914回目 2021/9/13
『税理士』って、具体的にどんなお仕事なんでしょうか?
中学で親しくなった同級生の親がそうだった記憶がありますが、当時は親の仕事の話なんてしませんでしたし、自分の就職関連でも調べなかったので謎のままです。
一回目
お題『夜と税理士』
必須要素(無茶ぶり)『傘』
文字数『986文字』 未完
タイトル『悪いのは要領』
「ありがとうございましたー」
コンビニ店員の声を背中に、自動扉を潜った俺は傘を開く。
今日の晩飯を選んでいる間に降ってきたらしい。ちょっと前までは暑苦しかったほどなのに、雨が冷たくなってきたのは喜ぶべきか悲しむべきか。
「これからまた、事務所に戻って残業か」
ビニール袋に入れた夕食を腕からぶら下げて、徒歩数分の往路を戻っていく。
日はすでにとっぷりと落ち、雨雲のせいで星空なんてのも見えやしない。
職場に帰ったところで、溜まりに溜まった書類仕事が山となって待ち受けているだけだ。他の同僚はみんな帰宅してるし、孤独な作業になるだろう。
「はぁ……税理士って、こんなに仕事があるもんなんだな」
正直、資格を取れば適当にやってても収入が得られる、楽な仕事だと思っていた。
まさかこんな、毎日忙殺されるくらいの仕事量に埋没していくなんて、想像もしていなかったよ。
いや、俺の要領が悪いだけか? 他の税理士仲間はみんな、定時に上がって帰れてるわけだし。
「……まさか、他の奴らの仕事も押し付けられてるだけ、とか?」
背筋が寒くなる想像を、首を振り回して頭から追い出す。
少しでも楽な仕事を、と思って自分の能力に見合った職場を選んだのに、それでも過労死なんてしたら洒落にならん。
ひとまず、俺に割り振られた仕事量が適切かどうか、明日あたりに上司と掛け合ってみよう。
だって、同僚はみんな余裕そうに仕事してんのに、俺だけなんでこんな死にそうになってんの? やっぱ冷静に考えておかしいよ。
「いざとなったら、一人労働争議でも起こしてやるか。最悪、辞めよう」
転職活動はキツいかもだが、このまま残業に殺されるよりはマシだ。
生きるために仕事してんのに、仕事のために死ぬなんて馬鹿らしい。
オーバーワークで鈍った頭でも、生きるか死ぬかの判断くらいは残っていて何よりだ。これで、仕事を適度にサボるだけの柔軟性もあったら、言うことなかったのにな。
「さて、仕事するか」
事務所に戻ってきて、いつものデスクに腰掛ける。
書類が文字通り山積みになっていて、PCには途中まで打ち込まれた数字がずらり。
せめて、同僚が出社するまでには寝ときたいところだ。
時代に逆行したサービス残業を行いながら、俺は今日もしゃかい//(時間切れ)
二回目
お題『汚い慰め』
必須要素(無茶ぶり)『文を動詞の現在形で終わらせない』
文字数『719文字』 未完
タイトル『汚泥の道』
「君が悪かったわけじゃなくて、きっと運が悪かったんだ」
あの時の私の慰めは下手くそだった。自分でも気づくくらいだから、あの子もそう思っていただろう。
加害者の犯した罪の重さはどうあれ、犯行の原動力を与えたのは、間違いなくあの子だった。
なんてことはない、どこにでもある話。
あの子はいじめっ子だった。昔からずっと、誰かをいじめて自分の立ち位置を確認するような子どもだった。
それが、どこにでもある話じゃなくなったのは、いじめられっ子が反逆したことだ。
それも、あの子個人ではなく、あの子の家族を狙うと言う形で。
想像もしたくないよ……家に帰ったら、家族と家が燃えていた、なんて。
元いじめられっ子たちは、すぐに捕まった。動機はどうあれ放火殺人は重罪だ。いじめっ子だったあの子とは、もう顔を合わせることもないだろう。
だからこそ、あの子は抜け殻になった。いじめをしていたとはいえ、家族を全員奪われるほどの悪事を働いたわけじゃない。
責められる罪と、襲いかかった罰が、明らかに釣り合っていなかった。それに気づいていなかったのは、放火犯たちだけだった。
「君はこれから、どうするつもりかな? また前みたいに生きるかい? それとも、やり返す方法を考えるかい?」
私は、彼のはとこにあたる遠い親戚だった。とはいえ、学生であるあの子と違って、私はもう成人した社会人だ。
不良未満の悪ガキだった抜け殻に、少し道を示すくらいには年の功を積んでいた。
「どう生きるのも君の自由だけど、自分に正直な生き方をすることをオススメしたいかな。大人はね、他人と自分に嘘をついて生きるしかできなくなるんだよ」
//(時間切れ)
前日の投稿でもそうでしたが、無茶ぶりの中でも『文を動詞の現在形で終わらせない』みたいな禁止系、めっちゃやりづらいです。
言葉に意識が持って行かれるので、ストーリーを気にする余裕がありませんし。頭を無駄に使っている気がしてしんどい……。




