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886回目 2021/8/16

 なるべく借金をしない人生を送りたいものです。


 一回目

 お題『不本意な夕飯』

 必須要素(無茶ぶり)『扇風機』

 文字数『962字』 未完


 タイトル『兄弟二人と臭い飯』


「……においが酸っぺぇ」


「我慢しろ、食わなきゃ腹は膨れねぇぞ」


 たぶん日遅れしたもやしの炒め物を食べながら、兄貴は皿に視線を落としたまま。


 エアコンなんて上等なものはなく、真夏のクソ暑い部屋の中で回ってるのは扇風機だけ。


 入ったことねぇけど、少年院の中の方がまだマシな生活なんじゃねぇかと思っちまう。


 相変わらず晩飯は貧相なもんだけ。白米なんて、いつ食べたかも覚えてねぇ。


 それもこれも、クソジジイが残した借金のせいだ。


 ピンポーン。


「……兄貴」


「ちょっと待ってろ。話つけてくる」


 この時間に鳴るのは、借金取りの奴らだ。


 それがやかっていて、兄貴はいつも取り立て屋と一人でやり合っている。


 もう残された唯一の家族。頼りっぱなしで悪いと思っているが、まだ中坊のガキでしかない俺ができることは少ない。


「おい、金は用意できてんだろうなぁ?! こっちたって慈善事業じゃねぇんだよ! 借りたもんは返すのがこの国の決まりだろうが!!」


「法外の利率ふっかけといてよく言うぜ。俺らにたかるより、高跳びしたクソ親父を見つけ出す方が早いんじゃねぇの? いい年齢した大人が、情けねぇったら」


「んだとこら!? ぶっ殺されてぇかクソガキ!!」


「やってみろよ。ちなみに、お話しすんのはあんたで五人目だ」


 大きくはないけど、聞いているこっちが寒気を覚える兄貴の声に、取り立て屋のおっさんが黙った。


 兄貴はすでに四人、取り立て屋と用心棒を病院送りにしている。


 兄貴はとにかくケンカが強かった。いや、もしかしたら殺し合いでも強いかもしれない。


 それくらい肝が座っていて、腕っ節が強くて、普通にケンカっ早かった。


 だが、俺とはマジのケンカをしたことがない。弟だからって手加減されてんのか、本気を出すまでもないのかわからないけど。


 それに兄貴は、俺にケンカをするところを見せたがらない。声だけは聞いたことあるけど、最後はたいてい、相手側が命乞いしててマジでビビった。


 最後に兄貴のケンカを見たのは、たしか小坊の時だったか。当時、高校生の兄貴がガチのヤクザにブチギレして十人くらい殺しかけたのを目の当たりにしたんだ。


 そん時もクソジジイの闇金関連で、たまたま下向して//(時間切れ)




 二回目

 お題『正しい別れ』

 必須要素(無茶ぶり)『扇風機』

 文字数『970文字』 未完


 タイトル『当たって砕けて』


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 出し切った。


 動けない。


 クッションマットの上で大の字に寝転ぶ俺は相当間抜けで邪魔だろうが、しばらく立ち上がることもできないんたから仕方がない。


 成果もあげられない高校の柔道場にエアコンなんて上等なものはなく、無駄にデカイ扇風機が換気の風を送るだけ。


 汗は止まらず、熱は柔道着にこもる一方。どんどん汗は吸われていき、のちの洗濯が面倒そうだ。


「いつまでそうしてるの?」


 上から声が降ってくる。


 さっきまで組み手をしてくれていた、女の先輩。


 インターハイも終えて、今年卒業する、好きな人。


「すみません……今ちょっと、失恋で立ち上がれなくて」


「そんなことで立ち上がれないなら、柔道やめちゃえば?」


 思いっきり振ってくれた先輩は、やはり辛辣な言葉を突き刺してきた。


 告白したのはさっき。答えが出たのは今。


 先輩は言った……『自分から一本取れたら付き合ってあげる』と。


 そして、体力の続く限り挑戦して、体が動かなくなるまで負け続けたのだ。


 先輩は今年、インターハイで優勝した。対して、俺は地方予選二回戦敗退。それだけの実力差があった。


 無謀な挑戦だったのだろう。でも、可能性をゼロにしない限り、見込みが完全に消えない限り、諦められなかった。


 だから、今はっきり可能性がなくなって、悲しいのにスッキリしている。


「柔道は、続けますよ。楽しくないし、失恋の傷は深いですけど、やめたらそれこそ負け犬じゃないですか」


「そう。別にどっちでもいいけど、私を言い訳にしないでね。普通に気分悪いから」


「ははは、了解です」


 ここでようやく、天井から先輩の方へ視線を向けた。


 俺のことは放置で、もう帰り支度をしている。そりゃそうか、受験勉強もあるんだし、無理言ったのはこっちだし。


「じゃ、片付けは任せるよ。私、勉強あるから」


「お疲れ様です」


 こうして、最後まで色気のある展開がないまま、俺の告白劇は幕を下ろした。


「本当なら、引退したその時にはもう、他人だったんだよな……」


 そう考えたら、最後にいい思い出をくれた、なんて考えるのはキモいかな。


 いや、口にしなければ綺麗な思い出にできそうだ。先輩の優しさだった、とおもっておこう。//(時間切れ)


 そして地味に無茶ぶりが『扇風機』でかぶるという奇跡。連続で書いたかまでは覚えていませんが、たまにこういうのがあるので面倒です。


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