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867回目 2021/7/28

 短編のオチって、ラストの数行でまとまる気がしてきました。


 一回目

 お題『とてつもないぬくもり』

 必須要素(無茶ぶり)『年収』

 文字数『846文字』 完結


 タイトル『騙された』


「あれ、コタツなんか出してどうしたの?」


「んー? 福引で当たったから使って見たー」


 初詣から帰ったら、ふやけた顔をしたお姉ちゃんがコタツに全身突っ込んでまったりしていた。


 リビングの一角を占拠していてスペースは狭くなるけど、寒い冬は特に恋しくなるんだよね。


「私も入っていい?」


「って言いつつもう足入れてるじゃーん」


 すっかりだらけきったお姉ちゃんの足を退かしつつ、外で冷えた体を温める。


「っはぁ〜。悪魔的なぬくもり〜」


「ねー。もう何もやる気くなるよねー」


「え、お姉ちゃん仕事あるって言ってなかった?」


「現実逃避は大事なんだよ」


「せめて休憩って言えば……?」


 感覚が学生の長期休暇終盤みたいなんだけど。


 正月なのに在宅ワークとか、本当熱心だなーと思うけど、そう言えばサボってるところしか見たことないな?


「お姉ちゃんっていつ仕事してるの?」


「んー? ひみつー」


「じゃあ年収は?」


「給与明細管理してないからー」


「じゃあ通帳見せて」

「断る」


 無駄に返事が早かったな。あんまり良くないのかな。


「どしたの? 年末にお金使い過ぎたとか?」


「……実は」


「うん」


「コタツ買ったら体はとてつもなく温まったけどお財布は氷河期に……」


「福引で当てた、って言ってなかったっけ?」


「見栄くらいはるよ、お姉ちゃんだし」


 なんか謎理論が飛び出してきたところで、だんだん眠くなってきた。


「ふぁ、あ……」


「眠いなら寝ちゃえば?」


「んー、そーするー」


 着替えるのも面倒くさいし、なによりコタツの魔力がものすごい。もう動ける気がしない。


 心地よいぬくもりを感じながら、徐々に意識を手放していった。


「……ふー。さて、この会話が何か仕事のヒントになればいいけど」


 私が寝入った後。


 こたつの中に隠していたボイスレコーダーを奪うことはできなかった。


 無許可録音をするお姉ちゃんは、小説家である。




 二回目

 お題『煙草と弁護士』

 必須要素(無茶ぶり)『抜け毛』

 文字数『957文字』 未完


 タイトル『野良弁護士の勝率』


「仕事しろ、ダメ人間」


「んあ?」


 いつも聞いている冷たくて容赦のない声で目が覚めた。


 かすむ視界と寝ぼけた頭で、口も態度も当たりも強い姪っ子の姿を認識する。


「……おはよう」


「もう昼だよボケナス。せっかく国家資格取ったんだったら、ちゃっちゃと稼いでさっさとくたばれ」


「酷くない? 仮にも僕、君の叔父さんだよ?」


「やめろ。人生の汚点を言葉にするな」


「……ひどくない?」


 朝から言葉の暴力で泣きそうだ。家族とは言え訴えるよ? モラハラ判例、めっちゃ用意するよ?


「こんなボロ事務所でも、ときどきは人が来るんだから、最低限社会人としての身だしなみくらい整えろよ」


「あー、うーん、やれればやっとく」


「布団の上でタバコを吸うな! 火事になったら手足縛って放置するからな!」


「えー……立派な殺人罪だよそれ」


 仕方ない。火をつけたばかりだけど、姪っ子を殺人犯にするわけにもいかないし。


 机に放置していた六法全書の上に置いてある灰皿に、もったいないけどタバコを押し付けて鎮火した。


 タンクトップにトランクス姿のまま、ついでに枕に抜け毛を量産しまくってる僕は、こんなのでも弁護士だ。


 司法試験は一発合格したけど、肝心の依頼人がほとんど来ない。


 まあ、実績少ないし大手事務所に追い出された問題児扱いだし、しょうがないよね。


 個人事務所を設立してからは、民事刑事問わず僕のキャパシティに収まる量の仕事をしては、惰眠とタバコを貪っている。


 この姪っ子ちゃんは姉の娘さんで、一応僕が保護者相当。高校生なのに家事全般やってくれて、ついでに確定申告も手伝ってくれる有望な若者だ。


 まぁ、実の母親がDV親父に手をかけて刑務所に行かなければ、今も姉と暮らしてたんじゃないだろうか?


「ふわぁ〜、しゃーない、仕事するか」


「今日はスーパーの特売日だから、余計な仕事押し付けんなよ?」


「はーい、いつも助かってまーす」


 盛大な舌打ちを残して、姪っ子ちゃんはエコバッグをふんだくって家を出ていった。


 昔はもっと大人しかったのに、嫌な経験積んじゃってるね。


「ご飯は……ないかぁ」


 仕方ない、今日もカップ麺で。


 うちは事務所と住まいが兼用で、短時間で//(時間切れ)


 それに比べると、『野良弁護士』は長編の序盤みたいな感じでしたね。短編は書き出しも終わり方も難しいものです。


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