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880回目 2021/8/10

 果たして自分は好きなことができているのか? と思ってしまいました。


 一回目

 お題『苦しみの床』

 必須要素(無茶ぶり)『コミケ』

 文字数『1090文字』 完結


 タイトル『きっかけ』


 好きなことを好きなだけやれたら、なんて、子どもの頃はよく言っていたと思う。


 でも、大人になるにつれて、そんな馬鹿げたことは言わなくなっていく。言えなくなっていく。


 好きなことを好きなだけやる……それは簡単なようでいて、とても難しいこと。


 好きなことをやれることが、そもそも幸福なことなんだ。それを気づかずに成長することは、罪ではないけど愚かではあったんだろう。


 日常をつつがなく暮らせる幸福は、当たり前になりやすいからありがたがることをしない。


 だから、もっともっとと求めてしまう。今ある幸福よりもたくさんの、濃い幸せを、なんて。


「……ごほっ」


 今までの日常が、どれだけ恵まれていたのか。


 それを人が知るのは、当たり前を失った先でしかない。


 僕が失ったのは、健康だった。


「げほっ、ごほっ!?」


 突然だった。


 めまいみたいに視界が揺らめいて、気づけば床に倒れて咳き込んでいた。


 咳は止まらない。涙で滲んだ視界をうっすら開けば、口元近くの床に血溜まりができていた。


 息が苦しくなり、意識が遠のいていく。


 不思議な感覚だった。つい先日も、趣味のためにコミケまで遠征に行き、戦利品を抱えてホクホクと帰ってきたというのに。


 今じゃ、たった数日前の幸せですら、ものすごく遠いものに思えてしまう。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 実家暮らしだったら、発見されるのも早かったんだろうな、と思うと笑えてくる。


 彼女もいなければ友達も少ない、こんな僕をアポもなく訪ねてくれる誰かなんていやしない。


 携帯はベッドの枕元で充電中だ。床に倒れたまま動けなくなった僕には、外と連絡を取る手段がない。


 目に映るのは間抜けな僕の吐血した汚物と、大金をはたいて集めた薄い本の山脈たち。


 本棚くらい、買ってやれば良かったな。


 そんな情けない気持ちが、意識を失う寸前の思いだった。




「……はぁ」


 生きていた。


 運良くアパートの下の階の住人が異変に気づき、通報してくれたらしい。


 死ななかった。


 だからか、僕の価値観が少し、今までと違うものになっていた。


 人間、いつどこで死ぬのかなんてわからない。


 好きなだけ生きられるなんて、妄想でしかないんだ。


 だから。


「好きなことして、生きよう……」


 後悔しないように。


 苦しい記憶だけを持って死なないように。


 僕は、震える手でスマホを取り、ペンタブを通販で購入した。


 やりたいことを、やるんだ。


 生き残った僕が、やりたいことを。




 二回目

 お題『誰かと殺人犯』

 必須要素(無茶ぶり)『オタク』

 文字数『929文字』 未完


 タイトル『恐ろしい犯人』


「……お前、俺が誰だか分かってんのか?』


「ええ。指名手配中の連続殺人犯さんでしょう?」


 とある一軒家のリビングで。


 刃物を持った男が、家人の女性の首元に刃を向けていた。


 壁に押し付けられ、身動きも取れない女性は、しかし顔から余裕は消えていない。


 対して、動きを拘束し死の恐怖を押し付けているはずの男の方は、苦み走った表情で動揺が強く見られる。


 立場と態度が正反対な二人は、やがて女の言葉で状況を変える。


「何をそんなに怯えているの? あなたが殺人犯なら、私を殺して金品を奪って逃げたらいいでしょう? 何故そうしないの?」


「っ、うるさい!!」


 虚しい恫喝が響く。


 女性の首を掠めるように、男がナイフを壁に突き立てた。


「お前は知ってんだろ?! 知ってて煽ってんだろ?! ふざけんな、ふざけんな!!」


「どうしたの、そんなに興奮して? 逃亡生活が長くて、怒りっぽくなったんじゃない? 牛乳でも飲む?」


「黙れ、黙れ、だまれぇっ!!」


 男が放ったのは拳だった。


 頬を打ち付けられた女性は床に倒れ込み、笑顔と共に男を振り仰ぐ。


「ふふ、痛い。やっぱり、乱暴な人」


「お、お前が言うな! 人殺しが!!」


 くすくすくすくす。


 女の静かで耳障りな声が男の耳を打ち付ける。


 さらに顔こわばらせた男は、リビングから見えるキッチンを指さし、叫んだ。


「答えろ! どうして俺が殺人容疑をかけられた被害者が、あそこでバラバラにされてんだ!?」


 立派なシステムキッチンは、赤く黒く染まっていた。


 床には血のように赤い液体が流れ出し、カウンターキッチンで隠れたシンクには夥しい量の肉片が散乱している。


 男は逃亡犯だ。


 ただし、すべての罪状は冤罪でもあった。


 犯人が誰かもわからないまま続けた逃避行の末、所持金の限界を悟って押し入った家で、これを見つけた。


「ふふふ……あなた、私が誰か、わかっているんでしょう?」


 意趣返しのつもりか、女が男の質問をそのまま返した。


「身代わりになってくれてありがとう。オタクの引きこもりさん?」


 男は背筋が凍る思いで、女を見下ろした。


 すじょう//(時間切れ)


 だから、思い通りにならない主人公を続けて書いてしまったのでしょうか? 自分の心理がよくわかりません。


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