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927回目 2021/9/26

 私もどちらかというと、色気よりは食い気ですかね。ラブコメや恋愛系の小説は好きですよ。私に直接関係ありませんから。


 一回目

 お題『誰かはプロポーズ』

 必須要素(無茶ぶり)『右肘』

 文字数『1033文字』 未完


 タイトル『いつか誰かを好きになれるか?』


「……俺と、結婚してください」


 あー、と大口を開けてパスタを食おうとした瞬間、別の席で何やらイベントが発生した模様。


 目だけでそちらを確認すると、今まさに聞いたセリフとマッチした姿で片膝をついた男性が、向かいの席についている女性に小さな箱を差し出している。


 結婚指輪……じゃなくて、この段階だとまだ婚約指輪だっけ? それを渡してるシーンなんだろう。


「はい、よろしくお願いします」


 返事は程なく返され、店内は拍手で満たされた。俺も、一度フォークを置いて手を打ち鳴らす。


 その間、お預けになったパスタに視線が釘付けだが、めでたい席なのは事実だ。少しは耐えろ、俺。


「……もういいよな? じゃあいただきます!」


 プロポーズの熱気がおさまった頃合いを見計らって、ようやくありつけたパスタの味は格別だった。


 グルメサイトで高評価されるだけあって、ついでにプロポーズの場所に選ばれるだけあって、飯も雰囲気もいい感じ。


 まぁ、休日にブラブラ食べ歩きするような男に、恋人なんてできるわけないと思ってるけど。


「……あんたさぁ、もうちょっと情緒ってもんを育てる気はないわけ?」


「んぐぁ?」


 味わって咀嚼している最中、たまたま暇だったから誘った妹が呆れ返る目でこちらを見ていた。


「赤の他人とはいえ、プロポーズする現場を目撃したってのに、ずっと料理に目を奪われるとかないわ。花より団子も大概にしとけっての」


「ふぉう、いわへへもな」


「食いながらしゃべんな、行儀悪い」


 おまけに男が裸足で逃げ出しそうな眼光を食らう。こえーこえー。


「我が兄貴ながら、ほんっと色気のある話ないよね。奢ってもらってるからあんま口うるさくしたくなかったけど、もうちょっと色恋に興味持っていいんじゃない? 一生独身でいるつもり?」


「んー、とはいってもなぁ。飯なら家族と行っても美味いし、店回んのも俺の趣味だし、何より今に不満があるわけでもないしな。いまいちわかんねぇんだよ、恋だとか愛だとか。濃い味付けの合鴨のステーキとかなら歓迎するけど」


「……はぁ。あんたと同じ血が流れてるから、私も恋愛下手なのかな?」


「それは親父とお袋に言ってくれよ。元はそこから流れた血だぞ」


 俺は単純に興味が惹かれないだけだが、妹の方は男らしすぎて同性からしか告白されないらしい。


 恋愛が下手というより、ターゲット層を間違えているだけだろう。宝塚のおと//(時間切れ)




 二回目

 お題『小説の食事』

 必須要素(無茶ぶり)『ペペロンチーノ』

 文字数『1051文字』 未完


 タイトル『過疎文芸部の活動』


「……うーん」


「…………」


「うーん」


「…………」


「うぅ〜んぅ」


「『どうしたの?』待ちの構ってちゃん乙」


「間違ってないけどもっと言い方なかった?」


 我ながら面倒くさいアピールしたと思うけど、二回無視した挙句にこの言い草なのもどうだろう?


 気の置けない友達とはいえ、ストレートな悪口に聞こえる言葉に耐性があるわけじゃないし。


「何か用? 今いいとこなんだけど」


「あー、私は一気に冷めちゃって……ここ読んでみて」


「ん」


 さっきまで読んでいた小説のページを開いたまま渡すと、彼女は自分が読んでいた小説に栞を挟んで目を通してくれる。


 幽霊部員込みでギリギリ部活認定されている文芸部の活動なんて、こんなものだ。


 むしろ、放課後に集まって本を読んでいるだけマシだろう。たとえ文学作品なんか一作も読んだことなくても。


「……単なる食事シーンのどこに冷めたの?」


「いやさ、冷静になって考えてみたんだけど、小説に出てくる食べ物の描写って、あんまり美味しそうじゃないな、って」


「意見を聞こうか」


 少し興味が湧いたのか、友人は机に上半身を投げ出すだらけきった体勢から背筋を伸ばす。


 私はただ読んでいるだけで楽しいけど、彼女は同じ作品を読んでも人によって感じ方が違うことに関心があり、意見を交わし合うことを楽しみにしている。


 自分が知らない視点から物語を見つめ直す作業が、結構クセになるとか前に言ってたっけ? 私にはよくわからないけど、感想を頻繁に伝えるようにはなったかな。


「この小説だとペペロンチーノだったけど、なんていうか、今まで読んできた小説って、意外と料理の名前に付随するイメージに頼って描写しているような気がするんだよね」


「続けて」


「ペペロンチーノだと、ニンニクや唐辛子とか、あとオリーブオイルとか。そういう材料の名前とか匂いとか、個別に感じられるような描写はないじゃない? そりゃあ、ペペロンチーノなんだから調理過程で入ってるのはほぼ確実だろうけど、そういうの描写しないで流されると、ペペロンチーノを知らない人が読んだら『パスタの一種』ってくらいしかわかんないんじゃないかな? って思ったら、この作品読者に優しくないんだな、なんて思っちゃって」


「なるほど」


 一応、自分が感じた違和感を言語化できたけど、彼女はあまり間を置かずに意見を返してくれた。


「でも、小説だと文字で世界を描く必要性から、どうしても無駄な描写はさ//(時間切れ)


 私自身、グルメをメインテーマにした小説は(記憶にある限り)読んだことないので何とも言えませんが、それ以外の小説だと結構ぼやけた描写が多いな、とは思っています。


『即興小説』で書ききれなかった部分でも言及したかったですが、いちいち描写していれば文字数がかさんで読みにくくなるだけなので、無茶を言っているのはわかってますけどね。大事なのバランスですから。


 その点、グルメがメインの小説だとさぞおいしいそうに食べ物を描写できているんだろうなとは思います。今後読むかは、私にもわかりませんけどね。


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