうようにしていた。
だからこの時点で、嫌な予感はしていた。
中に入れば、すぐに異様な空気が流れている気がして、進むのが怖くなった。
そして、リビングの扉を開けた瞬間、母さんが兄貴に刺され、床に倒れる瞬間を見た。
『だけ、って、お前! 母さんが、なんで?!』
『……気持ち悪いんだよ』
『はぁ?!』
俺は取り乱していたのに、兄貴はずっと冷静だった。
自分でも何が言いたいのかわからない言葉を、兄貴は正確に読み取って……母さんの持ち物だった旧約聖書を放り出した。
『宗教に染まるのはいい。だけど、それを俺やお前に押し付けようとした』
それが兄貴の動機だと気付くのに、少し時間がかかった。
『……は? まさか、そんなことのために、母さんを殺したのか?』
『そんなこと、か。いや、それでいいのかもな。知らない方がいいことは、世の中にはたくさんある』
『ふざけんな! 何悟ったようなこと言ってんだテメェ!!』
まだ兄貴の手には刃物が、包丁が握られていたが、そんなの関係なかった。
近づいて、胸ぐらを掴んで、ぶん殴ってやろうと拳を振りかぶって。
『おい、直樹』
『っ!』
『救急車は呼ばなくていいのか?』
頭にきた俺は、すぐに叫び返した。
『呼ぶわけねぇだろ!!』
ぶん殴って、倒れた兄貴を見下ろして、でもまだ握られている包丁に注意をし続ける。
『救急車なんて呼んだら、母さんの体に誰のものともわからない血が輸血されるだろうが!! そんなおぞましいことをするのが治療なんて、それこそ気持ち悪いんだよ!! この国の医者なんか信用できるか!! それだったらまだ、教祖様に祝詞を唱えてもらった方が助かる!! 教祖様の教会はすぐ近くにあるから、//(時間切れ)
二回目
お題『少年の伝説』
必須要素(無茶ぶり)『バラン』
文字数『804文字』 未完
タイトル『伝説よりも堅実を』
「俺も伝説、作りてぇなぁ」
「何の? 赤点の連続記録ならいい線いってると思うけど」
「そう言うんじゃねぇよ! なんかこう、後世に残るようなやつ! 一対百の喧嘩に勝つとか!」
「それ、大人になったら黒歴史って名前になるんじゃない?」
中学に上がってから、不良が格好いいって価値観に変わったのだろうか?
元々、古いタイプのガキ大将気質だったから、喧嘩は好きだったけどそういうバカを言うタイプだったとは知らなかったよ。
今後の付き合い、考えようかな。
「お前最近ノリ悪いぞ! 前はもっとノリノリだっただろうが!」
「イタズラくらいだったらまだ取り返しがつくけど、喧嘩や刑事事件的なものは無理。経歴に傷がつくと、社会に出た時不利にしかならないから」
「はぁ、情けねぇ。もっと根性のあるやつだと思ってたのによぉ」
「根性は関係ないかな。というか、友人のよしみで助言するけど、不良はやめといた方がいいよ。泥沼になって抜け出せなくなるから」
一応、こっちは親切心で言ったつもりだ。
そりゃあ、不良が全員悪いわけじゃない。社会に出たらちゃんと仕事について家族を養ってるような立派な人もいる。
でも同時に、不良から暴力団と繋がって、そのまま表の社会に出られなくなるような人もいる。
薄々、こいつはそっちに流されるんじゃないかと思っている。腕っ節は強いが頭は弱いから、ずる賢い大人の言うことを全部信じて深みにハマるタイプにしか思えない。
「お前は心配性なんだよ。もういい! 俺は一人でもやるぞ!」
「……そうか。勝手にしろ」
やっぱり、考えなしに盛り上がってるこいつを見て、付き合いきれないと立ち上がる。
バランだけ残したコンビニ弁当を袋で縛り、そのままゴミ箱の中に放り込んだ。
「それじゃあ、俺たちコンビは解散だな。また新しいパートナーを見つけてくれ」
「ん? おう//(時間切れ)
改めて考えたら『少年の伝説』ってすごいお題だなと思いましたいろんな意味で。『○イの大冒険』みたいなものなんでしょうかね?




