870回目 2021/7/31
お題や無茶ぶりによくわからないものがくるのも、もはや慣れたものです。
一回目
お題『汚い葬式』
必須要素(無茶ぶり)『美容整形』
文字数『903文字』 未完
タイトル『お葬式』
母親が死んだ。
かつて女優として注目されていたはずの人は、自ら命を絶つことで生涯を終えた。
「首吊りですって……」
「娘さんが発見者らしい……」
「まだ小学生なのに、かわいそう……」
喪服を着た大人たちは、葬儀の間もヒソヒソとうるさかった。
ずっとお坊さんのお経や木魚が響いていたはずなのに、ヒソヒソ声の方がうるさくてたまらない。
「……お前は、聞かなくていい」
歳の離れた兄が、暗に席を離れるように言ったが、私はそのまま居続けた。
母親の人生が、そこにあった気がした。
嗤っている。
悲しそうなふりをして、みんな母を嗤っている。
そこに死んだ人への尊敬とか、別れの寂しさなんてものはなくて、ただただ好奇心に突き動かされた野次馬たちが集まっただけだった。
あぁ、芸能界なんてろくなもんじゃない。
うるさいくてしつこい、子役が多く所属する事務所のスカウトマンと、二度と話をしないと心に決めた。
「わからなかったら、俺の真似をすればいいから」
お焼香の時、先に席を立った兄に言われて頷く。
棺の前に置かれた焼香台に、次々と人が集まり、香りを吐き出していく。
私も、言われた通り兄の真似をしてみた。
窓が閉じられた棺に、感慨はない。
死化粧というのをするらしいけど、それでも見れた顔じゃなかったのかもしれない。
母の顔は酷いものだった。
女優時代に美容整形をしていて、しかも腕が悪い医者に当たったらしく、私が覚えている頃から顔面が崩壊していた。
整形依存、ってやつなんだろう。心を病んだ人は、普通の考え方ができなくなるらしい。
母が何に絶望したのか、それはわからないし興味もない。
背中を押す出来事はあったのだろう。
たとえば……スカウトが家にまで押しかけて、母の顔を不気味なものとして見たこととか。
「小さい子を残して、どうするつもりなんだろうね……」
「お兄さんが育てるのかしら? でも、まだ成人したばかり……」
「ご親戚もいないみたいだし、大変そう……」
野次馬たちは、まだまだうるさい。
母の//(時間切れ)
二回目
お題『とびだせ昼食』
必須要素(無茶ぶり)『靴紐』
文字数『945文字』 未完
タイトル『お昼休みのゴング』
……三、二、一!
キーンコーンカーンコーン。
「今日はここまでだ。予習、復習はしっかりするように」
昼休み!
ここからが、勝負!
「あざっしたー!」
「あっ! おいこら山口! 危ないから走るな!!」
古典担当の先生の声を遠くに聞きながら、靴箱までダッシュ!!
とにかく時間がない!
あとでどんだけ叱られようが、今は五限に間に合わせることだけを考える!
「うわっ!」
「ひやっ!」
階段を数段飛ばしで飛び降り、踊り場にいたやつらにぶつかりそうになりながら、なんとか一階に。
「ちっ! あぁ、もう! 面倒くせぇ!!」
靴箱から乱暴に取り出した方が転がり、ついでに靴紐もグシャッとなってて履きづらい。
数秒のロスが長く感じられて、舌打ちも悪態も止まらない。
なんとか踵を履き潰し、まずは校門の外へ走った。
「はぁ、はぁ、コンビニ!」
しかし、足をとめてはいられない。
近くにコンビニがあったはずと、上がる息のままさらに走り出す。
「くそっ! 昼飯買いそびれただけで、なんでこんな苦労せにゃならねぇんた!!」
思わず叫ぶが、用意するのを忘れた俺が悪い。
ちら、と後ろを見れば俺と同じように校舎を飛び出した生徒が見え始めた。
うちの高校は基本的に昼食は各自持参する必要がある。
とはいえ、売店も学食もあるから、本当ならそこで済ますのが一番楽だろう。
が、うちの学食はとにかくマズイ。全メニュー、絶妙に美味しくないのだ。
それは、学食の余り物を主に出している売店も同じで、とにかく悲惨なのだ。
だからか、うちの高校では昼食の確保を学校の外でやるのが、生徒の中での伝統になりつつある。それだけマズイんだと察してもらえるだろう。
ついでにこんな急いでいる理由は、学校の近くで飯を買える店が少ないから。
のんびり歩いていたら、近くのコンビニや店に残ってる弁当や惣菜は空っぽになっているくらい、競争率が激しい。
俺が狙ってるコンビニなんて、平日の昼時は食料品がほぼ品切れになる。
下手したら飯抜きで午後を乗り越えなきゃいけない苦行が待っているんだ。そりゃいやでも真剣になる。
「ついたぁ!」
//(時間切れ)
だいぶ無理してひねり出した感があり、短編に凝縮するところまで頭が回っていなかったことがわかります。




