910回目 2021/9/9
大学生時代、友人たちと長崎や福岡へ旅行に行ったのを思い出しました。インドア上等な私をその気にさせてくれた友人たちには、今でも感謝しています。
一回目
お題『元気なオチ』
必須要素(無茶ぶり)『九州』
文字数『887文字』 未完
タイトル『欲望から学びたい』
「はい、じゃあ今度の修学旅行で自由時間をどうするかだけど、何か案がある人ー?」
「中洲ー」
「中洲ー」
「中洲ー」
「歓楽街じゃねぇか! お前らそこで何する気だ?!」
高校の修学旅行で福岡に行くことになり、自由時間の予定を立てようと思ったらこれだ。
まぁ、そんなに多くの時間が取れるわけじゃないから、あまり遠くにも行けないしルートも制限がある。
でもだからといって、学生の修学旅行で歓楽街は普通にアウトだろ。
「えー、でも行ってみたいじゃん。ほら、こっそり行けばバレないって。それにお酒も飲まなきゃいいんだし」
「雰囲気を味わうとかじゃなくてがっつり店に入る気だな?! ってか女子が何言ってんの?!」
「あ、ほら! オネエの人がやってるお店があるんだって! こういうの興味あったんだー」
「俺も行ったことないから知らんけど、高校生にはまだ早い世界じゃないですかね?!」
「まぁまぁ、そう固いこと言うなよ。俺らは、な? 大人の階段、登っちまおうぜ?」
「未成年は普通にアウトだろうが、法律的に!!」
こいつら……屋台の食べ歩き程度なら納得したのに、よりディープな方を好んで選びやがって!
じゃんけんで負けたから班のリーダーになったが、こいつらに任せなくてよかった! 犯罪者の片棒を担ぎたくない!
「ちょっと、頭硬くない? 硬くすんのは下半身だけにしときなよ?」
「華の女子高生がおっさんみたいな下ネタ使ってんじゃねぇよ! っつかなんで止めねぇんだよ、女子とかこういうの不潔とか言って嫌うだろ?!」
「別に、どうでも。男子……ってか男ってそういう生き物って知ってるから。私が止めたところでやるやつはやるんだし?」
「お、おう……」
か、顔に影が差してんぞ? なんでこんなところで、クラスメイトの闇っぽい部分の流れ弾食らわなきゃならないんだ?
「ちょーっと先生に黙ってくれるだけでいいよ。そういうのも込みで、オネエの人に相談しに行きたかっただけだから。ほら、テレビのイメージだと人生経験豊富そうで、話聞いてくれそうじゃない?//(時間切れ)
二回目
お題『小説家の復讐』
必須要素(無茶ぶり)『右の上履き』
文字数『905文字』 未完
タイトル『黒歴史の価値』
『はい、原稿のデータ確認しました。チェック入れますんで、修正もお願いしますね』
メールで送ってから電話でも編集に確認を取ってから、通話を切って椅子の背もたれに体重を預ける。
小説家って、思った以上にキツい仕事だと気づくのは早かった。俺が書きたいものよりも、読者が読みたい売り物を書くんだから、意識が違うのは分かっていたはずなのに。
学生時代からずっと、文芸部に所属したりしながら小説を書いてきた。
当時はただの現実逃避だったけど、こうして仕事にまでなっているんだから、無駄じゃなかったんだと思いたい。
「……はぁ」
変なことを思い出してしまった。
長いこといじめにあっていて、毎日しんどくて、現実逃避に小説を読み始めて。
量を読めば自分でも書きたくなるもんで、今から見たら黒歴史確定な内容を家でも学校でも考えて書き続けて。
そんな、いじめっ子への恨みつらみを載せたクソみたいな小説が、俺のデビュー作の原案になった。
誰も気づいちゃいないだろう。あの作品が、俺の学生時代への復讐だって。
思い返せば、俺へのいじめはまだマシだったんだなとは、思う。
座ろうとしていた椅子を引かれたとか、上履きの右側だけゴミ箱に捨てられてたとか、教科書を燃やされたとか。
直接的な暴力もないわけじゃなかったが、万引きみたいな犯罪の強要とか、カツアゲみたいなことはされなかった。
不幸中の幸い、って言っていいのかはわからない。たとえ下には下があると言い聞かせても、あの時に刻まれた辛さも悔しさも恨みも消えない。
「シリーズになって、何作書いても、全然スカッともしないんだしな」
自分でも校正しておくか、とパソコンで立ち上げたのはさっき編集に送ったばかりの初稿。
恨みつらみだけで書いた、デビュー作の5巻。商業用にマイルドになった内容は、それなりの人に受け入れられているようで売り上げもまぁまぁあるらしい。
「原本は、絶対世に出せないな……」
時々、ネタに困った時に読み返すけど、あれはガキの妄想でしかない内容で、ただただ憎いやつを拷問するだけのひどいはなしだった//(時間切れ)
私の場合、昔から暗い話のプロットを書くことが多かったですが、いじめとかはありませんでしたね。
勝手に萎縮して、勝手につぶれてました。それがよかったかはさておいて。




