885回目 2021/8/15
たった『15分』で『繊細な心理描写』とか、難しいにもほどがありますよ、えぇ。
一回目
お題『大人の草』
必須要素(無茶ぶり)『繊細な心理描写』
文字数『1109文字』 未完
タイトル『失踪念慮』
さくっ、と靴底に擦れた草が音を立てる。
何度も、断続的に、俺の歩調に合わせて。
「あっちぃ……」
帰ってきた田舎は、あの頃とちっとも変わってなくて、うんざりして、懐かしかった。
歩く。見渡す限り田んぼばかり。舗装された道路も少ないくらいのど田舎が、昔は嫌だったっけな。
今はどうだろう? 都会に出て、スーツを着てネクタイを締めて、息苦しさしか覚えなくなって。
都会はみるみるうちに景色が変わる。懐かしさを覚える暇もないくらい、あっという間に俺を置き去りにしていく。
それに、都会に適応した奴も、また。子どもの頃はみんな平等とかのたまってたのに、大人になった途端に遅れていくやつは捨て置かれる。
同じ人間なのに、子供と大人でこんなにも扱いが違う。当たり前か? 本当に?
「……まぁ、ねぇよな」
祖父母が暮らしていた家の跡地には、もう何もなかった。
じいちゃんもばあちゃんも、亡くなったのは俺が中学の頃だ。土地も家も処分して、十年以上経っている。
それでも、ここは故郷だ。ガキの頃、よく世話になっていたから、俺にとっては、故郷で家だった。
「本当、俺ってずっとビリッケツだよな」
また、重い足を前に運ぶ。
思い出にも追い越されて、自分の居場所が本格的にわからなくなってきた。
社会も、家族も、記憶も。
みんな俺を置いていって、一人にしていく。
カラスが鳴いて飛んでいった。あいつらは、なんて言ったんだろう?
田舎の道を、歩く。歩く。歩く。
誰もいない、過疎化した限界集落は、かつて住んでいた俺を異物にしていく。
通勤カバンを持って、スーツの上着を腕に持って、ノリのきいたシャツを着ている俺は、こんな場所には不必要な人間だ。
それに、本来しなければいけなかった仕事も、都会の街に残してある。
ここにきたのは、衝動的な発作だった。
いきなり、そう、どこかに消えたくなった。そのくせ、誰かに見つけてほしかった。
「ははっ、なんだそれ……」
自分の思考に笑ってしまう。
寂しいんだろうか? 悲しいんだろうか?
自分のことも麻痺するくらい、道に迷ってしまっている。
自殺も、しんどくてやる気が起きない。死にたくないけど、生きる理由がない。
ただ惰性で生きて、何も楽しくない毎日を過ごして、何も変えられない自分に絶望する。
家族も頼れない。頼る気がしない。親は、俺にとっては単なる肩書きでしかない。
だから、家族も持たない人間なんだろうか? 恋人はいたけど、結婚は考えられなかった。
一人だ。いまもずっと、//(時間切れ)
二回目
お題『明日のオチ』
必須要素(無茶ぶり)『アメリカ』
文字数『841文字』 未完
タイトル『読めない動き』
明日は明日の風が吹く……とは言っても、今日この時のしんどさは本物だ。
確かに、一日とて同じ日が来るなんてありえない。過程も結果も、些細な違いが大きな変化をもたらすもので、日々は流動的に流れていく。
だから今日失敗しても、明日成功すればチャラになる。そんな考えも、わかる気はする。
でも、所詮気がするだけで、気持ちを簡単に切り替えられるほど、僕という人間は臨機応変に生きられない人間だった。
「あー、やらかしたぁ」
アメリカで上場したばかりの企業に投資し、読みが外れて大損した。
さっさと売却したいのに、もうこっちからは手が出せずどんどん株価が下がっていく。
見込みで投入した資金がどんどん消えていくのを、もう死にたくなるくらいの気持ちで見つめていた。
「他にも資金を分散して投資してるとは言っても、大負けしたらキツいって……」
独り言がいやに響く。頭の中だけか、それとも部屋の中で響くほど大声だったのか。
昨日は全部の株価がプラスで終えられただけに、次の日の大損が余計ボディにくる。
「大負けした日からは、あんまり勝てる気しないんだよなぁ」
別にそういうデータがあるんけじゃないが、ジンクスのようなものはある。
僕の場合、負けたら負けっぱなしで数日は確実に地獄を見るのだ。
逆に勝てたら勝ちっぱなし……なんてことがないのは遺憾だよ、本当に。
少なくとも、明日のオチも今日と同じようなテンションになるだろう。
今までの経験が、こういうところで出てきてしまっても嬉しくないけど。
「時間、巻き戻らないかなぁ……?」
せめて、この会社の銘柄を買わずにすむだけの過去には戻りたい。負けは負けで受け入れるが、悔しくないわけじゃないし。
株式運用をするんなら、どうせならプラスにしたい。マイナスになったら、気分もマイナスになるんだから。
「もういいや……寝よ」
しばらくパソコンの前で自失していたが、我に帰ってとびら//(時間切れ)
それに『明日のオチ』と『アメリカ』でなぜ株式運用を選択したのか? 当時の私は、発想が変な方向に飛んでいましたね。




