925回目 2021/9/24
今の高校って調理部とか製菓部みたいな文化部ってあるんですかね? 家庭科部で統一とか? 創作の中だとたまに見かけるんですけど、リアルな高校の部活には疎くて……。
一回目
お題『3月のドロドロ』
必須要素(無茶ぶり)『アメリカ』
文字数『1094文字』 未完
タイトル『煮詰まった失敗』
「うーん、やっちまったか?」
3月14日。
チョコレート業界の陰謀で始まったバレンタインデー。そのカウンター商法として生まれたホワイトデーが待ち受けている日。
前日に俺は義理チョコへのお返しとして、趣味でやってたお菓子作りに専念していた……が。
「下手にアメリカンなものに挑戦するもんじゃねーな。材料と時間が無駄になった気がする」
さっき焼き上げたのは、シンプルにクッキーだ。材料をこねて整形して焼くだけだから、比較的失敗が少ない。
だからこそ、調理前の俺は『なんか物足りない』と思ってしまった。
そこで下準備を終えてからレシピサイトを流し見していて、発見したんだ。
アメリカのレシピである、極彩色のケーキを。
原色で毒々しく彩られたケーキはお世辞にも食欲をそそられないが、見た目のインパクトは抜群だ。日本じゃお目にかかれない奇抜さは、無駄に調理意欲をそそられた。
思い立ったが吉日と、近くのスーパーで着色料になりそうなものを購入し、色鮮やかなクッキー生地を複数用意し、焼いてみたのがさっきまでの行動。
「で、出来上がったのがこれか……」
パキッ、と程よい食感と普通の味に仕上がった赤いクッキーを咀嚼する。
うん、見た目だけにこだわっちまったから、味が没個性で残念感が増した。
それに肝心の見た目も、マジで生地に絵の具をぶちまけたみたいな、お菓子というより工作作品みたいな印象が強い。食品サンプルみてぇ。
「これ、男から渡されて食えるか? こういう形のアロマとか言っても、押し通せそうな気もすんな」
我ながら笑えるが、それくらい食べ物っぽさから逸脱しているのだ。面白がってくれればいいが、ドン引きされたら今後の人間関係にも差し障りがある。
特別仲良くしたいってわけでもねぇけど、同じ製菓部に所属している仲間と距離ができるのはまずい。黒一点の身としては、ハブにされると非常に居心地が悪い。
「とはいえ、流石にもう新しいのを用意する時間もないし」
現在、夜の十一時。明日の予習復習や家事やらやってたら遅くなっちまったんだよな。
どうせバレンタインもホワイトデーも、製菓部にとっちゃ菓子作りの腕を確かめるイベントでしかない。
いわば、非公式の作品発表会みたいなものだ。非公式だからこそ気軽にできて、仲間に食べさせるから手は抜けない。
いろいろ考えて迷走した結果がこれとなると……部内の点数はそれなりに低いのを覚悟しといたほうがいいかもな。
「あー、こんなんするならデコレーションを凝ったもんにすりゃよかったか?//(時間切れ)
二回目
お題『名前も知らない野球』
必須要素(無茶ぶり)『高校』
文字数『1145文字』 未完
タイトル『いや、お前それ……』
「なぁ……俺、めっちゃ画期的な遊びを発明してしまったかもしれん」
高校生にもなって小学生みたいなことを言い出したクラスメイトに、少し心配になりながら話だけでも聞いてみることにした。
「そうか、うん、わかるぞ。勉強が大変だもんな。遊びに逃げたくなる気持ちもわかる。でもな? 年齢、考えような? 俺たち、来年で十八だぞ?」
「めっちゃ優しい声が逆にムカつくんだけど……? 別に勉強のストレスで頭やられたわけじゃないから」
「それじゃあ余計に重症じゃないか!!」
「大声で大ごとにしようとしてんじゃねぇよ!」
今は放課後だけど、それなりに同級生は教室に残ってたから、大勢の視線を感じる。
これで少しは、自分の言動の危うさに気づいてくれたらいいんだけど。
「っていうか、創作遊びとか考えて楽しいのか? 気が紛れるかもしれんが、絶対もっとやるべきことあるだろ」
「やらなきゃきけないことより、やりたいと思ったことをやる方が大事なんだよ。世の中、義務だけで動いてるわけじゃないんだから」
「何いいこと言った風な顔してんの?」
「まぁそれは置いといて、聞くだけ聞いてみてくれよ、俺が考えた遊び」
「……はぁ、それで気が済むなら、少しくらいは付き合ってやるよ」
どうせ暇だし。
「なんだよー、お前もなんだかんだ気になってたんじゃねーかよー。ったく、素直じゃない奴め」
「うっっざ」
「ルールはこんな感じ」
「いつ書いたんだよ?」
「授業中」
「だからこの前の中間テストで泣き見るんだよ」
服にしがみついて『勉強教えて!』って泣き叫んだの、忘れないからな。
あのせいで俺までバカの仲間入りと思われたんだから、マジでたまったもんじゃねぇ。
「えっと……は?」
「どうだ? 面白そうだろ? 団体球技で攻撃と防御を入れ替えるターン制。棒とボールと、あとは捕球用のグローブがあればいいんだ」
「いやこれ、やき」
「ただ、ちょっとまだルールが詰めきれていないのと、プレイするのに人数が必要になるのがネックなんだよな……まぁ、面白さは保証するぞ」
「そういう問題じゃなくて、これやきゅ」
「それに、このゲームの画期的なところは、何と打者がどこの方向に打ってもいいんだ!」
「ん?」
「前に飛ばすのはもちろん、後ろに飛ばしたりしても有効でエラーがない! どこの方向に打ったとしても、あとは走って出塁すれば誰にでもチャンスはある!」
「……いや、待て待て」
「そして、なんといってもこのゲームは超長期戦も可能なところだ! それこそ数日がかりでゲームを進めることも」
「待て!」
聞いていられなくなって、思わず大声で話を遮る。
「なんだよ、こ//(時間切れ)
この話は制限時間以内に『クリケット』のルールを思い出す、という別競技になっていました。なお、著者は本当のルールをほとんど知らない模様。




