865回目 2021/7/26
なにが書きたかったのか、わかりそうでわからない短編でした。
一回目
お題『茶色い私』
必須要素(無茶ぶり)『しいたけ』
文字数『920文字』 未完
タイトル『割り下が染み込んだお麩』
「はい、どうぞ」
「ありがとう。本当、よく気がつくね」
別に。
取り皿の中が少なくなっているのに気づいたのは、たまたま目に入ったから。
ついでに、私が嫌いなしいたけを多めによそったのもたまたま。
はぁ……何で私、知らない人たちとすき焼きなんて囲んでるんだろ?
「具材が少なくなってきたので、追加しますね」
「あ、いいのに。お客さんなんだから、座っといてよ」
そんなわけにはいかない。
たかが大学のサークルコンパだったとしても、私は新入生で他はほとんど先輩だ。
どれだけ気楽を押し出していても、上下関係は必ず存在する。
仮入部だから長くいる予定はないけど、要らぬ波風をたたせるよりはずっといい。
「お酒、新しいの注文しますか?」
「え? っと、もうグラス空いてたか。じゃあ、同じのもらえる?」
「わかりました。すみませーん!」
同じのってなんだよ、知るわけないだろ。
ビールか? ハイボールか? それともカクテル?
空になったグラスだけで、あなたが飲んでいたアルコールを当てられるわけないじゃないか。
こっちはあなたにそこまで興味ない。同じのが欲しけりゃ自分で頼んでくれ。
「……大丈夫ですか?」
「え? あぁ、君も新入生?」
「気まずいですよね、見学してたらいきなり飲み会なんて」
「本当、居心地が悪いっていうか、なんていうか。悪い人たちじゃないんだろうけど、強引なんだよなぁ」
はぁ、と思わずため息のタイミングが被ってしまった。
この男の子も、私と同じく飲み会の誘いを断れなかった口だろう。心なしか、食もお酒も進んでいない。
私だって、お店に来てから一口もご飯は食べてないし。食べたくないわけじゃなくて、タイミングとか色々逃しちゃっただけだけど。
「あなたは、とうするんですか?」
「はは、たぶん入部することになるんじゃないかな。あんまり興味はないけど、他にやりたいこともないから」
流されやすい人。
私も、人のこと言えないけど。
「そうですか。私は、また明日考えます」
「断れるかもしれないんだ。僕からしたら、それだけでもすごいよ」
//(時間切れ)
二回目
お題『打算的な顔』
必須要素(無茶ぶり)『会話劇』
文字数『708文字』 未完
タイトル『黒くほろ苦いもの』
他人同士の争いは、いつも唐突に訪れる。
「納得がいかないわ。どうしてあなたに譲らないといけないの?」
「譲る譲らないの問題じゃない。所有権は元々俺にあった。後から見つけただけのお前に、権利を主張するほどの優位性はない」
「早い者勝ち、なんて言葉があるでしょう? そんなに自分のものだと主張したいなら、肌身離さず持って監視しておけばよかったんじゃない?」
「常識的に考えて、できるわけがないだろう。論理の飛躍に熱心で足元がお留守だぞ、三流詐欺師?」
舌戦が行われているのは、とある家のリビング。
同じ年頃の男女が向かい合うテーブルには、争いの火種だろうものが置いてあり、どちらも譲る気はないらしい。
「……わかった。わかりました。8:2でどう? これなら文句ないでしょ?」
「俺がどっちだ?」
「2」
「論外だ。話にならん」
女性の方は真剣に打算を働かせていたのか、自信をみなぎらせていた顔が即座に歪む。
「何よ! こっちだって譲歩してあげてんでしょ?! さっさと頷きなさいよ!」
「できるわけがない。このプリンは俺が買ってきたものだ。お前にわかる道理がない」
「ケチ! ケチケチケーチ!」
「どうとでも言え。そんなに欲しかったら、自分の小遣いで買うんだな」
男性は机の容器を手に取り、女性の目の前で中身を食べ出した。
「あーっ! 私のプリン!!」
「最初から俺のだよ……ったく」
子供のように騒ぐ女性に、男は呆れたような視線を向けた。
「そもそも、兄の持ち物を勝手に奪おうとするな、盗人め」
「ただの居候が偉そうに。あんたの親父が抱えてた借金、飛び火したのはと//(時間切れ)
会話の勢いだけで書いた、みたいな印象が二つとも強かったです。勢いだけで書くことはもうほとんどないので新鮮ですが、面白いかは別ですねやっぱり。




