859回目 2021/7/20
なんか、劣化版『○ノの旅』みたいなのを書いていました。
一回目
お題『綺麗な国』
必須要素(無茶ぶり)『主人公が誰かを愛す』
文字数『728文字』 未完
タイトル『もっとも綺麗で醜悪な国』
世界一美しい、と言われた国があった。
それは正しくどの人種どの文化圏から見ても、目に映るもの全てが美しいとされた。
風光明媚な景色も、装飾が施された建築物も、果ては提供される家庭料理に至るまで、すべてが美しいと絶賛された。
その国では『美感』こそが絶対の価値観であったが故に。
全てにおいて『美しさ』が優先され……裏を返せば『美しさ』以外の全てが無価値とされた。
自然も、物も、人でさえ。
「……ちくしょう」
美しい王都の影に潜む場所。
建物と建物の間に生まれた裏路地でうずくまる少年が一人。
美しい国の住人とは思えないほど、身なりは汚く体つきは貧相で、この国が掲げる基準には到底達しない外見をしている。
まともな食事も取れていないらしい腕はか細く、右手がおさえる腹は栄養失調のためか膨らんでいた。
彼はこの国で生まれた、不運な孤児だった。着飾り取り繕うことを至上とした国で、その身を顧みることさえできない、最底辺の存在。
美しくない者は人ではない。貴族だけに限らず、平民までもが信仰している共通認識が、謂れのない弱者をさらに追い詰める。
少年もまた、この国の犠牲者だった。人ではないと蔑まれるだけならマシだが、直接的な暴力を振るわれることも日常茶飯事。
果ては飲食物の購入も許されず、人でないとされた人々は、自然と犯罪に手を染めねば生きていけない。
それほど、美がこの国で尊ばれており、社会の闇をより濃くしている光になっているのだ。
「はらが……へった……」
寄りかかって座る壁に後頭部を転がし、表通りとは逆の裏路地の先へ視線を向ける少年。
そこには、人間の掃き溜めがあった。
//(時間切れ)
二回目
お題『小説家たちのカリスマ』
必須要素(無茶ぶり)『「ひょえー」』
文字数『874文字』 未完
タイトル『カリスマという偶像』
「一番すごい小説家って誰だと思う?」
小さな部室でそれぞれの作業をしていたとき、部長がそんなことを言い出した。
文芸部としては、それっぽい質問だと思う。けど、今聞くことか? とも思ってしまう。
俺は文芸誌読んでたし、真面目な同級生はなんか書いてたし、ほぼ名義だけの一年二人はスマホいじってるし。
それに部長も、前からやる気あるのかないのか分からない人だったから、どこまで本気の質問かもわからない。
混んだか部員が好き勝手やってるのを放置してたのに、今さら会話がなくて気まずいなんて理由じゃないだろうし。
っていうか、そんなの決められるのか? と本来の疑問に戻った時には、すでに同級生が口を開いていた。
「すごい、の定義がわからないのでなんとも言えません。文章力や表現力、レトリック、伏線にオチ。色んな評価基準があると思いますし、それらを平等に数値化しても単純な優劣は難しいんじゃないでしょうか?」
さすが、真面目が服を着たようなやつだ。意見に面白みがまったくない。
「うひょー! ラッキー、詫び石で星5来たーっ!」
「あ、ずりぃ! 俺さっきからずっとハズレなんだぞ! スマホ換えろ!!」
「やなこった! 悔しかったらお前も引けばいいだろ! ……あ、次爆死した」
「ざまぁ!! ほら見てろよ! 俺もきっちり当たり引いてやる……はい、爆死ー!」
こっちはこっちで、部長の話は聞いてない、と。
まあ、外で問題行動を起こさない限りは放置でいいか。
俺だって、部活必須なんて縛りがなかったら、今ごろ帰宅部を満喫しているだろうし。
「それに、時代とかもあるんじゃないっすか? 昔の文豪を勘定に入れたら、それこそ選びようがないっていうか」
「なるほど。うちの部員はまともに答える気がないってことがわかったよ」
あれ、外した? 俺なりに真面目に答え出したんだけど……いやまあ、疑問には答えてないけどさ。
「普遍的な意味じゃなくて、自分が一番だと思うカリスマがいるか? って話だよ。面白い作品に出逢ったら//(時間切れ)
そして『「ひょえー」』が『「うひょー」』になる凡ミス。セリフ系は特に、書いている途中で細かいところ忘れるのがダメなところですね。




