893回目 2021/8/23
私はアウトドア趣味が一切ないので、創作系で見たシチュエーション以上のことは語れません。たぶん。
一回目
お題『100のドア』
必須要素(無茶ぶり)『ご飯』
文字数『1009文字』 未完
タイトル『奇妙な別荘』
「広い、長い、多い!!」
私は今の自分が抱える最大にして最悪な気分をぶちまけた。
この別荘、無駄に広すぎる。
廊下は軽く徒競走ができそうなほど長いし、部屋数なんてゆうに100は超えている。
だというのに、別荘の構造に精通した使用人が数名しかいないため、客人につき一人をつけられるだけの余裕もない。
だから、私は晩餐の時間になっても一人で部屋を出て、屋内を走り回り、食堂への扉を探し回る羽目になっている。
「せめて地図くらいよこしなさいよ……気が利かない!」
もはやいくつめの扉を開けたのか、自分でもわからなくなるほどドアノブを回している。
そもそも、この屋敷は客間が多すぎるのだ。
どこぞのホテルでもあるまいに、なぜ個人所有の別荘に100以上もの部屋が必要になる?
普段住まいにしないとはいえ、いくらなんでも構造そのものが不便すぎないだろうか?
「……まぁ、山で道に迷っただけの私たちが文句つける立場じゃないけど」
この山には大学のサークルのレクリエーションできていた。気楽なハイキングのはずだったのに、事前に調べた天気予報にない濃霧に遭遇したのが運の尽き。
先輩たちとはぐれてしまい、近くにいた私を含む五人一チームが完全に迷子となるのに、時間はかからなかった。
日帰りの予定だったため、食料もほとんど持たないまま山中を歩き回り、運良く見つけたのが今いる屋敷。
使用人だかなんだか知らないけど、管理してる人がいて良かったと思ったのは最初だけ。
この不便さの前では、ありがたさよりも面倒臭さの方が強くなってしまう。
「お腹減った……そうだ、食べ物の匂いを感じ取れば、あるいは!」
あまりの空腹に思考回路がやられたらしく、私は本気で屋内に漂う食べ物の匂いを嗅ぎ分けるべく鼻を動かした。
そもそもこれだけ広ければ匂いも分散するだろう、なんて考えは餓えの前では霧散するだけだった。
「ってか、こっちはグループだったんだから、メンバー全員近くの部屋に置いてくれたらいいのに」
何故か私たちは別々の部屋に案内され、しかも互いの部屋の場所を教えられなかった。
別荘に着いたのが日暮れ前で、荷物を落ち着けたのが七時過ぎ。
それまでにした行動は、別荘の管理人の後についていき、部屋の設備の使い方や注意事項を聞いたくらい。
別荘内をぐるぐる回って、//(時間切れ)
二回目
お題『犯人はお金』
必須要素(無茶ぶり)『鍋』
文字数『1058文字』 未完
タイトル『主食は雑草』
うちは貧乏だ。
毎日の食事が、そこら辺に生えてる草を洗ってぶち込んだだけの野草鍋しか出てこないくらい貧乏だ。
お腹が空いた……炭水化物と脂質が食べたい。
そんなささやかな願いさえ、嘲笑うかのように出てくるのは野草ばかり。
どうしてうちは貧乏なのか? どうして私は空腹なのか? 私はどこからきて何をするのか?
わからないことづくしの人生だけど、一つだけ確かなことがある。
「ぜんぶ、おかねがわるい……」
「どうした? ついに頭がおかしくなったか?」
近所で有名な幽霊屋敷と言われている空き家に住み着く私たち。今は私と兄ちゃんしかいない。
兄ちゃんも同じくらいお腹減ってるはずなのに、なんか平気そうにしているのが腹立つ。
「死んだら、お肉ちょうだい」
「そうか、兄ちゃんの屍肉を食べ物にするくらい飢えてるんだな。可哀想に。お前が死んだらお前の肉くれな」
「……きちく! ひとでなし! ごーかんま!!」
「どこから覚えてきたそんな言葉?」
あぁ、叫んだらまたお腹が……ひもじい。
それもこれも、うちに居着かないお金が悪い。
お金があったらご飯も食べられるのに、お金がないからご飯も服も家もない。
そもそも、お金なんてものがあるから、私たちは貧乏なままなんだ。
いっそお金なんて無くなっちゃえば、貧乏も裕福も無くなるんだ。
「この世からお金が消えて無くなればいいのに……」
「さっきからやたらと貨幣経済を批判してるが、金に恨みでもあんのか?」
「……知らないの? この世にお金があるから、うちは貧乏なんだよ?」
「うん、枯れ木に空いてるウロみたいな目で見んのやめろ? 本気で正気を疑いたくなるからな?」
にいちゃんなにいってるかわかんない。
「焦点ぶれてんな……ほら、これでも噛んでろ」
「ごはん?!」
「いや、雑草」
「……私は飼育小屋のうさぎ以下か!」
「とかいいつつ食ってんじゃん」
もそもそと噛む味はいつもと同じ苦くて臭い。
一応、人間が食べても大丈夫な草を選んで採っているらしいから、お腹を壊すことはないだろう多分。
本当に虫にでもなった気分で、ひたすら噛み続けると苦味すら消えていく。
「……あーあ、私の人生もこれくらい苦味が薄くなればいいのに」
「達観してんなぁ……学校にも通えない小学生のくせに」
「そういう兄ちゃんも家なし中学生じゃん」
親はいるけど、今は公園で雑草拾いをしているころだろう。
//(時間切れ)
また裕福とはいえませんが、まだ雑草で食いつなぐほど困窮もしていないのは運がいいと思います。




