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922回目 2021/9/21

『太宰治』の『人間失格』って読んだことないんですけど、メンヘライケメンが心中相手を探して女性をたぶらかす話でしたっけ? そんなイメージなのですが、使い方あってるかな……?


 一回目

 お題『経験のない血液』

 必須要素(無茶ぶり)『太宰治』

 文字数『1053文字』 未完


 タイトル『複雑なオトメゴコロ』


「……入院患者が読む本としてはどうなんだ?」


「太宰治は、相応しくない本だってこと?」


「『人間失格』がどんな人間か主人公か、知ってて聞いてるのか?」


 病室に入ると、カナメは思ったよりも落ち着いた返答をしてきた。


 もっと取り乱すかと思ったからその点は安心だが、読んでいる本が不穏でしかない。


 カナメが病院に運ばれたのは、リストカットによる失血が原因だからだ。


「それで? 死に損なった感想を聞こうか」


「自殺しかけた人間にかける言葉がそれ? アンタもなかなか、いい性格してるね」


「お前ほど歪んではいないつもりだがな。気分はどうだ?」


「最高、って言えたらもっと楽だったんだろうなって。実際は結構キツイかな。びっくりだよね。お風呂に張った水につけてたらさ、どんどん血が出ていくんだよ。意識も遠くなってくし、貴重な初体験だったよ」


「……そうか。空元気でも笑えるなら、まだマシだな。少し安心した」


「ふーん? 少しだけなんだ?」


「何を言わせたいのか知らんが、『人間失格』を熱心に読んでる人間に安心材料はないと思え」


「ひっど。ただの暇つぶしなのに」


 傍目から見れば朗らかに笑いながら、しおりを挟んで本を閉じるカナメ。


 だが、油断は一切できない。こいつはすでに、暇つぶしの感覚で自殺を実行に移している。


 家が隣同士の友人としては、こいつならいつ何をしでかしてもおかしくないと思えてしまうのが、頭の痛いところだ。


「ついでに、お前にはもう一つ初体験をしてもらったが、気分はどうだ?」


「ん? 別に何も……まさか、アンタ私の寝てる間にエッチなことしたんじゃ?!」


「は? いやしていないが、なんで自殺しようとした人間が貞操の心配で慌てるんだ? 普通は逆だが」


「それとこれとは別だから! まったく、女心がこれっぽっちもわかっちゃいない」


「わかっていたら、リストカットそのものを止めれていたから、悔いるところではあるんだろうな」


「ま、朴念仁に何を言っても無駄なのはわかってるから。それで? 私に何かしたの?」


 いつもの軽口から一転、妙に視線を鋭くさせたカナメ。猛禽類みたいな気配は、俺に誤魔化しを許さないと目で語っている。


 これが自分で死を選んだ人間の顔か、と半ば呆れながら自分にとっての小ネタを投入した。


「仰々しく言ったが、俺個人が何かしたわけじゃない。ただ、血をな」


「血?」


「お前に輸血された血の中に、俺が提供した血も入ってるっ//(時間切れ)




 二回目

 お題『楽観的な悪魔』

 必須要素(無茶ぶり)『悲劇』

 文字数『897文字』 未完


 タイトル『悪魔の遊び』


「……その女は誰? まさか、私より優先した用事がそれ!?」


「ま、待て! 誤解だ!」


「そうです! 私たちは、何でもなくて……」


「うるさい! そんな誤魔化しが、通用すると思ってるの?! 馬鹿にしないで!」


 とある研究所の個人研究室で、よくある男女のもつれ話が発生している中、建物ごと見下ろせる空中に二人の青年が直立し、または座っていた。


「いい趣味をしているな。嫉妬を増幅させ、事実から目を背けさせたか」


「人聞きが悪いなぁ。僕が見せたのは真実だよ。彼女が信じたい、ね」


 直立している方の青年が、少し下の位置で空中に腰かけている青年を見下ろす。


 視線に感情はなく、無表情を保つ姿は威圧感がある。


 が、座ったまま視線を合わせ、青年を振り仰ぐ座した方の青年は、満面の笑みを浮かべていた。


「人間が僕のような悪魔を頼ったんだから、よほどのことかと思ってみたら、単なる浮気調査だったよ。だからさ、手を貸してあげたんだ。浮気に見えるように、場とタイミングを調整すれば、ほら、彼女が見たいものを見ることができる。それが、今回の契約者にとっての真実になるんだから、僕は契約を反故にした覚えはないよ?」


「『契約者が知りたいことを、悪魔なりのやり方で教える』か。確かに、事実をありのままに教えるとは言っていないな」


「でしょ? 悪魔との契約は厳密に、具体的に、デメリットが生じないよう交渉する術が必要なのに、その手間を惜しんだんじゃ求めた答えなんて得られない。まぁ、交渉の場ではお互いに公平なんだから、僕たち悪魔の側も注意しないといけないけど」


 ケタケタと笑う契約悪魔は、友人の悪魔にイタズラの種明かしをするように語った。


 無表情だった悪魔は、それに何の反応もしない。今、下で刃物を取り出した女は確かに、悪魔との契約を甘く見た愚か者だ。


 同情の余地はないし、庇うほどの義理さえない。


「しかし、皮肉なものだな。愛する者への贈り物を選んでいただけだのことが、こうして刃傷沙汰に発展するのだから」


「人間なんてそんなもんでしょ。あ、ほら。女の子の友達がさされたよ//(時間切れ)


 そういえば、十代は半々の割合で『悲劇』のプロットも書いていたのですが、最近は小ネタでも『悲劇』は書かなくなりましたね。


 せいぜいがハッピーエンド想定の長編に組み込む個別エピソードくらいで、メインで『悲劇』は扱わなくなりました。年齢のせいにしておきましょう。


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