858回目 2021/7/19
長編の書き方を忘れない限り、短編の簡潔は難しそうです。
一回目
お題『楽しかった食器』
必須要素(無茶ぶり)『グーグルマップ』
文字数『968文字』 未完
タイトル『彩る出会い』
「えっと、この辺のはずなんだけど……」
スマホに映したグーグルマップを頼りに、駅から歩くこと十数分くらい。
初めから場所に手こずりながら、なんとか目的地のマンションにたどり着いた時には昼過ぎになっていた。
「やっと着いた。もうちょっと余裕みて家を出るんだったな」
時間帯として正当な理由から、お腹がグーっと抗議を上げてくる。
本当なら午前中にお邪魔して用件を済ませ、今ごろは昼食を食べててもおかしくない予定だったのに。
休みだからって寝坊は良くないよな。本当、反省しよう。
「確か、十二階だったっけ? よくこんなマンションに住めるよな。羨ましいよ」
玄関からしてセキュリティがすごくて、初めて触った部屋番号で呼び出しする機械を、おっかなびっくり操作する。
「すみません、遅くなりました。先日、引き取りサイトで連絡しました田村ですけど」
『わかりました。どうぞ』
返事はすぐにきて、若い女性らしい声の後で自動扉が開く。
それからエレベーターに乗り込んで、ボタンを押した。
これから会う人は初対面である。用事は一つ、引っ越しを機に不用品になった品々を、タダで譲ってもらうためだ。
ゴミとして処分するより労力も手間賃も抑えられ、欲しい物がある人もタダでものが手に入る、まさにウィンウィンな取引アプリだと思う。
今回、俺が目をつけたのは食器だ。少し前に俺のミスからおかず用の皿を割ってしまい、買うのも億劫になっていたところを見つけたのだ。
「1205は……あった」
エレベーターから降りて、下でプッシュした部屋番号を発見し、呼び鈴を鳴らす。
「はい。田村さんですか?」
「あ、そうです。すみません、ちょっと道に迷っちゃって」
「構いませんよ。どうぞ」
チェーンがかかった扉越しのやり取りから、鍵を開けてもらい手招きされる。
あれ? 女の人だし、知らない男相手だから玄関で渡されるかもと思ったけど、入れてくれるんだ。
「お邪魔しまーす」
「スリッパをどうぞ。少し散らかってますけど」
「いえいえ、事情はわかってますので」
困ったような笑みを向ける女性、上村さんに頷いて見せる。
リビングに通じる廊下は段ボールでいっぱいで、本当にもうすぐ引っ越すらしい。
//(時間切れ)
二回目
お題『少女の紳士』
必須要素(無茶ぶり)『脂肪吸引』
文字数『904文字』 未完
タイトル『肥満が理想のジェントルマン』
私の中で紳士とは、他の子と大きく違うイメージがある。
すらっとしていて、背が高くて、顔が整っていて、いつも女の子を立てるようにしてくれる。
「梓、手を」
そう、たとえば階段くらいの小さな段差でも、手を取ってくるような、結構テンプレなイメージだ。
「いらない。ってか、学校の階段くらい支えとかいらないし」
「そう? ごめんね、気が回らなくて」
「気を回しすぎなの。放っておいて」
そんなのが私や横にいるんだけど、やっぱりダメだ。全然ときめかない。
たぶん、私の方が少数派だ。わかっている。
なにせ私が抱く紳士のイメージが、肥満体型で、チビで、肉に顔が埋もれているような鏡餅体型なのだから。
「でも、何かあったら言ってね。僕で良ければ、力になるから」
それは、私の隣で絡んでくる男子……明人の子どもの頃の特徴と一致している。
つまり今は、私の中の紳士ではなく、一般に浸透した紳士に、明人はなったのだ。
「……だったら、昔みたいに太ってよ。ガリガリの明人、まだ慣れないんだけど」
「そう言われても……中学で脂肪吸引とか胃の切除とかされたから、今はもう太りようがないよ」
「知ってる。でも私はまるまるとしたプニプニ明人がいい。そっちのが落ち着くから」
「はぁ……梓がデブ専だったなんて知らなかったよ」
大袈裟にため息をつく、観賞用にもってこいのイケメンは、しかしやっぱり受け入れられない。
と言うか別に、私はデブ専なんかじゃない。恋愛対象として見るなら、普通に痩せている方が好きだ。格好いいし。
明人だけだ。太っていて欲しいと思ってしまうのは。
「……説明するのも面倒だし、いいや」
せめてデブ専だけでも否定しようか? と思ったが、この手の話になるとあまり信じてくれないので、もう諦めることにする。
女の子がやられると嬉しいことは大抵こなすのに、複雑な女心は見抜いてくれないらしい。
期待していたわけじゃないけど、期待してしまうのは仕方ないと思うんだけど。
「ほら、他の女子がキャーキャー言ってるから、答えてあげれば?」
「梓といるのに//(時間切れ)
あと、書きたいことが先行してよくわからない文章になるのもあるみたいですね。『肥満』の方は自分でも読み直して気持ち悪くて意味がわかりづらい文章だと思いました。
推敲、大事。




