862回目 2021/7/23
ライブハウスとか行ったことないんですけど、どんな盛り上がり方をするんでしょうか?
一回目
お題『明るい人々』
必須要素(無茶ぶり)『ギター』
文字数『801文字』 完結
タイトル『芽吹く心音』
『それじゃあ次の曲、行ってみようかー!』
ボーカルのMCが終わりを告げ、新たな楽曲の期待に小さなライブハウスが揺れた。
テレビで見るような大きな舞台じゃないし、観客の数もコンサートとかと比べたら少ないだろう。
それなのに、この熱は、振動は、高ぶりは。
決して、一流と呼ばれるアーティストが浴びるものに劣ってはいなかった。
「すごい……」
ロック調ながらポップスに近い曲は、あまり深い音楽の知識がない私でも楽しめる。
最初はロックバンドのライブに行こう、なんて言われてすごく渋っていたのに、現金な性格だと我ながら思う。
私を誘った友達は、私の隣で私そっちのけで盛り上がっている。昔からのファンだと言っていたし、私と違って熱中できるものがあるんだから、いいことだ。
周りを見渡しても、ボーカルの美声に、ギターの格好良さに、ベースの重低音に、パーカッションのリズムに、体全体で食らいつく人たちしかいない。
みんな明るくて、楽しそうで、生き生きとしていて。
音楽なんてサブスクで聴ければ十分と、わざわざ大金を払ってまで音楽を聞く必要がないと、冷めた考え方をしていた私のような人は、いないんだろう。
『一緒に行こう! 絶対、後悔させないから!』
あの時、目を血走らせて誘ってくる友達に反発しないでよかった。
単なる気まぐれだとしても、ライブって世界を知れたのは、私にとって多分いいことだ。
『楽しみにしてて! 世界が変わって見えるから!』
そう嘯いた友達に……認めよう、白旗を振るしかできない。
汗が滲む。
鼓動が高鳴る。
衝動が迫り上がってくる。
「……きゃああっ!!」
他の黄色い声と混じって、この日初めて歓声を上げた。
あぁ、楽しい。
灰色の世界に、ようやく熱の灯った色がにじみ始めた。
そんな気が、確かにしたんだ。
二回目
お題『蓋然性のある姫君』
必須要素(無茶ぶり)『ステマ』
文字数『708文字』 未完
タイトル『SNSに現れた姫様』
「この人って実在の人だと思う?」
そう前置きした友達が示したのは、あるSNSのアカウントだった。
「『放浪の姫君』? なんだ、この痛い名前のアカウント? しかも自撮りで金髪縦ロールとか、狙いすぎだろ」
まず、ぱっと見だけでツッコミどころが多すぎる。
どこの二次元だよ、と言わせたいがためのドリルパーマに、いつの時代だよ、と思われたいだけのフリフリドレス。
顔立ちは……まあ多分外国人の血が入っているか、もしくは外国人レイヤーか、ってくらいには彫りが深い美人に見える。
ただ、名前からして中々な人物と見ていいだろう。レイヤーとしての活動名ならまだしも、完璧にキャラになりきった感じを出されると痛さが増す。
少し投稿を見てみると、だいたいがリアル姫プレイ実況に思える。ティータイムに執事に侍女って、どんだけの人巻き込んでんだこいつ?
「実在したら笑えるけど、さすがにネタだろ。こんな生活、普段から送れるような金持ちかつ道楽者なんて、早々いねぇって」
「でもなぁ……ほら、これ見てみ」
「ん?」
歯切れの悪い友達が操作して表示させたのは、また別の一般のアカウントらしい。
が、投稿の中の一つに、さっき見せられた姫プレイの人が動画を撮られていた。
「……え、何これ?」
「な? いやにマジっぽいだろ?」
そんな、全く無関係のアカウントによる目撃情報は、予想外に多かった。
一つ見て偶然だと思い、二つ見てそりゃ目立つわと思ったが、三つ四つと違うシチュエーションで撮影されたお姫様ロールを徹底する外人美女。
言葉も何言ってんのかわからないが、動画の一つでひめ執事が撮影者//(時間切れ)
あと、『蓋然性』とかどうやって表現すりゃいいんでしょうか? にたような言葉は『可能性』ですけど、マジで意味が分からないお題は困ります。




