936回目 2021/10/5
メインが『妹』なのに、セリフがちょい役並だったのはどうだったのか。結論として、短編はやっぱり難しいで落ち着いてしまいます。
一回目
お題『つまらない妹』
必須要素(無茶ぶり)『四国』
文字数『956文字』 未完
タイトル『見守りお遍路』
……はぁ、なんで成人した後の妹の世話なんかしないといけないのか。
母さんたちは過保護すぎる……あんな、なんの取り柄もない妹なんかに。
「はぁ……ちょっと、休憩」
少し離れた場所から見ていた妹は、一時間もしないうちにまた座り込んだ。
もう少し日頃から運動しろ、と罵りたくなる。あんたの休憩が、私の時間をさらに奪うことになるんだって、今すぐにでも怒鳴ってやりたい。
でも、それはできない。
普段から鬱陶しくて嫌いだった妹相手でも、母さんにお願いされたら弱いのだ。
社会人として働くようになって、子育ても両立していた母さんを昔より尊敬している。普通に憧れの人と言えるくらいには、母さんに対して頭が上がらなくなった自覚はある。
今じゃ、同じ会社の上司と部下でもあるからね。あっちは社長で、こっちはまだまだ平社員だけど。
そんな人から『頼む』と言われたんだから、私は有給も消化して付き合ってあげなきゃいけない。
「っつか、なんで四国遍路なの? 大学生活ももうすぐ終わるってのに、やることがそれとか意味がわからない」
人生観を変えるため、とも考えられるが、それにしては中途半端だなと思ってしまう。
私なら海外で一年くらい、お金も持たずに生活するくらいは考えるだろう。情勢がきな臭いところは無理だが、治安が悪い程度なら候補に入れていたくらいには度胸もあるし。
それに比べれば、国内でできるパワースポット巡りに、どれだけの効果があるのかは疑問に思ってしまう。
四国遍路が悪いわけじゃないけど、やっぱり過酷な環境でこそ『自分を変えたい』と言った妹の動機にそうと思う。
それだとやはり、世界でも安全な日本でできる経験なんて、たかが知れてると私は考える。
自分の足だけで八十八箇所を回る……それ自体は立派だが、日和ってぬるい道を選んだとどうしても思ってしまう。
つまらない妹が、足りない頭でつまらないことをしている。
私の認識がそこから外れない限り、私は妹なりの一大決算も、ただただ面倒なイベントにしか感じられない。
「……というか、母さんにお守りを頼まれるくらい軟弱なんだったら、もっと低いハードルを用意した方が良かったんじゃない?」
考えても詮ないこと//(時間切れ)
二回目
お題『あいつの深夜』
必須要素(無茶ぶり)『丑三つ時』
文字数『1000文字』 未完
タイトル『揺れる誘導棒』
「……朝か」
窓から差し込む夕日に目を向け、寝起きでぼんやりした頭をかく。
夜型生活も板についてきて、すっかり日の入りを朝だと認識するようになった。すごいもので、人間の体は昼型から夜型に変えても正常に動くらしい。
……あれ? そういや前に健康診断行ったの、いつだったか? 俺、本当に健康体なのか?
「ま、今生きてるんだから健康だな」
そろそろ頭が覚醒し出したところで、朝飯のカップ麺の蓋をとる。
これから仕事があるんだから、ちゃんとした飯を食っとかねぇと。体が資本って、あいつも言ってたし。
腹が膨れればそれでよかったから、さっさとゴミ袋に空容器を放り込んで身支度をする。
出かける場所は、新しい工事現場。俺は誘導役として交通整理するバイト。
地味でしんどい仕事だが、俺にしては長いこと続けてる。
それもこれも、あいつが誘ってきたからだ。
「おーっす。 今日も辛気臭い顔してんな。ちゃんと飯食ってる?」
「当たり前だ。食わなかったらいちいちうるさい奴がいるからな」
「へー? でも、ちょっと認識にズレがありそうな気がするんだよねぇ……本当に、まともなもの食べてる?」
制服に着替えて現場に行くと、あいつはもう仕事に取り掛かっていた。
この華奢な体をした女がドカタで、体がデカイだけの俺が交通整理。
知り合いに言わせれば、絶対に立ち位置が逆だと言うが、俺もそう思っている。
だが、俺は図体だけがデカくて、特別力持ちでも体力バカでもない。むしろ、同じ体格で比較したらひ弱な方だ。
「んじゃ、今日も作業頑張るとしますかね。君も、ちゃんと仕事して生きるお金を稼ぎなよ」
「……わかってる」
ニヤッとした笑みを残し、あいつは自分の作業場へ戻った。
元々、俺もあちら側にいたが、すぐに適性がないとわかって辞めることになった。
それを指摘したのが、あいつだった。
深夜の二時くらいだったか。単純な力仕事でもすぐにバテてしまい、倒れそうになったところをあいつに見つかったんだ。
『無理ならさっさと言いなよ。仕事なんて、力仕事以外にもあるんだからさ』
そう言って、近くにいた交通整理のおっちゃんに、俺のことを押し付けたんだっけ。
なんとかバイトとして働く枠をもらって、それ以外にもポツポツ仕事をするようになって。
いまじや//(時間切れ)
地味に自分にも刺さること書いていたので、ちゃんと生きようと思いました。




