表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
881/1238

882回目 2021/8/12

 実際、こういうのが出てきそうだと思ったことはあります。


 一回目

 お題『小説の中のジジィ』

 必須要素(無茶ぶり)『胸キュン』

 文字数『1005文字』 未完


 タイトル『高齢化ラノベ』


 ……小説もついにここまできたか。


「あれ? 何読んでんの? ラノベ?」


「おう……『最強のジジイ世直し列伝』だ」


「何その物理攻撃力を搭載した水戸黄門みたいなタイトル?」


 高校の昼休みにブックカバーなしにラノベを読める鋼のメンタルを持つ俺でも、この本はカバーが欲しくなった。


 だって、挿絵のほぼ全部にジジイが出てくるんだもん……主人公だから当然かもしれんが。


「いつも本屋で買うんだけど、ひときわ異彩を放つタイトルと表紙絵に釣られて買った。意外と面白かった」


「聞いてねぇよ。でも、ラノベだろ? 主人公がジジイって……面白いのか?」


「ネットじゃ散々対象年齢が高齢化してるだのなんだの言われてるけど、この本を読んだら納得しかけちまったな……ジジイがただ無双する話だし」


「メイン購買層が還暦超えたのかラノベ……売れてるならいいんじゃないか?」


 同級生の中では理解がある男友達に、それでも苦笑しか返せない。


 かつては十代から二十代がメインターゲットだったジャンルも、すっかり高齢化社会に飲み込まれたのだと思うと寂しくなる。


「どう言うストーリーだったんだ? 主人公の年齢に合わせて、ヒロインも婆さんだったりすんの?」


「いや、孫から私の離れた女の子を助けてモテてる」


「うわぁ、キッツイ」


 だよな、そこは俺も思った。


「でも、なぜか無駄にジジイが格好いいんだよな。ハードボイルドっていうか? 正直、年齢設定を無理のない範囲にすればもっと没入できたと思う。それくらい、ジジイ押しが邪魔だった」


「そこまで言うか」


「言うよ。なんかよくわからん武術で敵を倒した後で、肩に湿布貼って決めポーズした後にぎっくり腰だぞ? 余韻もクソもありゃしない」


「……それ、本当に格好いいのか?」


「疑問に思う気持ちもわかるが、キャラクターそのものはイケメンなんだよ。これが三十代とか四十代の渋いおっさんだったら、俺も胸キュンしてたかもしれない」


「今どき胸キュンとか誰も言わねーぞ? ジジイ本の影響で語彙まで昭和に戻ってんじゃねーか?」


 少し言いすぎだろ、こいつ。


 まぁ、次はもう少し若い層が出てくる作品を読もうとは思った。


「良ければ貸してやろうか? 年齢設定以外はオススメだぞ?」


「あー、やめとくわ。俺も今読んでるラノベあるし」


「へぇ、どんなの?」


「//(時間切れ)




 二回目

 お題『左のダンジョン』

 必須要素(無茶ぶり)『囚人』

 文字数『970文字』 未完


 タイトル『選択肢』


「うーん……」


 ゲーム画面に映し出された選択肢に、迷いに迷って唸り声をあげる。


 ロールプレイングのテレビゲームを進めて中盤、とあるダンジョンの前で二択を迫られていた。


 右か、左か。


「隠しダンジョンなのはわかってるけど、なんで両方とも行かせてくれないんだよ……どっちにも魅力的なボーナスがあるのに」


 そう、俺が進めたのはメインストーリーではないサブクエスト。


 寄り道ではあるんだが、仲間キャラの大幅強化イベントが控えているダンジョンだった。


 右を行けば、終盤に天使へと種族を変えるキャラクターの強化装備が手に入る。それも、ラスボスを倒した先のクリア後のコンテンツでも役に立つ貴重なアイテムだ。


 対して左のダンジョンでは、終盤にストーリー上で明かした罪により囚人となってしまうキャラの強化装備が入手できる。


 こちらも天使キャラと勝るとも劣らない大幅強化を得られるのだが、背景からも察せられるように属性や性能が正反対なのだ。


「右は防御と回復特化、左は攻撃と回避特化……どっちでもストーリー攻略には有益だし、どっちも欲しいけど……」


 このダンジョン、チートコードでも使わない限り一回しか挑戦できないのだ。


 右か左か、それによって今後のプレイスタイルにも影響が出てくる。


 俺はがっつりネットで攻略法とか見るタイプだが、実際にプレイした感触までは載っていない。


「……よし、決めた!」


 悩みに悩んだ挙句、俺は左のダンジョンを選択した。


 どっちがより楽しそうか? と考えた時、俺の好むスタイルが超火力によるゴリ押し戦法だったからだ。


 耐久戦法も嫌いじゃないが、結局戦闘に時間がかかってしまう。なら、良くも悪くも短期決戦でわかりやすい攻撃特化の方が俺らしく思えた。


「本当は両方試せたら言うことないんだけどな」


 鍛えたキャラを動かしながら、攻略情報を読み切ったダンジョンの中を進む。


 程なくして、隠しダンジョンのボスを撃破し、キャラ専用の装飾品アイテムをゲットできた。


「よし……そろそろキリもいいし、一旦セーブして続きはまた今度やるかな」


 セーフティエリアまで移動し、セーブしてからゲーム機の電源を切る。


 一つ大きく伸びをした後、扉を開けて部屋の外へ出た。


「お、//(時間切れ)


 そういえば私、RPGではストーリーも大事ですけどレベル上げにめっちゃ執着するプレイスタイルだったような。暇があればまた始めようかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ