874回目 2021/8/4
今回はどちらもファンタジー設定でした。
一回目
お題『天国のカラス』
必須要素(無茶ぶり)『お湯』
文字数『848文字』 未完
タイトル『天の御使は限界を知らない』
「なんで生き物は限界に挑戦しようとするんだろうな?」
「……え? なにが?」
一般的に天国と称される場所で、暇潰しの仕事の合間に友人の白カラスをお風呂に入れていた私の疑問は、ふやけた声によって溶けそうになっていた。
「なにが、じゃなくて。ほら、君の大昔の同族のことさ。自らの知能を傲り、太陽神に喧嘩を売って黒焦げにされたあげく堕天した黒カラスだよ」
「あ〜、あのバカな。何? それがどうした?」
「いや、お湯の中でくつろぎきってる知性のかけらもない友人を見ていて、ふと思い出しただけだ。他意はない」
「おいコラ誰と誰を比較して連想してんだ下っ端ぁ!?」
ちなみに、この白カラスは友人で同僚ではあるが上司ではない。
「まだまだ神性を保って艶やかな白羽を持つ俺と、知能ごと神性を焼き焦がされたバカを一緒にすんじゃねぇ! 不愉快どころの話じゃねぇぞ!」
「俗っぽい口調はいかにも下界の生き物っぽいが、それはいいのか?」
「俺の言葉は神の言葉だ!! 不浄の肉塊どもにゃ真似なんざできねぇだろ!!」
うーむ、この友人は神性こそ失われていないが、品性はほぼゼロに等しいな。
「そうかい、そりゃあすごいね。ところで君は、何か限界を突き詰めたことはあるか? 先の堕天した同族のように」
「……ちっ! んなことして何になんだよ? 俺たちゃ神の使いだぞ? 与えられたことを許された領分の中でやることが存在意義だ。あえて制約以上の結果を求めるなんざ、無駄でしかねぇよ」
あからさまに話を逸らされて不機嫌そうな白カラスは、あえて乗っかってくれた上で優等生な答えをくれた。
「そうか。でも私は納得できないな。位階こそ異なるものの、下界も天界も同じ神が造られた被造物だ。それなのに、なぜ下界の生物は己の領分を平気で越えようとする? 誰に唆されたわけでもなく、自発的に?」
「バカなんだろ。焦げつき同族と同じで、頭が足りねぇだけだ」
「……そうか」
ならばなぜ、だてんなどという//(時間切れ)
二回目
お題『黄色い解散』
必須要素(無茶ぶり)『資料』
文字数『781文字』 未完
タイトル『黄色い声援の行方』
騎士団の訓練場で、鈍い金属音が連続する。
「きゃーっ!!」
しかし、その外周では甲高い声が上がり、少し特殊な意味で騒然としていた。
「おーおー、すごいギャラリーだな。毎度のこと、華のあるお方は羨ましいことで」
「心にもないことを言うな。そこらのお嬢さん方など、足手まといとしか思っていないだろうに」
歓声が鳴り止まない中、若い騎士二人の打ち合いを眺めているのは、上役だろう中年の騎士二人。
一人は無精に伸びた髪をバリバリとかきながら、大きなあくびを浮かべる不真面目そうな男。
もう一人は身なりを整え貴公子然として、ときおり手元の羊皮紙に視線を落としている。
「で、あの若造たちは使えそうか?」
「見ればわかる。今のままじゃ小間使いがいいところだ。我々の仕事は花形ではあっても、人気稼業ではないからな」
「はっ、相変わらずお厳しいことで」
鳴り止まない剣戟を背景に、二人の騎士はあっさりと告げた。
現在手合わせをしている二人は、貴族出身と平民出身で分かれている。
が、剣の実力は拮抗していて、かつ騎士として求められる技量としてはつたない。
呼んでもいない観客の応援は片方に偏重しているが、女性の声援で勝てるほど勝負の世界は甘くも優しくもない。
「どちらも従騎士として配属し、仕事も正騎士の雑用からだな。体幹も弱い。基礎から鍛えないと、危なっかしくて現場には出せん」
「了解。ま、最初っから上手くやれるやつなんてそうそういないわな」
「貴様が言うと嫌味にしか聞こえんぞ、平民出身の副騎士団長殿?」
「そりゃ、上司が化け物だと謙虚にもなるっての。だろ? 騎士団長殿?」
その時、審判役の騎士から制止がかかり、模擬戦は終了した。
「結果発表と激励、お疲れさんです」
「たまには貴様が変われ」
「残念、平民//(時間切れ)
お題や必須要素の少ない材料からどうこじつけられるか? みたいな大喜利要素もありますね。そっから面白くもしないといけないので、大変です。




