86回目 2019/6/9
私の行動範囲は決して広いわけではありません(むしろめちゃくちゃ狭い)が、意外と興味が引かれるものってぽつぽつと見つかるものです。
今回はとあるエッセイで語られていた、『ヒロインのかわいさ』について考えていこうと思う。
ヒロイン……それは男性主人公においては欠かすことができない相棒であり、女性主人公においては物語のメインそのものを指す。
何はともあれ、『なろう』における大多数の作品としてはとても重要な立ち位置のキャラクターといえよう。(例外的にヒロインが登場しない作品もあると思われるので、すべてにおいてヒロインが重要だと断言はしない)
私が見たエッセイでは、作者様が具体的な作品とヒロインの名前を挙げており、自身の好みを再確認されていたように思えた。浅学により私が知らない作品もあったが、熱量は伝わってきた。
さて、それでは自分が求めるヒロイン像とは何か? と考えたとき、気づいたことがある。
……あれ? 何も思い浮かばないぞ?
キーボードを前に、眉間へしわを寄せながら、記憶の中にある作品をツルハシで掘り起こしてみた。
あれれ~? 誰も思い浮かばないぞぉ~?(某体はこども・頭脳は大人な名探偵風)
正直、我ながらびっくりしている。
どうやら私には、絶対的な『理想のヒロイン像』が存在しないらしい。
私がよく出没するエッセイ日刊ランキングでは、たまにヒロインについて語る作品が投稿されているため、その手の話題で盛り上がることは知っていた。
客観的にみる限りでは、楽しそうだな~、とのんきに眺めていたのだが、いざ自分のこととなると空っぽすぎてもはや笑えてくる。
おそらく、私の評価基準が『作品全体』を前提にしていて、『キャラを個別』に評価したことがほとんどないらしい。
これでは話が進まないので、もっとよくヒロインについて、果ては女性の好みについてまで考えを飛ばしてみる……。
そうして、天日干しにした雑巾から水分を絞り出すように考えた結果、『私にまともな恋愛経験がないのが悪い!』という結論に至った。
ここで暴露することではないが、私は恋人を作ろうと努力したことがほとんどない。というか、初恋もあったかどうか曖昧だ。(ちなみに同性愛者ではなく、性欲もあるので無性愛者でもない)
気になった異性がいなかった、とまではいかないが、私の中では『恋に恋した』とでも言えばいいのか、『女性』ではなく『状態』にあこがれていた気がしてならないのだ。
なので、身近で気になった異性は『好きだったかもしれない』だけで『好きだった』とはいえない人といえる。(我ながら面倒臭い思考の持ち主だとは思うが、それが性分と諦める他ない)
そう考えてしまう大きな原因の一つとして、恋愛対象に対する『親愛評価』と『性愛評価』をわけて考える癖がついていることがある。
まあ要するに、『容姿やスタイルが自分の好み』であるからといって、すぐに『恋人にしたい・付き合いたい』とはならないのである。『性的対象』と『恋愛対象』は私の中でイコールではないのだ。
あくまで自己評価ではあるが、ジョン・アラン・リーの恋愛態度類型論において私は『友愛型』が強い、と思っているのもあるのだろう。
(他には『遊び型』、『実用型』、『献身型』、『性愛型』、『偏愛型』があり全六種類。表記は適当なので、詳しく知りたければググろう)
ともかく、私のそうした価値観が『好きな個人』として見ることを阻害しているのかもしれない。外見や性格がいいにしろ悪いにしろ、作品の中で必要だと思えば『納得できる』のも大きい。
だからか、一応ハーレム物として書いている拙作を取り上げても、『○○さん/ちゃんが特に好き!』とはならない。
そのような評価をしていいのは同じ世界を生きる他のキャラクターや、拙作に目を通してくださった読者様であって、筆者ではないと思っているのだ。
自作だと特に『自分の理想』ではなく、『そういう人物が実在する』という感覚を強くして書いてしまい、主観的評価は置き去りにしがちである。
もちろん、『拙作に登場させたキャラクターが嫌い』だというわけでは決してない。いい部分も悪い部分も知っているからこそ、『愛』と呼べるほどの全肯定ができないだけだ。
……いつの間にか私の恋愛観に話が変わってしまったが、とにかく『手放しで好きといえるヒロイン』はいないと言っていいだろう。これを書いている間も考えてみたが、一向に浮かんでこないので重症だ。
それでも何とか拙作のヒロインから特徴だけでもあぶり出してみるならば、『強い女性』が好きなのだろうとは思う――筋力的ではなく精神的な話である、念のため。
というのも、拙作で出したヒロインはほぼすべて、(主人公の介入があったとはいえ)立ち直れなくなるほどの挫折を経験しても、自力で乗り越えようとする描写があったからだ。
そこから推測するに、無意識的に『格好いい女性』をヒロインにしたい願望があるのかもしれない。
さらにキャラクターとしての理想をいえば、『男性が惚れる漢』とか『女性が憧れる宝塚』とかに魅力を感じ、いつか描いてみたいという気持ちが強い。
総括として、私は『同性が嫉妬を通り越して尊敬するような格好いい人』が好きなのだろう……だから時々、女性キャラに漢気が出てしまうのだろうか?
引き続き、この問題に関しては自分で折り合いをつけていこうと思う。
前に書いた内容とかぶることもままありますが、それは私にとって『関心の度合いが高い話題』だと確かめられるため、無駄ではないでしょう。(そう思いたい)
まあ、文字を日常的に書いていくことの練習にもなりますし、面白いことと続けられればそれでいいんですよね、きっと。
(筆者、メンタルリハビリ中……)




