868回目 2021/7/29
ふとした時、私は本当に学生シチュエーションが好きなのだなと考えさせられます。
一回目
お題『暴かれた朝飯』
必須要素(無茶ぶり)『武田鉄矢』
文字数『900文字』 未完
タイトル『行動推理ゲーム』
「暇だから推理ゲームしようぜ」
「唐突だな……まぁいいけど」
朝のホームルームで、担任が来るまでまだ少し時間がある。
ほとんどのクラスメイトが集まり、ガヤガヤとした感想に包まれながら、前の席て背もたれに肘をついて座る男友達を見る。
「ルールは?」
「昨日一日の行動を、どれだけ正確に当てられるか、なんてどうだ?」
「シンプルだな。わかりやすくていいけど」
「決まり。先手は譲ってやるよ」
お言葉に甘えて、目の前のおとこをじっくり観察する。
普段の会話から、何かヒントがあればいいけど……そうだ。
「昨日の夜、野球中継観てたろ?」
「お、正解。まさか当てに来るとは思わなかったな」
「野球部の上に話題の中心がずっと変わらないんだから、すぐに思いつくぞ」
ただ、それ以外はあんまりわからない。特徴的だったのが野球だけで、他にこいつの趣味とか好き嫌いとか、行動を予測できる材料がない。
「……ダメだ、わからん」
「降参か? 出だしはよかったのに」
「そうポンポンと他人の行動を当てれるわけないだろ? お前だってそんなもんだって」
「ほーう? 言ったな?」
なんか得意げな顔してきてムカつくな。
こいつが出してきたゲームだし、よほど自信があるってことか。
「じゃ、俺の番ってことで」
「よしこい。ま、無理だとは思うけど」
「まず、昨晩のモノマネ系お笑い番組で、武田鉄矢のモノマネしてたマネ田銀矢で爆笑してたろ?」
は? 何だその具体的な推理?
「え……当たってる、けど、何で知って」
「次。テレビに夢中になり過ぎて『風呂に入れ』っておばさんに怒られたあげく、着替え中だった親父さんと脱衣所で遭遇したな?」
「いや、え? は?」
「ちなみに、今日の朝食はトーストに目玉焼きに焼きスパム。コーヒーにはスティック砂糖一本とコーヒー用ミルク二個入れて、慌てて飲んだから舌を火傷している」
「いや! いやいやいや! おかしいだろ?! なんでそんな知ったんだよ?!」
普通に怖いわ! っつか、推理なんてもんじゃないレベルの当て方だぞ?!
「//(時間切れ)
二回目
お題『あいつと哀れみ』
必須要素(無茶ぶり)『ゴキブリ』
文字数『858文字』 未完
タイトル『可哀想なゴキブリ』
「うわ、可哀想」
「なにが? ……あぁ、あれか」
三限の授業が化学実験だったため、化学室まで移動している時のこと。
たまたま歩調があった女子と雑談しながら歩いていたら、ふとこぼした言葉に視線を向け、納得する。
「おーい、丸まってばっかじゃつまんねぇだ、ろっ!」
「うぐっ!」
「ったく、きったねぇ廊下に蹲って恥ずかしくねぇのかブタ!」
「ぐうっ!?」
「おいおい、これじゃあブタですらなくて死にかけのゴキブリじゃねぇか。みっともねぇぞ、ゴキブリくん!!」
「ひぎっ!!」
別のクラスの連中だろう。少し肥満体型に見える男子一人を、三人がかりで袋叩きにしていた。
わかりやすいいじめは、しかし誰も注意したり止めたりしない。せめて、注意する側もいじめている人間と同数以上の仲間がいないと、止める勇気なんて出ないだろう。
可哀想、っていうのも、被害者になっている男子を指していっているのがわかった。
うちのクラスは幸い、目に見えるいじめのない平和なだったが、全ての教室でそうとは限らないらしい。
「さすがにやり過ぎだな、あいつら。先生呼んでくるか?」
「そうだね。可哀想だもんね、あの人たち」
こちらも危害を加えられたいわけじゃないから、大人を呼んでこようと意見を交換し、連れ立って職員室に行こうとした……ところで、ん? と思い立ち止まる。
「あの人、たち?」
「そうだよ? え?」
「うん?」
そんな場合じゃないのはわかっているが、何か致命的なすれ違いがある気がして、頭が少し考えるのを諦めた。
「えーっと、あのやられっぱなしなやつのことだよな? 可哀想って……」
「あぁ、そういう。たしかにあの人も可哀想だけど、一人を大勢で囲んで暴行の現行犯をしているあの人たちの方が可哀想だよ」
声のトーンを抑えたつもりなのに、この女子はよく通る声で話し出したから、少し焦ってしまう。
「だってさ。あんなに気弱そうな人をいじめるのに、一人じゃ何もできないんだよ? さ//(時間切れ)
まあ私の場合、全日制の高校になじめず途中から通信制に変わって卒業したため、高校生らしさにあこがれに近い感情もあるんでしょうけど。




