887回目 2021/8/17
親戚の集まりが年齢を重ねるごとに億劫に感じる自分がいます。
一回目
お題『8月の祖母』
必須要素(無茶ぶり)『十字』
文字数『1034文字』 未完
タイトル『帰省の居心地』
古臭い街並みの十字路を右に曲がれば、祖父母の家があった。
夏休みのお盆。父方の祖父母の里帰りとして、毎年親父に連れられて帰省していた。
ただし、母親と妹は一緒じゃない。母方の実家に身を寄せているからだ。折り合いが悪いわけじゃないらしいけど、単なる役割分担にしては毎年同じ流れなのは気になる。
「ただいま。またお世話になるよ」
「おかえり。ゆっくりしていきな」
親父とばあちゃんが話している横を通り過ぎ、居間でテレビを見ていたじいちゃんに会釈する。
軽く頷いて返事をもらってからは、座布団を枕がわりにして扇風機の風をもらい、ゲーム機を起動する。
仲が悪いわけじゃない。けど、何を話せばいいのかわからない。たぶん、関わりが薄い人と、どう接すればいいのかわからないんだ。
母さんのとこに行った妹はどうなんだろう? あいつともあまり話さなくなって久しい。
俺、人見知りは人見知りだけど、家族相手にもそうだったとは思わなかった。人と話すのは、正直苦手だ。
じいちゃんが見ているテレビも、だいたい相撲が野球で俺は興味がない。スポーツ全般も苦手だから、面白さがわからない。
「スイカ食べる?」
無言でゲームしてたら、ばあちゃんがスイカを切って持ってきてくれた。
やっぱり声は出さず、小さく頷いてゲームをポーズ画面にして横に置いた。
「遠くから疲れたろ? いっぱい食べて休んでいきな」
添えられたスプーンで果肉をさらい、しゃくしゃくと口の中で音が鳴る。
ずっと無口で表情が変わらないじいちゃんと違って、ばあちゃんはいつもニコニコしていて人懐っこい。
たぶん、じいちゃんと一緒に暮らしているからか、俺の無愛想な態度も気にしないでいてくれる。
俺も、このままでいいとは思っていない。でも、変わり方がわからない。
いつの間にかこうなっていただけで、俺だってこうなりたかったわけじゃない。
みんなに好かれるような、活発で、人付き合いのいいやつに、なれるのならなってみたい。
しゃくしゃくとスイカが口の中で溶けていく。がり、と砕きかけた黒い種を皿の上にぷっと出した。
顔を上げると、親父とばあちゃんが話をしていて、じいちゃんは相変わらず動かない。
親父との帰省は、いつもこんな感じだ。俺とじいちゃんが親子みたいで、好き勝手やってる横を残りの二人で笑いながら話している。
なんでだろう? 俺はそれに、かつ//(時間切れ)
二回目
お題『騙された雨』
必須要素(無茶ぶり)『文末はすべて「!」』
文字数『464字』 完結
タイトル『うるさい!』
ザァーザァー!
「……うるさいなぁ!」
ようやく日曜で仕事が休みなのに、朝から雨がうるさいったら!
せっかく気持ちよく寝てたのに、なんで目覚めがこんな最悪かなぁ!
「あーもー!」
イライラが止まらなくて、掛け布団をガバっ! と頭までかぶって、思いっきり耳を塞いでガード!
私は今日は休みなの!
普段は寝る時間もないんだから、寝溜めくらいさせてよ!
ザァーザァー!
……ぜっんぜんやまないし!
どうせ通り雨なんでしょ?! 一回気になったら意識しちゃうんだから、すぐ通り過ぎてよ、もう!
ザァーザァー!
「……いい加減に!」
眠気とイライラで、思わず布団を蹴飛ばした!
何ができるわけでもないのに、何かに文句をつけてやろうと首をぐるんぐるんと回して睨む!
……と、ようやく雨音の正体がわかって、叫んだ!
「砂嵐じゃねぇか!!」
思わず近くにあったリモコンを投げつけ、灰色でザラついた画面を晒し続けるテレビに八つ当たりした!
誰だよ、テレビつけっぱなしで寝たやつ!!
そういえば砂嵐って最近テレビで流れてるんでしょうか? 調整画像と『ピー』音はよく目にするんですけど。




